カオスドラマZ |
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[154205]
「 狼「 ガ ア ッ ――――― ド シ ャ ア ア ァ ァ ア ッ ! ! (少女が手を打つよりも疾く、紫狼は彼女へと食らいつく。浮遊する足場へ強引に押し倒すように、勢いよく―――) 」
[154204]「 ラタリア「……!? 劉狼 ッ゛ ! ! ! (しまった…ッ…「本能」が向きだして……!それも、今まで以上に症状が…っ…!)(このような経験は何も初めてではない。既に見知った事実であると判断した彼女はすぐに懐から注射器――鎮静剤――を取り出すが…) 」
[154203]「 狼「 グ ル リ ッ (ニチャリと生々しい水音が、開きだす咥内より零れる。糸引く唾液が歯間から爛れ、白い吐息が蒸気のように噴き出す。血肉に飢えた獣が、飢餓の限界を迎える。獲物を探さなくては。それはどこにある?探り当てるように振り返った先にいた「少女」に、牙が剝きだされる) 」
[154202]「 劉狼 → 狼「――――――― グ ル゛ ル゛ ル゛ オ゛ ォ゛ オ゛ 才゛ ン゛ ッ゛ ! ! ! (灰一色の空間を瞬く間に鮮血に染め上げるような、猛々しい哮けりが激しく残響する。人間のものではない、まさに獣そのものの雄叫びが地下世界から地上へ、その空に輝く満月に向けて伸びていくように) 」
[154201]「 ―――― ブ シ ャ ア ア ァ … ッ … … ! ! ! (人間として過ごした日の記憶が、真っ赤な絵の具に塗りたくられる) 」
[154200]「 劉狼「 ! ! (後退するウィリアムが次に繰り出すであろう反撃、その挙動のひとつひとつを見逃すことなく屈強にも姿勢を崩さず身構えていた――――が ) ス ン ッ (投げ放たれたのは攻撃ではなく、赤い水泡。それは、自身が生まれた時から何度も目にし、そして嗅いできた「赤」である。持ち前の敏感な嗅覚がそれを「血」と瞬時に認識したことで、脳の奥底に深く眠った野生の本能が…呼び覚まされる―――――) 」
[154199]「 ウィリアム「 ――――― それが犬に宿るとは。 (低重力空間を彷徨う肉片。カプリコーンによって両断したそれをノールックでおもむろに手繰り寄せ) そら、餌だ。味わえよ ケダモノめ (赤の泡を舞わせるそれを、放り投げる) 」
[154198]「 ウィリアム「 ! 動けるのか。そうか、それがストレイ・ドッグの真価……軍が価値を見出した由縁(咄嗟に芋虫型ガジェットにトグロを巻かせ防御行動へ移行。エネルギーを装填しきれなかった先端はその拳を前に紙切れ当然に貫かれ、溜め込んでいた爆炎が白衣を焼く。同じく球体関節などの義体めいた体を晒しつつ後退。損傷は軽視できるものでないのか、ここで不快感を顕にする。) 洗練された武だ。"彼女" であればさぞ気に入るだろう。やれやれ、残念だ。よりにもよって…… 」
[154197]「 劉狼「――――― ド シ ュ ウ ン ッ ! ! (地盤を真っ二つに砕き割る勢いで力強く飛び出し、ラタリアをも飛び越えてウィリアム本人へと真っすぐに突き抜ける)――――――― ゥ ゥ ゥ ゥ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ ッ ! ! ! (対峙する生命をも畏怖させる強大な覇気を纏う拳を振りかぶったまま、立ち込めていく光の粒子の眩しさも動じずカッと開眼する) 」
[154196]「 劉狼「拙僧は"押し**"!貴殿が与えてくれたこの『 字 』(あざな)のままに!!故に…ッ!!もしものことがあれば…"押し殺せなかった"時には…その時は……"頼んだぞ"?(――― ガ シ ャ ア ァ ン ッ ! )(獣が人の表情を模倣し、人間味を帯びた笑みを浮かべる。それは彼女への絶対的な信頼。そして忠義。小さく、しかして強かな唸り声と共に四股を踏み、残骸足場が拉げる) 」
