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[33] 下のボリニパ?の続き ボリ目線バル←ニパ
ビター - 2007年03月08日 (木) 21時20分

物音で目を覚まし、音源であるキッチンを覗く。
いつ帰ったのか、奴がコンロの前にいた。
ちらっと視線を寄越すと、またコンロへ向き直る。
何か液体が入っているらしい鍋に、冷蔵庫から出した少しの飯と粉チーズ、調味料を無造作に放り込んでいく。
無視されている事に堪えきれなくなり、自分から話しかけた。
「遅いご帰還だなァ?」
できるだけ皮肉っぽく言う。
「まだ食い足りねーのかよ、意地汚ぇな」
わざととしか思えない的外れな反応が返ってきた。
「誰がだコラ!便所に起きただけだっつーの!」
足取りも荒々しくキッチンから離れる。
だが寝に戻る気にはなれなかった。

気付けば隊長が使っている部屋の前にいた。
ドアを開けると、隊長は端末機に向けていた視線を上げこっちを見た。
来たものの何を言うべきか迷っていると。
「あいつ、ちゃんとメシ食ってたか」
そう聞かれた。
“隊長は知ってんだよ”
昼間、絶句させられた奴の言葉を思い出す。
随分根が深そうじゃないかと、苦々しく思う。
「その様子だと奴が隊長に惚れてる事も知ってんでしょう。
 いいんスかアレ、止めなくて」
隊長はまた端末機に視線を落とした。
だが表示されている内容を見ていないのは傍目にも分かる。
「オレが何とかできるならとっくにしてるさ」
短くはない沈黙の後、隊長は再び口を開いた。
「あいつな、オレの傍で働きたくてEMの免許取ったんだそうだ。
 酔っ払ってた時だし本当に嬉しそうだったから、本心なんだろう」
本心でないはずはない。
奴は昔から隊長しか見ていなかった。
思い返し、奥歯を噛み締める。
途切れた言葉を、隊長がまた続ける。
「これはオレがあいつと過ごしてきて感じた事だが…、
 あいつにとって今のあいつは叶った夢そのものだ。
 多分それを自分の手で壊したくねーんじゃねぇかってな」
そこでようやく隊長は顔を上げた。
「オレと良き仕事仲間であり相棒でありたいと思ってるあいつに、
 オレが口出しできる事なんてねぇよ」
寂しげに笑う。
また、酷く大人びた表情だと思った。
「それは…」
その先を何も言えず、隊長が寝るかと言い出すまで馬鹿みたいに突っ立っていた。



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