|  
 [10494] - 投稿者:繰る名
 
君の存在が、愛しかった。
  すべてが壊れていく中で、見つけた、強く輝く光。
  君の存在が、救いだった。
  あの時、自分でさえも壊そうとした心の中で。
 
  小さく、しかし、強い…君。
  …君のために、俺は、君のなかの俺の存在を忘却した。
  いつか、遠い日になるであろう、「約束」をして。
 
 
 
 
 
 
 
  …遠いところで、見守った。
 
 
 
 
 
 
 
  時は過ぎて、君は、俺の知っているあの頃の子供ではなくなっていた。
  人々の上に立ち、法の上に立ち、国の上に立つ者として。
 
 
  …子供であることを、望まれない君。
  …夢をみることを、許されない君。
  …俺たちに敵対することを、選ばざる負えない、君。
 
 
  ああ、なんて可哀相。
  そう思っていたのに。
 
 
 
 
 
  今、ここにいる君は、あの頃と変わらずに、俺の前にいる。
  …君は、変わっていない。
 
 
 
 
  …だから、なのかもしれない。
  あの光を、君を、信じていたいと思うのは。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  …それでも、決して相容れない日々が続くことは、俺が望んだに過ぎないような、はかない幸せの始まりだった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  …今は、ここまで。
 
  
(
2009年09月01日 (火) 16時17分 )
 
 |