パリ・テロでの一筋の希望 (2838) |
- 日時:2015年01月15日 (木) 19時39分
名前:伝統
*毎日新聞(2015年01月12日)&時事ドットコム(2015/01/13)より
パリでの連続銃撃事件は私たちの社会に大きな傷と深い悲しみを与えました。 しかしこの状況にも、一筋の希望があります。
スーパー襲撃事件の際、店員として居合わせたマリ出身のイスラム教徒である ラサナ・バティリは、犯人が突入してきた時店にいたユダヤ人の客15人を 店の冷蔵庫にかくまい、命を救ったのです。
彼はフランスのテレビ局BFMTVの取材で、次のように語っています。
「私は冷蔵庫に行き扉を開け、たくさんの人が一緒にその中に入りました。 私は皆に落ち着いて、物音を立てないように言いました。」
こうやって、多くの人質が瞬時に殺害されることなく生き延びられたのです。
彼が店から脱出した時、警察は、黒人である彼をテロリストの仲間だと勘違いし 逮捕し1.5時間の間手錠をかけたそうです。
警察がその勘違いに気づいた後、彼は警察に対して店の見取り図を説明し、 警察の突入を手助けしたとのことです。
この24歳の若者は、不当な扱いを受けても謙虚にこう語りました。
「私はイスラム教徒です。店の倉庫でお祈りもしていました。 そしてユダヤ人を助けました。なぜなら、私たちは兄弟なのです。 これはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の問題ではありません。 私たちはみな同じ船に乗っているのです。」
バティリさんは2006年にフランスに入国、苦労の末、4年前に今の仕事に就いた。 ユダヤ教徒とイスラム教徒は対立がクローズアップされることも多いが、 12日の仏ラジオの取材に「仕事で自分の信仰が問題になったことはない。 店の人たちは第2の家族みたいなものだ」と話している。
彼のストーリーから、私たちは多くのことを学ぶことができます。 黒人に対するステレオタイプが原因で、警察は1分1秒を争う状況で 1.5時間も無駄にしてしまったこと。
それ以上に、ラサナさんのような若者の示した相互理解こそが、 今の状況を乗り越える大きなヒントとなるのではないでしょうか。
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