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『イノセント』発売記念。 09.07.30
確かに、ここのところ、 相次ぐビッグネームがこの世を さっていく残念きわまりない 状況が続いている。
『イノセント』に描かれている小さな、 言葉尻だけを巨大化して、判断して、 結論を出してほしくないのです。
あまり、考え過ぎないでほしいと思います。 米米CLUBの解散劇の時の石井に向けられた怒りと 恨みのようなものがこみ上げて来ている人も いる事でしょう。
今日の朝の番組の冒頭でクッキリと 映し出された『自殺』の文字に驚愕、幻滅 された方も少なからず、いたと思いますが、 一冊の本に中に、すべての人生を閉じ込め、 一つ一つに正直に、しかも確実に伝える事 なんて出来るワケがありません。
確かに借金問題や、離婚、子供と 聞きたくもない事や、憤慨する人も いる事は承知の上でした。
この本は、「明日、死んだとしても、 自分のこの50年間いや、たった4〜5年の 事かもしれないが、こういうアーティストが いたんだ、という証拠や証」が欲しかった。
父が倒れ、自分も忙しい中でのエッセイは、 とてもハードで、確かに読んでくださる皆さんの 心根の部分をもっともっと、赤裸々に語れば、 中途半端な、表現にも、ならなかったと思うのです。
この作品は中途半端じゃないけれど、 いろいろな事情の中、ああいう表現に止めたのです。
『夢を売る商売』に携わる人間があそこまで、 人生を暴露し、世の中の失笑を覚悟で出すからには、 それなりの勇気も覚悟もあったつもりです。
この本から、何を感じたか?なんて質問は、 ヤボなので敢えて聞いたりしません。 なぜかと言えば、人にはそれぞれの人生があって、 絶対に人と比べられないという事だからです。
ある意味を持つ言葉がAという人には なんでもないことでも、Bという人にとっては 死にたいとさえ思ってしまう事が 社会生活の中では渦巻きながら、 毎日のように繰り広げられている事でしょう。
しかし、自分の苦労や厳しい現実と 戦って来たばかりが俺の人となりでもないし、 じゃあ、相当に楽しさだけの感覚で 活動していたのか?と言われれば、 答えは『NO』です。
そんな山を死にものぐるいで上っていっては、 次のもっと高い山に上り詰めていったあの日々を、 絶対に一生忘れられないし、忘れてはいけないと 思うのです。喜びも悲しみも、別離も出会いも、 すべては、自分で決められる事ではないのです。
偶然と人間本来が持っている情愛や 開拓心のようなものがいつでも、 俺の中にはあったんです。
カールスモーキー石井は、今日で死にました。 これからはより、先鋭で、より野太い石井竜也で、 そして、カールスモーキー石井で または、石井ビューティーで ますますトンガッテ、面白い空間や音楽や 感動、おどろきを作って、生きていきたいと 思っています。
ご購入されて不快な箇所もあったりするでしょう。 しかも、その場所は千差万別、そのいちいちを、 説明していくのは不可能です。
だから、嫌われようが、憎まれようが 自分の信じた行動をとるまでです。
テレビでは、まさに俺が米米の後半を 苦悩に満ちた活動と、取り上げていましたが、 すくなくとも、ステージでの石井は、 それはそれは夢中で一生懸命でした。
俺の人生の半分は、打ち合わせと 企画の時間で、残りの20%くらいが、 充電の時間にまわされていたあの頃と今とでは、 当然、心の余裕が違います。
今は、皆さんの熱い応援に支えられて、 なんとか、自分を表現できてます。 この本を、『遺書』と思わないでください。 俺のプライドとして、自分の人生に 自信がほしいと、思いたかったから 出したんです。 これからますますの活動をするには、 一度、自分の歩いてきた道をちゃんと 客観的にに見つめる事も大切だとも思うのです。
人間はそれによって、勇気や希望がわいてくる 動物ですからね。
実際、人間なんて完璧な人生を 歩いている人なんていないだろうし、 それに『完璧な人生』なんて、あるワケもない。 だから、石井のこれまでのメモだと思って 読んでみてください。
そうすれば、必ず、この文章の中の心が 見えてくるはずです。
誰にでもある『失敗』や『後悔』の向こう側に・・・。
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By H美
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(767)/2009年07月31日 (金) 00時24分 |
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