[617] 《太陽の讃歌》 |
- 伝統 - 2015年04月18日 (土) 04時05分
私が昔見た光は 月光を浴びて幽谷を流れる水であったのに、
今、わたしの見る光は 旭日(きょくじつ)を映した大海洋になっている。
いつのまに、 こんなに大きな海原に出て来たのか私は知らない。
ただわたしは 海の波のその一つ一つが、 唇をそろえて太陽をたたえる、 その讃歌を聞くのみだ。
ああわたしも 太陽を讃えたくなった。
太陽をほめる千万(ちよろず)の波の唇と共に わたしも声をそろえて 生命の讃歌をうたおう。
太陽を讃えているうちに わたしは波の歌う歌詞ににあわせて踊りたくなった。
太陽の光を斜(はす)かいにうけて、 海の上を辷(すべ)っていく あのあかね色に染んだ帆かけ船のように、 わたしも海の上を辷って行きたくなった。
帆かけ船の上には 一人のたくましい赤銅色の肌をした漁夫(りょうし)が 歌いながら踊っているのだ。
その漁夫の顔を見詰ていると それがわたしであった。 わたしはただ歌って踊っているだけで好いのであった。
生命の大海洋が わたしを乗せた帆かけ船を やっぱり生命の讃歌をうたいながら
押しながしてゆく海の上に 烈々たる太陽が砕けて、 海洋一めんに火が燃えているのであった。
<感謝合掌 平成27年4月18日 頓首再拝>
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