299 コート・ライヴ評、メロトロンに対する誤解もあるかも
|
ハージェスト
|
FLH1Aai026.kyt.mesh.ad.jp
|
ムーディーズは確かに誤解を受けやすいバンドとは以前から感じておりました。 コート・ライヴに関してはちょうど、コンセプト・アルバムの制作を休止して、 各メンバーがソロ活動に転じている時期にまるでレコード会社がバンドのセールスを心配して わざわざ古いライヴ音源を引っ張り出して「商業的穴埋め」とも思える選曲と内容だったので、 不評を言いたくなる感情も解からないでもないなあ、とは私も気にはなっておりました。 また、70年初期にストリングスの音源をあそこまで雰囲気だせるキーボードがメロトロンという、 開発途上の楽器を故障しやすいというリスクを冒してもツアーに持ち運ぶしか、 無かった時代だったとも言えます。 現在ならサンプリングを駆使したデジタル・シンセも出てきましたが、 当時、オーケストラの音をリアルに出せる楽器といえば、メロトロン以外には オランダ製の電子発信器で合成してつくったソリーナぐらいでした。 しかもメロトロンは「フワ〜ア」という暖かさとふくよかさに比べ、 ソリーナは「シャア〜」というやや冷たく線が細い感じであり、 ムーディーズにはやはり使い難くともメロトロンを使うしかなかったと思います。
「ハヴ・ユー・ハード」の途中でシュ〜という効果音をマイクロフォンでメンバーが 口で言ってしまう(もちろん、マジでやってます)など、 今にして思えば「どうしてシンセサイザーで出さないんだ?まるでお笑いじゃあるまいし!」 とも受け取られかねない当時のステージでしたが、 これこそがムーディーズの、ある意味で不器用なロックンロール・シンガーぶりが 出てると思います。 ムーディーズを笑い飛ばすか、好意的に受け取るか、その両面を持ち合わせたビミョーなバンドこそがムーディー・ブルースの味にもなってる様な気がするのです。
2008/09/15/(Mon) 12:46:30
|