[265]残酷なお姫様のラブ・ソング - 投稿者：凛音

夢を見たの
幸せな夢なのよ。
あなたが私を救う夢。

白馬に乗ったあなたが
剣を掲げ私を塔から救い出すのよ。
素敵でしょう？


ねぇ、聞いて。
夢を見たの。
あなたと手をつなぐ夢。

寒い日だったんだけどね。
あなたの手は暖かかったわ
ぎゅっと私の手を握って
暖めてくれたのよ。


聞いて聞いて。
夢を見たの。
あなたとキスをする夢。

目をつぶってね、
そっと唇を重ねたの。
優しくて甘いキスだったわ。
目を開けたら目の前であなたは笑ってた。
いつもみたいな可愛い顔で。


お願い、聞いて。
夢を見たの。
あなたと私が二人でくらす夢。

このお城でくらしているの。
二人で。兵士もいないわ。
朝ごはんには卵を焼いてあげるの。
あなたはおいしいって食べてくれたわ。



ねぇ。聞いて。
夢を見たのよ。
あなたを殺した日の夢。

あなたは可愛らしくぶるぶる震えてた。
私は笑いながらあなたにキスしたの。
そして銃の引き金を引いたわ。


ねぇ、聞いて。
どうしたらあなたの夢を見なくなれるの？


答えてくれるわけのない
あなたの屍の耳元で
私はそっとつぶやいた。

( 2007年01月12日 (金) 21時53分 )

- RES -

[269] - 投稿者：凛音

前回の残酷なお姫様のラブ・ワルツ
の続きです！
どうでしょうか？

( 2007年01月12日 (金) 22時05分 )

[274] - 投稿者：ZEMA〜管理人〜

お姫様は外に出れず、そっと想いを寄せる人に気持ちを伝えることもできない。
それゆえ思いは募っていき、忘れることもできない。
そんな切ない気持ちを感じました。
ファンタジーな切なさ、私はとても好きです。

( MAIL URL 2007年01月12日 (金) 22時17分 )