投稿日:2011年04月17日 (日) 01時56分
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[ついに始まったどん底業績ラッシュ 震災直撃 下方修正38社]
企業の下方修正ラッシュが止まらなくなってきた。業績の下ブレは、震災直後から懸念されていたが、ここへきて続々と公表され始めたのだ。
東証1部、2部の3月期決算の主な会社だけで、地震後から12日までに38社が純利益ベースで下方修正した(別表参照)。38社が失った利益を合計すると700億円を超える。
「全上場企業では100社以上でしょう。
震災の影響とはいえ、この時期に100社を超えるのは異常です。
地震は3月11日でしたから、決算に与える影響はわずか3週間。
原発事故の長期化や計画停電がなければ、ここまで下方修正は広がらなかったはずです」(市場関係者)
確かに各企業の修正理由を見ると、停電の影響が大きいことが分かる。
「電力供給や燃料等の副資材調達に不透明感を払拭し切れない」(日本冶金工業)、 「計画停電に伴う工場稼働率の低下」(テルモ)、 「東日本大震災および計画停電等の影響により、パチスロ機『エヴァンゲリヲン〜真実の翼』の納期変更」(SANKYO)といった具合だ。
「今後、最も懸念されるのは消費低迷の深刻化です。
下期(9月以降 特に衣と食の売り上げ不振が心配です」(東京商工リサーチ情報本部副本部長の友田信男氏)
居酒屋「天狗」のテンアライドも下方修正した。
理由は「東日本大震災に伴い、計画停電等の影響により、同日以降の業績が急速かつ著しく低迷」したことだ。 こういう企業が今後はどんどん増える。
小売大手のセブン&アイHDは、12年2月期の純利益を前年比22%減と予想。
百貨店の高島屋は39%減、コンビニのファミリーマートも33〜45%減を見込む。 どこもかしこも減益覚悟だ。
下方修正ラッシュの次にやってくるのは、小売業の赤字続出かもしれない。
【下方修正した主な会社(東証1部・2部)】
◇社名/主な事業内容
◆SANKYO/パチンコ機製造
◆TOTO/衛生陶器
◆住生活グループ/住宅設備
◆テンアライド/居酒屋経営
◆キーコーヒー/コーヒー製造販売
◆カゴメ/食品
◆雪国まいたけ/まいたけ生産
◆東京製鉄/鋼材
◆日本電産コパル/カメラ用シャッター
◆東京都民銀行/銀行
◆スルガ銀行/銀行
◆東京会館/宴会場
◆テクノメディカ/採血管準備装置
◆日本橋梁/橋梁生産
◆日神不動産/マンション建設・管理
◆日本冶金工業/ステンレス事業
◆テルモ/カテーテルなど医療品
◆丸紅建材リース/建設仮設材
◆アクセル/パチンコ向け機器
◆日本電気硝子/薄型テレビ用ガラス
◆有沢製作所/電子材料
◆三晃金属工業/金属屋根
◆タムラ製作所/AV用トランス
◆アドバネクス/精密バネ
◆わかもと製薬/医薬品
◆国際航業HD/航空測量、不動産
◆日本配合飼料/飼料
◆新明和工業/機械式駐車場
◆コープケミカル/化学肥料
◆石塚硝子/ガラス食器
◆DTS/情報サービス
◆東海リース/仮設建物
◆八洲電機/システムソリューション
◆三井情報/ITインフラ
◆オーミケンシ/繊維
◆リード/自動車部品
◆理経/IT機器商社
◆ワイ・イー・データ/電機機器
(日刊ゲンダイ2011年4月13日掲載)
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