[154195]「 ラタリア「……劉…狼……っ…… 」
[154194]「 劉狼「 憤りを鎮めよ。そして心臓に抑えよ。貴殿の「 命 」は、我らの「 子 」は、今も「そこ」にあるだろう…ッ!! 」
[154193]「 ラタリア「―――――― ! ! (自らのを呼ぶ父の声――――にも似た、人狼の叫びにようやく振り返る。血走りそうな眼に戻る微かなハイライトが、亡き父に重なる人狼を見据えた) 」
[154192]「 劉狼「―――――― 『 ラタリア 』 ッ゛ ! ! (それは厳格たる父の如き気迫をもって。命の恩人の名を呼び捨て叫ぶ。亡き父君に代わるように、理性を見失いかける彼女の冷静さを呼び覚ます為に) 」
[154191]「 ラタリア「……ウィリアム……お前は……お前だけは……ッ…!!私の…私の『 子どもたち 』に近づけさせない…ッ!!『 あの子 』の「命」を軽んじたお前だけは――――ッ!!(前のめりに食らいつくような姿勢で訴えかけ、歪な金属音を掻き鳴らす義体を無理矢理起動させながら、破滅の閃光を眼前にしても殴りかかろうとする―――) 」
[154190]「 ラタリア「ハァ…はぁ……ッ……――――― ! (「モルモット」―――その言葉に敏感に反応する。曝け出された我が身の本性や、請け負った傷などどうでもいいと吐き捨てる程に。それ以上に触れてはならない逆鱗に、彼女の中で感情が強く煮え滾ったのだ。第3調査兵団の全員で共有し合った『ロジェスティラの手紙』が、脳裏を過ったから―――) 」
[154189]「 ウィリアム「 5秒後に射出だ、その有り様では二人共対処できまいよ。よく奮闘したと誰もが評価するだろう、特に私がそうだ。だがもういい で は 死 ね 。 」
[154188]「 ウィリアム「 飼い主に恵まれたな、ストレイドッグ。私も犬を飼うことがあれば貴女を参考にするとしよう、博士。最も、飼うのはモルモット《ロジェスティラ達》で手一杯だがね。(残るガジェット、キメラフォートレスの先端を"変形"させ、既に次段を装填していた。光の刃、そこに蓄積されるエネルギー。光量を除いて既視感のあるその有り様からして、閃光《グリント》に、遠距離ガジェットを複数融合したものであることが容易に推測できた) 」
[154187]「 ウィリアム「―――――ほう。驚いたな…………(自身を模した義体<ガジェト>を片手に、背後に無数のデータを蓄積した芋虫型のガジェットを従え、残る片手で顎をさすり目を丸くする)『ご友人』と言うべきか? そうまで弄っていながらその人間性を維持しているとは……。その体に共感も、その魂に感動も、何も感じない私自身に何より驚いているよ。(身を犠牲に部下を守護する、そうしてさらけ出した義体。既知の情報を上回る行動と、既知でなかった情報に何かしら動きを止めるはず、少なくとも善悪関係なく、人であれば) 」
[154186]「 ラタリア「――――― ……ハァ……ハァ……ッ………! ( 彼女の体は最初から五体満足ではない。『あの事件』以来、「ラタリア・トゥーユ」は一度死んだのだ――――― "全身のすべてを義体として生まれ変わるまで" ) ギ……ガチ、ギ……ッ……(損傷によって剥がれ落ちた皮膚。だがそれは人間の皮膚に擬態した外殻パーツ。その内側に手曝け出された漆黒色が義体が、先程の一撃によって全身の至る部位で顔を覗かせていた。だぼだぼなほどに長く伸びていた右袖の布はう焼け落ち、真っ黒な義手が、攻撃を受け止めたであろう挙動のまま痙攣していた) 」
