[923] 『 生命の實相 』 頭注版 第9巻 霊界篇 上 はしがきの“ 続き ” |
- 明鏡 - 2015年10月31日 (土) 19時22分
『 生命の實相 』 ( 新編版 第16巻 XI頁〜 XU頁、愛蔵版 第5巻 はしがき終わり部分 ―
頭注版 第9巻 はしがきの“ 続き ” )
但(ただ)し、宗教が予言(よげん)を利用して、人間を非常時に安全地帯に
避難させるもののように考えられているのは邪道(じゃどう)だと思う。
本当の宗教というものは人間の顚倒妄想(てんどうもうぞう)を破摧(はさい)して
根本的に人間に大安心(だいあんしん)を与えるものでなければならないのである。
『 般若心経 』 (はんにゃしんぎょう)にも 「 顚倒夢想(てんどうむそう)を
遠離(おんり)すれば恐怖なし 」 と書かれているのである。
何よりも本書に於(おい)て 最も力点(りきてん)を置くべきところは
「 平等心(びょうどうしん)より観(み)たる霊界の消息 」 の題下(だいか)に
収めたるマグナッセンの霊誥(れいこく)である。
差別心(さべつしん)で見るときには ヴェッテルニの霊誥(れいこく)に見るように、
人間は、色々の段階に於(おい)て色々の修行(しゅぎょう)をし、
それぞれの運命を受けて進化し向上するのであるが、
平等心(びょうどうしん)・実相心(じっそうしん)で見るならば
マグナッセンの霊誥(れいこく)にあるように 「 人間は神より出でたるイデア 」 で
あり、 「 金剛不壊(こんごうふえ)の実在 」 なのである。
この実相を知るとき、 『 般若心経 』 にあるように 吾らは 現象が空(くう)である
ことを悟り、吾らは既に 「 行(ゆ)き著(つ)いた ! 既に実相金剛不壊の
堅信(けんしん)を得た 」 ( 『 般若心経 』 末尾の陀羅尼(だらに)の
意訳(いやく) ) のであり、ここに一切の恐怖心は 絶滅され 本当の宗教的大安心を
得(う)るのである。
これこそが 真の宗教の最後の最高の目的だといい得(う)るのである。
本書の読者が、興味本位(きょうみほんい)に単なる現象的な人間の運命に
捉(とら)われることなく、最後に この最高の自覚に達せられんことを望むのである。
著者識(ちょしゃしるす)
※ イデア idea ・・・・・ 理念。原型
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