悲しいのではなく、悔しいんだ 2009年12月15日20:15

上手く掛けるかな。

うちの店のエースちゃん、４年目
二十代半ば、地元出身だけど
本人の希望で一人暮らしをしてる
シフトは８時から１７時、週５日
他に夜、回転寿司屋でバイトを少々
明るく、物怖じしない
そそっかしい、人なつっこい、せっかち
おこる、泣く、立ち直りが早い
彼氏あり・・・それは、うちの夜勤君


１１月某日　朝
時間になっても現れない
チッまたかよ。ここ数ヶ月大丈夫だったのに
う〜ん１時間ぐらい放っておこう

うちのエースちゃんは、たまぁ〜にやってくれる
寝坊をする。起こされるまで寝ちゃう・・・

１０時を回ったけどまだこない、こりゃまだ爆睡かぁ
何時まで起きていたんだ？電話で起こすか
と、携帯をするけど出ない

おのれどうしてくれようか、、彼氏に携帯を入れる
「起きないんだよねぇ、見てきてくれる？」
「え！？またっすか！最近大丈夫だったから。。３０分ぐらいしたら行ってみます」


店の電話が鳴って「すみません今起こしました。
コイツ爆睡してました。これから、車で行きます」

のはずだった。

「すみません、遅れました」
「すみませんじゃねぇだろう。今月は、時給ダウンな」
「・・・はい、ｼｸｼｸ」

のはずだった。

店の電話がなった。うちのエースちゃんの彼氏からだ。
電話の向こうで、軽く息を弾ませながら叫んでる
１１９しました　　心臓マッサージ　　顔が紫色　ダメかもクッ
そんな単語が聞こえてくる

叫び声はリアルだった
緊急事態を伝えるには十二分だった
電話はいいからマッサージを続けて・・・としか言えなかった

何があった？え？何いってんの？
レジに来る客が**
考えがまとまらない、キレそうな時

再度、電話が鳴る
泣いたり、詰まったりで言ってる事がよくわからないが
こういってるのだろう
「だめでした。今警察が来て検死をするそうです
　自分は第一発見者なので事情聴取されています」


冷たくなったエースちゃんは、一度警察へのち実家に戻される
死因に事件性はないとのこと、持病があったのでそのセイらしい

エースちゃんは、前の日１７００頃うちの店を上がりアパートに帰宅する
１８３０ごろ父親と電話をしていた
クリスマスケーキの予約のことだったらしい
翌日実家に顔を出すねと元気に電話を切った
１９３０からの寿司屋には出勤していない
発見時の服装は出掛ける支度をしていた
部屋の様子はコタツのスイッチが切ってあった

どうやら、１９１５頃支度をして寿司屋に行こうとしたところ
発作が出て倒れそのまま息を引き取ったようだ
発見は、翌日１１００ごろ


お通夜、葬儀と列席させてもらい、お棺を持たせて貰いバスに納めた
エースちゃんのご両親と会場の人に快諾していただき
火葬場に行くとき順路を変えてうちの店の前を通ってもらう
（オレは車で先回りだ、店の前でエースちゃんを待つ）

店の前には、常連さんたちが集まってバスが通るのを待ってる
「献花台はないのか」の声が上がる中
エースちゃんを乗せたバスがやって来た。

駐車場が無く、国道沿いの交差点にあるうちの店の前に停まるのは
無理かと思われたが、
信号が赤に変わり、なんなく店の前に停まる
バスの窓からエースちゃんの遺影が店に向けられる
集まってくれた人たちから悲しみの声が漏れる
やがて信号が青に変わりエースちゃんが旅立っていく

エースちゃんまた、逢おうナ・・・・


エースちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします




＊＊＊＊

胸がしめつけられた。