[154185]「 ハラ……パラ……ッ……――――――(黒煙から滴り落ちる炭、小さな残骸、焼け焦げた白い衣服の切れ端。しかし、肝心の遺体が落ちる様子はない。生きている。あの一撃を受けていながら、立ち込める煙の中で。徐々に晴れていく煙の中から少女の頬が、右腕が、左脚が少しずつ曝け出されていく。黒煙の中に浮かぶ人影は何一つ欠損することなく五体満足であることが伺える。否、その表現は語弊があるといえる。何故ならば―――――) 」
[154184]「 劉狼「……博士……ッ……―――――― 博 士 ェ ェ ェ エ エ エ エ ッ ! ! ! (蹴り飛ばされた先に浮かんでいた瓦礫の上で蹲り、頭上の黒煙に向けて遠吠えのように悲痛に張り叫ぶ) 」
[154183]「 ―――――――― チ ュ ド ガ ア ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (―――爆ぜる、少女だけを巻き込んで) 」
[154182]「 ラタリア「――――― ゲ シ ィ ッ (人狼がこちらへ手を伸ばすよりも先に、少女の右足が彼の胸部を蹴り飛ばした。振り返ることなく、今まさに降り注ぐ高エネルギーの塊を眼前にし――――) 」
[154181]「 劉狼「―――――― 博 士 ェ゛ ッ゛ ! ! ! (我が身を呈して少女に手を伸ばすが――――) 」
[154180]「 ラタリア「―――――― ッ゛ ! ! (少し考えれば解ることである。それでも吞み切れない事実に少女は強く歯を食いしばる。今、目の前に悠然と佇むこの男を嚙み千切ってやりたいと思うほどに。命の冒涜に加え、自身がこれまで開発してきた数々の武装。それを、子どもが粘土を捏ねる感覚で模倣され、本来の用途にはない使われ方に激昂にも等しい激情を震わせるが)――――――― ! ? (以下に身を任せたことで生まれた隙に付け込まれ、主砲より放たれた膨大なエネルギーを前に硬直してしまう) 」
[154179]「 ウィリアム「 『キメラ・フォートレス』 (声紋認証。彼の宣言する"ガジェット"の名に応じ、"アルベルト"の胴体が真っ二つに裂け、鉄製の肋をむき出しにし……)『爆破《 スターマイン 》』 『漆黒《シュバルツ》』 『弓剣《シメオン・ボウ》』(骨盤が砲塔に、背骨が突撃やりに、肋骨を結ぶ糸が弓における弦に。 複数のガジェットから必要な要素を抽出し、新たに形をなした『主砲』を成し……) ┣" ギュ オ (槍の先端に収縮した熱エネルギーを、砲塔によって固定し、弦によって弾き出す。これにより巨大な矢印型のエネルギー弾が射出される) 」
[154178]「 ウィリアム「何を驚くことがある。特に博士、君が発言しただろう。私は"上層部"を経由しレギュレーターへ配属されたと。加えて言えばメカニック、第0における技術顧問だ。 不測の事態に陥った際に新設される本部直下部隊、故にこそ"君達を監督する"立場にあり、必然的に所有武装の一切を把握する事になる。 どうした?これでも不服か? 上層部、いや世界政府は『ゼレオロスと競合する五大国を排除する方針を固めた』と言ったほうが飲み込みやすいか?(淡々と、流暢な発音の読み上げソフトのように言葉を発し、自身の片割れ"アルベルト"を手繰り寄せその首を掴み上げる) 」
[154177]「 劉狼「―――――(ラタリアがそうであったように、人狼もまた既視感に目を鋭く細める)……貴殿のその武装…見覚えがある。「それ」は『ガトウ』団長のものだ…ッ…!何故(なにゆえ)、貴殿が――――!? 」
[154176]「 ――――― おおっ!これが俺の『ガジェット』か…!俺のガッチガチな肉体によく似た頑丈な盾だな…!恩に着るぜ、ラタリア博士!これで俺は…もっと多くのものを守れる…! 」
