カオスドラマZ |
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「 ― 幻影の巨塔・某フロア・ダクト ― 」
[153330]「 ―――――――――――― 」
[153329]「 見観子「……今となっては、全て幼き日の夢。私は、もうどこにも回帰できない……。 」
[153328]「 目と耳を塞いで朝日から逃れよう、西日が射したならカーテンを閉めよう。もうこれ以上なくさないために。曇り空には常を祈り、宵闇にだけ言葉を捧ぐ。この腐った世界から目を背ける為に。 」
[153327]「 見観子「ほんと……憎みきれないろくでなしってのは、誰のことなのやら…… 」
[153326]「 もう嫌だ。私のせいで私の大切な人が傷つくのを見るのも、私のせいで周囲が変わっていくのも、私のせいなのに誰かを恨もうとしている自分も。 」
[153325]「 見観子「……馬鹿みたいじゃないですか。なんで、私なんかの為に怒るんですか…… 」
[153324]「 あれからリアの家に行っても行方知れずで、私もログインは一切していない。どうなったかなんて、もう知らない。何も、何もかも嫌になって投げ出してしまった。 」
[153323]「 見観子「……本当に、本当に、最悪な夢見。(むくりと、自室で起き上がる。窓の外は生憎の雨模様で、淀んだ心のようだった) 」
[153322]「 それは、誰に向けた言葉だったのか。……いいえ、きっとそれは全部でしょう。何も、何もかも。 」
[153321]「 ―――……もう、いいですよ。全部、どうでも。……最低ですね、ホントに。 」
[153320]「 全部私のせい。だけど、あの時だけ私は本当にひどいやつでした。憎みたくても、憎みたい相手ももういないし、大切にしたい相手ももうそこにいてくれない。だから、当たり散らすしかなくて。 」
[153319]「 どうして後になって、のこのこ現れてこんな事後処理したんですか。あなたがあの場にいたら、あの場にいて咎めていたのなら。そもそも、あの素行不良のレッドプレイヤー達を甘い処分に留めずちゃんとBAN処理にしてさえいれば、あの子は……!! 」
[153318]「 でも、そんな私でも。手の届く範囲の相手だけは、何よりも大切にしたいし、欲張りだから。私はきっとあの時、すごくひどいやつだったんでしょう。 」
[153317]「 だったら……じゃあ、だったらどうしてあの時、"あの時に限って"いなかったんですか。 」
[153316]「 私は聖人君主じゃあない。というより、よっぽど腹黒、性悪なんだ。普段からずっとそれを必至に隠しているだけで……本当は、何一つ期待していないだけで。 」
[153315]「 できない……?じゃあ、何で。何で、なんです? 」
[153314]「 いつだって、いつだって私が我慢すれば済む。私だけが割を食えば、丸く収まる。なら、それでいい。それでいいのに。 」
[153313]「 だったら私を代わりにBANしてくださいよ……あの子は、全部私のためにやったんです、原因は私にあります。全部私のせい。だから、この処罰は私に下るべきなんです。 」
[153312]「 納得しない、ワケでもない。でも、そうじゃあない。そうじゃあないんですよ。私は、こう思ってしまった。 」
[153311]「 ……は?それで、リアは一発BAN処分、と? 」
[153310]「 * * * * 」
[153309]「 イーリア「クソ喰らえ。 」
[153308]「 アタシが見ていた世界は、目を向けていた世界は、何の価値もない。そんなものに意味も理由もあるものか、全部、全部――― 」
[153307]「 イーリア「正直者ほどバカを見る、価値のない塵屑共ばかりが跳梁跋扈する。何が正しい?こんなものを是とする世界の、何が。(ギリギリと音を立て、拳を握り込む。血が滲むほど握っても、痛み一つ感じない)……だったら、壊すしか無いんだ。例え何を使ったとしても。 」
[153306]「 灰色だ。あの時から、ずっとアタシの世界には色がない。 」
[153305]「 イーリア「グッ―――(薄暗い微睡みから覚め、掴み取るように中空へと手を伸ばし握り締める)……全部、間違ってる。こんな世界、壊れちまえばいい。(プランダラのアジト、淀んだ色のソファで寝転びながら独りごちる) 」
[153304]「 ふざけるな。我慢すれば良い?そうやって、我慢を強いられ続ける世界であの子はずっと暮らしてきた。何で誰も声を上げない?何で誰も手を伸ばさない?何でアタシしかそれを見ていない、助けないんだ。 」
[153303]「 あの子だけが我慢して、声を上げられなくて、割りを食い続ける。そんなの、そんな世界、何もかも間違っている。 」
[153302]「 ―――"管理者<エリノラ>"は、肝心な時に役に立たなかった。あの子がこうやって謂れのない誹りを受ける時、あいつはいつだってそこにいない。……今思えば、あいつ等はいつだってそういう時を狙って言っていたのだろうが、どうでもいい。 」
[153301]「 良い訳が、無いだろうが!誰も、誰もこうやって湧いてくる奴を!止めやしない!!だったらアタシが、代わりにやらなきゃずっと我慢したままじゃないか!! 」
[153300]「 いいんです!わ、私が……私さえ我慢すれば、それで……!! 」
[153299]「 やめ―――ぶ、ぶたないで……もう、やめ――― 」
[153298]「 駄目だ、そうやって放って置くから……こうやって勘違いして増長する勘違いしたカス共が湧いて出てくる!!そうやって、我慢ばっかりするから!!割りを食う!! 」
[153297]「 り、リア!やめて、それ以上は駄目です! 」
[153296]「 何 て 言 っ た ? 」
[153295]「 ちょ、やめ、まっ――― 」
[153294]「 言え、何て言った?今、誰に向かって、何て。 」
[153293]「 え……あ……?お前、なに殴―――ぐあっ!?がっ、げふっ――― 」
[153292]「 もう一度言ってみろ。 」