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[15] ボリと駄目ニパ
鬱 - 2007年02月11日 (日) 15時04分

腐っている間は放っておく、歯向かってきたら殺す。
だが可能ならば手駒にしたかった。
経歴は間違いなく期待のルーキー。
ただ一人あの絶望的な状況から逃げ延びた事実がそれを裏付けている。
追い詰められまぐれで発揮しただけだと切り捨ててしまえないほど、鮮やかにEMを駆っていたのを見た。

その腕前が仇なったな。
酒浸りになっている様子を報告で受けながら嘲笑する。
あの時死んでいれば、そんな無様な姿を曝さずに済んだものを。
慌てて殺すことはない。
敵対する意思を確認できてからで充分だ。
もっともそんな事態になるなど有り得ないだろうが。

空になったグラスを置き、立ち上がった。



「…え?」
「耳まで遠くなったかこの酔っ払い」
ソファの背を掴み、腕の間で身を竦める奴に顔を近づける。
「てめーみてぇなダメなのを雇ってやるっつってんだ。オレの懐の深さに感謝するんだな」
奴はさらに身を縮め、視線を斜め下へ逸らした。
「オレは…働きたくなんか…」
顎を掴み、強引にこちらを向かせる。
「働かずに生きてこうなんざおこがましいんだよ。どうせコレもツケなんだろ?ア?」
テーブルにあった飲みかけのグラスを掴み、中身を頭上からぶちまける。
小さく悲鳴を上げて今更頭を庇う仕草をする奴を、身体を起こし見下ろす。
髪を伝い落ちる雫。
翳した手越し、おもむろに上向けられる虚ろな瞳。
嗜虐心をそそられる光景だ。
「そいつに働けとはオレも言ってる」
背後から声が聞こえた。
振り向けば、店のマスターが立っていた。
「ツケのことは店の問題だ。気遣いは嬉しいがここは俺に任せて今日は引き取ってくれねぇか。他の客が怯える」
マスターがボトルを一本手にしながら言った。
それが高い酒である事を、今の自分は知っている。
店内を見渡す。
息を潜めなりゆきを見守っていたらしい客達を鼻で笑う。
もう一度、奴を見下ろした。
「働く気になったら来い。いいか、くれぐれも妙な考えは起こすなよ。おっと、てめーにそんな根性ねぇか」
言い捨て、出口へと歩きながらボトルを受け取る。
ドアを開け、待っていた部下達を率いて歩き出す。

勝った、と何故か思った。
何に対してか、自分でも良く分からなかったが。



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