「服飾資料館」を更新致しました。「フランクフルトの注文服店」です。僕はドイツでは、フランクフルトとヴィースバーデンしか行った事がなく、二つとも、中途半端に都会ですが(笑)、それでもビスポーク・テイラーさん、ビスポーク・シャツ・メイカーさんがそこそこあるのに驚きます……。 もちろん、今回は掲載しておりませんが、ビスポーク・シュー・メイカーさんも存在します。フランクフルトでは600ユーロほどでビスポーク可能なお店もありまして、値段が値段なだけに、ある程度作業工程は端折っておりますが、嗜好品ではない、道具としての注文靴として、存在意義があるな〜と思いました。しかも、2足目からはさらに安くなったりして(笑)。ドイツでは、どうやらこう言う形態のビスポーク・シュー・メイカーも結構多いみたいですね(ってドイツ以外でもありますね……)。
★大日方傳さん★ はじめましてです。そして、お答え、どうもありがとうございます!実体験に基づくお話なだけに、勉強になります。大塚の方が若干、滑らない感じみたいですね〜。でもやはり、相応に滑るんですね(笑)。 僕はロイド・フットウェアについて詳しくないので間違っているかもしれませんが、12・3年前で42,000円のラインでしたら、C&J製だったと思います。確か、ハンドグレードと同じか、もしくはレギュラー・ラインをヒドゥン・チャネルソールにしたモデルだったような? もし当時で3万円台後半(39,000円だったかな?)でしたら、C&J製のレギュラー・ラインだったような?このあたりは間違っているかもしれないので(笑)、お詳しい方、ご指摘をお願い致します……。 とりあえず、当時、4万円前後の価格帯で、ヒドゥン・チャネルソールでしたら、C&J製だと思いますよ〜。 山長の琴四郎、カッコ良いですよね。僕もアデレイド・セミブローグはいつか欲しいスタイルです。色は黒で! あと僕、映画はあまり詳しくないのです〜……すみません。僕が一番好きな役者さんは、チャールズ・チャップリンです(笑)。
★ケンジントンさん★ ノーズは高級靴ブームが進むにつれて、どんどん長くなりましたよね(笑)。僕が高級靴にハマり始めた頃、202ラストは長い部類でしたし、808ラストはドレス・シューズの中でも屈指の長さだったと思います。今は808ラストぐらいは普通ですものね(笑)。サント○ニのロングノーズなんて、得体が知れないです……。 現在人気の、C&Jの337ラスト、スタイリッシュなだけに人気が出るのも分かるんですけど、エドワード・グリーンの808ラスト人気に後追いした感があって、僕としてはどうも馴染みにくかったりして……。
★札幌さん★ フィッティング、やはり難しいですよね。原因としては、仰る@〜C、全て可能性が考えられますよね。日本の場合、欧州と違って、長年ビスポーク・シュー・メイカーとしてパーソナル・ラスト(汎用ラストではない)を作ってきた会社が、大塚製靴と銀座ヨシノヤ(小笠原シューズ)ぐらいなのが(整形靴メイカーは除く)、ハンディだろうなと思っております(違っていましたら、ご指摘をお願い致します)。パーソナル・ラストの作成方法を伝授できる職人さんが、日本には一体どれだけいるのでしょう……。
ただ、海外経験がある職人さんでも、[No.168]で書きましたとおり、採寸とラストメイキングは、なかなかやらせてもらえませんので、海外経験があれば良いと言う事もないと思います。 英国の場合は基本的に分業制ですから、専門のラストメイカーさんが採寸し、ラストを作りまして、他国の場合は、店主さんが行うのが一般的です。
海外経験のある日本人靴職人さんは、大抵は底付け職人さんとして働いていて、そうでなかったら製甲担当、また修理担当もいれば、お手伝いだったり……色々です。 もっとも、ラストメイカーとして働いてなくとも、お店に出入りしていれば、技術や理論は耳に入るでしょうし、教えてももらえるでしょうから、独立した際の参考にはしていると思います。
あくまで僕の知る限りで、「今、日本にいて海外経験がある職人さん」では、古幡雅仁さんがスティバレリア・サヴォイア(旧バリーニ)にて、ラストメイキングをしていた職人さんが病気になり、その一時期は古幡さんが採寸とラストメイキングをしていたようです。古幡さんは採寸とラストメイキングにて、「お金を貰って働いた」と言う点で、お店から信用される技術を持っている、一つの目安になるかな?とは思います。
他にも、僕がラストメイキング経験があるのか知らない職人さんや、職人さんが個人的に腕を磨いて、現在、お客様の支持を得ている職人さんも当然いるかと思いますので、それは各ビスポーク・シューズのご経験者さんのご意見が参考になるかと思います……。
僕自身は、フォスター&サンとゲオルグ・マテルナしか経験がありませんが、双方、これと言った不具合はありませんでした(少し左足小指が当たるぐらい)。特にフォスター&サンは異次元です!
ラストメイクの習熟度って、判断が難しいです(笑)。どの程度まで技術を持っていれば、「技術がある」と言えるか、境界線が極めて曖昧ですし、100人中100人、ジャストフィットさせられる職人さんも聞いた事がないです。また、誰かが「良い」と言っていても、他の方は「ダメ」と言うケースや、その逆も多々ありますから……。僕が信頼しているフォスター&.サンも、完成品が「緩かった」と言う話は何度か聞きます。なので、最後の最後は、実際に注文して結論付けるしかないかと(笑)。
「ビスポーク・シューズは当たり外れがあるから、廃れていったんだ。歴史は正しいよ!」
そう話していた靴業界の方がいました(笑)。
ただ、よく思うのは、ゲオルグ・マテルナ親方は仮縫いがないうえ、採寸もフットプリントの時間込みで10分かからないアッサリしたものでしたが、バッチリ合わせてくれました。 テリーさんも、仮縫い一度だけで、採寸も仮縫いも5分かからず、アッサリ終わりました(採寸は3分ぐらいだったような)。それでも、履き心地は異次元です。僕の足が、合わせやすい足と言うだけなのかもしれませんけど……。
一方で、採寸や仮縫いに随分凝ったり、何度もやったり、色々こねくりまわしているのに、「ようやく合った」、「なんとかマシになった」、「結局、合わなかった」、と言う話を聞くと、なんだかなと言う気はしますね……。
本当に必要があって、採寸も仮縫いも手間隙かけている職人さんもいると思いますが、単に分からないから、採寸も仮縫いも手間隙かかってしまう職人さんも、結構いるような気がします。
またまた素人である僕の戯言でした。あまり参考にならないかもしれない長文です。
山下大輔でした。
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