虎にまつわる成語―「狐假虎威」
この故事成語は「戦国策・楚策」のお話です。 昔、楚の王様、宣王(センオウ)は戦国時代の七雄として力をつけていました。 ある日、王様の元に集まった群臣に対して、この国を実質取り仕切っていた同じ群臣の昭奚恤(ショウケイジュ)のことを、みんなが恐れるのはなぜかと聞きます。そこに魏の国からやって来た江一(コウイチ)が答えました。 ある時、獲物を探していた虎が狐を捕まえます。虎が狐を食べようとした瞬間、狐が「私は神に命じられた百獣の長だ、もし、私を食べたら天命にそむくことになる。疑うのなら先に行くので、後から付いて来てみれば、獣たちが自分を恐れていることがよく分る。」と言います。虎が狐について後ろから行くと、確かに獣たちは狐の姿を見るとみんな逃げだします。 虎は狐の後ろに付いている自分の姿を見て逃げ出したのだとは思わず、狐を見て逃げたのだと思いこんでしまい、狐を逃がします。 宣王が治める国土の広さといい、兵力の強さといい、他の国にかなうものはありません。それを任されている昭奚恤は、まさに“狐假虎威”(虎の威を借りる狐)なのです。この言葉を聞いて王様は納得したということです。
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