投稿日:2011年02月20日 (日) 04時47分
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日本の財政危機の話はしばしば耳にする話ですが、「ほんとに危機なの?」とか「ほんとに破綻なんかするの?」、「あ〜また狼少年か」といった印象が強いかもしれません。
私自身の考えは
「破綻する前に消費税率を引き上げるなど政府が何らかの手を打つだろうから突然財政破綻することはないだろう。 しかし、長期金利の上昇(=国債価格の下落)は必至であり、住宅ローン金利の上昇に直結するので2〜3年後にいわば日本版サブプライムという問題が噴出する可能性が極めて高い」
というのがメインシナリオです。
住宅ローンを固定金利で借りている人には基本的には関係がない話ですが、変動金利で借りている人はリスクの高い局面を迎えつつあると思います。
変動金利の人は来年前半には固定金利に借り換え、「金利上昇リスク」から自らを解放してリスクは貸し手に押し付けるべき局面に入ったと思います(笑。 ← 実際は笑ってる場合ではない。
現在の長期金利(10年債利回り)の上昇分の8割くらいは景気回復に伴う「良い金利上昇」で説明できるかもしれません。
残り1割は財政破綻を懸念した上昇。あと1割はインフレ懸念で説明できるのではないかと感覚的に思っています。
これが今年後半から来年にかけて、徐々に「悪い金利上昇」(財政破綻懸念、インフレ懸念)の比重が高まってくると個人的には考えており、その場合、現在1%そこそこの長期金利は3年後には6%前後まで上昇する可能性があると思っています。
メガバンクから消える「固定金利」 格下げで増す住宅ローンの危険度
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110206-00000000-diamond-bus_all
長らく住宅ローンの主役だった「固定金利型」ローンが、メガバンクから消えようとしている。
背景にあるのは、元来、固定型の補完的なローンであった「変動金利型」の急増。5年前まで新規の住宅ローン全体に占める割合は2〜3割程度だった変動型だが、いまやメガバンク3行とも9割を超えている。なかには96%に達するメガバンクもあり、固定型の割合は1割を切っているのだ。
変動金利は、各行の短期プライムレート(短プラ)を基準に決まる。この短プラは日本銀行が決定する政策金利に連動するが、2008年後半、この政策金利が2度にわたって、0.2%ずつ引き下げられた。この結果、メガバンクの変動金利は一気に1%を切る水準まで下がり、小幅な低下にとどまった固定型と比べた割安感から、変動型を選ぶ割合が逆転した。
その後も、法人向けの貸し出しが伸び悩み、増え続ける預金の運用先に困ったメガバンクは、安定した需要の見込める住宅ローンをめぐり、金利引き下げの過当競争を繰り広げてきた。
さらに住宅販売業者の営業戦略も拍車をかけた。
住宅ローンの利用者の多くは、販売業者を経由してローンを組む。販売業者は当面の返済額を低く設定でき、より売りやすい変動型で販売する傾向が強い。利用者も目先の金利の低さから変動型に飛びついた格好だ。
つまり、変動型への偏重は、住宅を売りたい販売業者、運用先を確保したいメガバンク、目先の返済額を低く抑えたい利用者──という三者の思惑が一致した帰結でもあった。
ただ、固定型が将来の金利上昇リスクを避ける「保険」とするならば、変動型は金利リスクを取る一種の「博打」ともいえる。
メガバンクの住宅ローン担当者も「5年先を読むことすら難しいのに、9割超が変動型を選ぶ現状はあまりにも歪だ」と認める。
実際、1990年代初めには、変動金利が8%前後にまで上昇していた局面もある。
変動金利の上昇リスクに対しては、「変動金利が上昇する前に、固定金利型のローンに切り替えればいい」との楽観的な考えがあるのも確かだ。
しかし、そもそも変動金利は政策金利に連動し、固定金利は、政策金利の先行きを織り込んだ長期金利に連動する。住宅ローンに詳しいファイナンシャルプランナーの深田晶恵氏は「長期金利は政策金利に先行して上昇するため、現実的には難しい」と警鐘を鳴らす。
米格付け会社が折しも、1月に決定した日本国債の格下げは、長期金利の上昇(国債価格の下落)を引き起こしかねず、歪な“変動傾斜”がリスクとして顕在化してきた。
もちろん、金利の先安感は依然強く、すぐに上昇する危険性は低いが、いったん国債が暴落すれば、真っ先に被害を受けるのは、変動型の利用者であることだけは間違いない。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 山口圭介)
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