アマゾン土着信仰 箒の踊り 17世紀末以降、イエズス会により推進された先住民のキリスト教化は、それ以前の信仰を完全に払拭しはしなかった。土着信仰は、周縁化され、公然と実践されることはなくなったが、消滅することなく、形態や機能を変えながら、根強く存続してきた。現在でも、そうした信仰は、唯一神への信仰とは異なるものとして、多少の不信感やためらいとともに実践されている。具体的には、自然界の精霊の信仰、邪術、悪魔信仰、死者信仰、メシアニズムなどである。アンデス山中その源を発し、大西洋に注ぐアマゾン河総延長8300km、ナイル川よりも1610kmも長く水系のネットワークの流域面積は705万平方キロメートルで南アメリカ大陸の40%以上を占めており世界第2位のコンゴ川の約2倍もある。さらに驚くのは年平均流水量だ22万5000トン世界2位以下の13大河をあわせた以上の流水量何もかも断トツの世界一の超大河アマゾンスケールは世界の大河とはまるで違う。自然界の精霊とは、森の動物の主や、川や湖の魚の主などである。大空にかかる虹は、後者の化身である。虹は人間を水中にさらい、召使いにする。川や湖でおぼれて行方不明になった人は、虹にさらわれ、水中で生活している。そして夜中、魚を手みやげに地上の親族を訪れるといわれている。悪魔は大きな蟻塚や大木のうろに住む。悪魔から邪術の知識を授かりたい者は、彼と契約を結ぶため、夜中蟻塚を訪れ、地面を蹴飛ばす。すると、さまざまな商品を満載した百貨店のような悪魔の家が出現するといわれている。
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