[154175]「 ラタリア「――――― ! (白衣の男が発した名称、そして今まさに目の前で見せた圧倒的な防御力に目を見張った。)………っ……!?(―――間違いない…見間違えもしない…!あれは…私が初期に開発した――――) 」
[154174]「 ウィリアム「互いを補う、連携の教本にすべき立ち回りだ。私の不足は道具で補うとしよう(芋虫のようなガジェットの先端をカプリコーンから分離。新たに先端となったパーツがパラボラアンテナのように展開し……)【城塞《ルーク》】(声紋認証、言葉を識別し『レギュレーター随一の防御力を誇る城塞』へ変形。 先頭で灰燼に帰すカプリコーンを他所に、自身は"オリジナルを凌ぐ強度"のそれでラタリアのレールガンを難なく受け流す) 随分と指数が減ってしまった……この被害は想定していなかったな。 」
[154173]「 ラタリア「 グ ル リ ン ッ ――――― (ウィリアムの奇襲を間一髪回避するも一瞬の隙を曝け出す劉狼と入れ替わるように、彼の首筋に腕を通してその背面から頭上へと回り込むように飛び出し、ウィリアムの斜め頭上へと踊り出た) ―――― 吹き飛べッ!! (――― ズ ガ ォ オ ア ン ッ ! ! ! )(レールガン形態――瞬時に変形し顔を出した銃口に既に収束された青白い粒子の集合体が、閃光としてカプリコーン、ひいては背後のウィリアム諸共至近距離から発射した) 」
[154172]「 劉狼「―――――― ! (野生の研ぎ澄まされた直感が、脳に危機感を伝達する。ラタリアの指示よりも早く――あるいは彼女もこの間を踏まえた上だろうが――上半身を反り、目と鼻の先の頭上に伸びた鋭利物体を目撃した) 」
[154171]「 ウィリアム「―――――人の道をよく学んだものだ。だが兵の道はどうかな?(カプリコーンの背後に佇む。背からドラム状の機械部品が連なり、先端に突撃槍を備えた"芋虫の尾"のようなガジェットをカプリコーンへ伸ばす。"盾と入れ替わり攻撃するよりも早い奇襲"、『盾ごと穿つ』を実行していた。) 」
[154170]「 0■・カプリコーン「 グ /ガオ /ヂ/ ン ッ (重金属音、内部で血肉が混ぜ、爆ぜる音が人狼の骨身を伝う。拳が被弾し亀裂が走った胸部、関節から黒く濁った鮮血が蒸気のようにして溢れる。だが、それだけではない) ズ ッ (クチバシ、否、頭部を貫通した槍のような鋭利な金属が突出。至近距離で拳を放った劉狼の頭部目掛けそれが飛来する) 」
[154169]「 劉狼「―――――― 破 ァ ッ ! ! ! (盾の内側で既に振りかぶられた正拳。防御形態の解除と同時に曝け出されたその構えから、山羊座の名を冠する機械生命体へと空間を捻る勢いのコークスクリューパンチを叩き込む) 」
[154168]「 ラタリア「 ガ ジ ャ ゴ ォ ン ッ ―――― ! (鈍器から盾形態に変形させたガジェットを笠に、二人を包み込む防御幕として展開する) ズ ビ ィ ン ッ ―――― (光線によって形成された障壁をも退ける鉄壁をもってそのまま正面突破に成功すると防御形態を即座に解除し―――) 」
[154167]「 劉狼「―――御意!(――― ド ゥ ン ッ ! )(人狼は、偶然にも付近を浮遊していた瓦礫を足場に並行へと飛び出す。外壁から離れ、真っすぐに飛び出した先には網目状に広がる包囲網。このままでは誘蛾灯に誘われ焼き絶える蠅のように沈むだけだが―――) 」
[154166]「 ラタリア「…っ……劉狼、私が指示を出す。動いて。(ぽんぽんと彼の肩を叩いて小さく耳打ちする。激しく回転する空間の中で少しずつ外壁が、振り返れば網目状に広がる光線の障壁が前後から迫っていることを示唆する) 」