投稿者:MS友の会・東北支部
東北支部 事務局の梅津です。 スミマセン、講演会の宣伝させて下さい。
今年の講演会では、多発性硬化症を含む脳神経疾患やその他の疾患まで、金属学の分野から解明して頂きます。
全国多発性硬化症友の会 東北支部
『28年度・医療講演会』のお知らせ
日時 ・ 7月10日(日) 13 : 00 ~ 受付 13 : 30 ~ 15 : 30 講演 『多発性硬化症 : 鉄学からの提言』 金沢医科大学総合医学研究所客員教授 西田 雄三 先生 15 : 45 ~ 16 : 30 講師を囲んで…茶話会(希望者のみ)
会場 ・ 山形市市民活動支援センター・高度情報会議室 (山形市城南 1-1-1・霞城セントラル 23階)
受講料 ・ 会員 無料 ・ 一般 1.000 円 (先着60名、事前申し込み必要)
申し込みは、ms.friends@k2.dion.ne.jp まで。
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先日、西田先生から届いた講演会の要旨です。
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多発性硬化症:鉄学からの提言 西田 雄三 多発性硬化症(MS)とは,脳や脊髄、視神経のあちらこちらに病巣ができ、様々な症状が現れる病気です。MSになると多くの場合、症状が出る「再発」と、症状が治まる「寛解」を繰り返す、なんとも難解な病気で、多くの方々が苦しんでおられる。その正体は、ミエリンという軸索を覆っている箇所が損傷を負い(脱髄)、そのために神経伝達に障害が出ることが原因であるが、そのミエリン損傷を引き起こす因子は、いまだはっきりとはしていない。ただこの病気の場合、この症状が治まる過程(再ミエリン化)が行われるので、そこに救いがあるように思われる。
当然のことながら、治療法としては @脱髄を起こす原因を明らかにして、それを防ぐ手法の開発、と、A再ミエリン化を促進させる薬剤の開発、が大きな柱となって多くの方々の研究成果が発表されてきた。私は、人間の体内での鉄イオンによる毒性発現機構を研究しているものであるが、この鉄イオン(同時に銅イオンも含めて)が、脱髄を引き起こす大きな因子であることを、多くの事実から明らかにしたいと考えている。
軸索周辺にいろいろな障害が観測できるのは多発性硬化症に限ったことではない。たとえば、ニューロフェリチノパチー症、アルツハイマー病などでも観測されている。アルツハイマー病の場合は、この箇所(軸索)で神経原線維形成が観測されるが、それは老人斑形成以後のはなしである。この老人斑というのは、この箇所(シナプス部位)に鉄イオンが過剰ですという警告であり、この老人斑形成後に、神経原線維形成・神経細胞死が起こり、認知症へと進んでいく事実から、これらの過程でいろいろな二核構造を持つ鉄キレート、銅キレートが関与していることを、私は指摘してきた。
銅イオンのキレート剤であるクプリゾンの投与で、人工的に多発性硬化症を起こすことができるのも、これらの金属イオンのキレート化合物による毒性発現の効果で説明ができるので、多発性硬化症への対策として、この部位における過剰な鉄イオン・銅イオンの除去、およびそれらによる毒性発現を抑えること、などが緊急の課題となる。それは大変難しい問題ではあるが、可能な対策を提示したい。
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