馬は古くから、欠かせない交通道具や仕事の手助けをする存在であったため、農耕文明社会ではとても重要な位置にありました。「馬」という字も自然と交通に関する言葉に良く出てきます。例えば、「车水马龙」(往来の盛んなこと)「走马观花」(大雑把に見る)「信马由缰」(成行きに任せる)などがあります。しかし、中国人は戦場で駆け巡る馬の姿に更に魅了されることが多く、そのため戦争に関する言葉にも「馬」はたくさん使われています。「千军万马」「兵强马壮」は強大な軍隊を指す成語で、戦争が始まる時は「招兵买马」「厉兵秣马」といい、軍の統率者が戦場に向かうことは「一马当先」、戦功を立てることを「汗马功劳」といいます。昔の人々は馬に対して深い感情を持っていたため、家畜としてみなさず、人格を喩える際にも用いていました。「老骥伏枥,志在千里」とは、年老いても遠大な理想があることを意味します。「骥」は馬の一種です。また、「路遥知马力,日久见人心」(馬には乗ってみよ、人には添うてみよ)は馬の身上から生まれた人間の道理だと言えます。
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