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[644] 和田 竜 「のぼうの城」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

2007年 小学館刊

成田長親が大器か単なるでくの坊か。読めば読むほどわからなくなるが、答えはここに書いてあった。

141ページの「いやなものはいやなのだ」から始まり、142ページの「それが世の習いと申すなら、このわしは許さん」までの長親の態度だ。

これだけでもう良い。実に爽快な言いようではないか。この作品の真骨頂。

最後に人を動かすのはやはり金や物ではない。改めて確信する。

痛快な小説に出会えて眠気が吹っ飛んだ。こんな面白い小説、自分だけ楽しんでいるのは申し訳ない。せいぜい多くの人に伝えよう。

2009年04月22日 (水) 00時49分


[643] 永井 するみ 「義弟」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

双葉社刊 2008年5月20日発刊

永井するみさんは初めて読みましたが、バランス良くきれいに物語を進めていく上手な作家さんだなぁと思いました。暗くなってくる内容にもかかわらず、ぐいぐい読めます。

しかし本作品は読み終わっても気分がスッキリしませんでした。うじうじした二人の姉弟がそれぞれ自己中心の判断で勝手に行動するので、嫌な予感の通り、あまり喜べない結末になりました。

結局私には何を訴えたかったのか読み取れません。こういう愛の形もあると言うことなのでしょうが、特別な形というわけでもないような気もします。

この思わせぶりなタイトルよりも「薄氷」の方が私は好きだな。インパクトは弱まるかも知れませんが。

2009年04月17日 (金) 10時05分


[642] 麒麟・田村裕 「ホームレス中学生」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

2007年 ワニブックス刊

お笑いコンビ麒麟の田村裕君の実体験。中学生の田村君はなんと凄まじくも危うい生活をしていた。命を落としたとしても不思議じゃない。

公園で寝泊まりしている得体の知れない黒ずんだ男。、その男は子供達から石を投げつけられる。いくら叫んでやめろと言っても執拗に石つぶてが飛んでくる。

ホームレスの人が何に恐ろしさを感じているかというと、暴走する若者たちが現れることだと思う。誰もいない夜間に襲われる。何人のホームレスピープルが傷つけられ命を失っているか。

田村裕君こそ、その黒ずんだ男だった。もし雨にあたって風邪でもひいたらどうなっていたか。医者にも行かず、薬も飲まずにいれば、肺炎なんて簡単仁罹患してしまう。

落とし穴が沢山隠れている先の見えない生活。それがホームレス生活。野宿を簡単に甘く考えてはいけない。

たまたま運がよかった。そうとしか思えない。兄弟揃って生き延びられてよかったね。父親は子供達に合わせる顔がないだろうが、平気なのだろうか。平気なはずはない。断腸の思いで一家の離散を告げたのだと思うけれど。

家族の崩壊と再生。そしてそれを手助けしてくれる周囲の目と心。やはりなんだかんだ言ってもこの国は豊かな国なのだ。そう思う。

そしてこの本。面白かった。が、いったい誰が田村君をして印税長者にさせたか。機を見るに敏な奴に違いないと睨む。笑っているのは誰なんでしょう。

2009年04月13日 (月) 20時20分


[641] テスト
From:ダイアモンド2期 [関東/秘密]

テスト

2009年04月09日 (木) 18時50分


[640] 北村 薫 「野球の国のアリス」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

(MYSTERY LAND)
講談社刊 2008年8月7日発行

かつてこどもだったあなたとすべての少年少女のためのミステリーランド。確かにずらり豪華な執筆陣。少年少女向きとはいえ、さすが講談社。

その第14回配本が、北村薫さんの本書。ほとんどの漢字にふりがな。挿絵たっぷり。おじさんが読んでも良いのか。…もちろん、良いに決まってる。

噛んで含むようなやさしい言葉に気持ちがすうっと和らいでいく。そして一ページ読むごとに本を抱きしめたくなるような可愛い主人公と不思議な物語。

銅版画家謡口早苗(うたぐちさなえ)さんの挿絵が柔らかく温かい。安西君とキャッチボールをしている見開きの挿絵は絶品。胸が締め付けられるよう。

北村薫さんの本領発揮です。ルイス・キャロルの有名な作品をなぞらえていく手腕に脱帽。見て下さい、243ページのアリスの投球、第一球目。もう笑ってしまいました。ストライク!

書き下ろしの出来たて(2008年8月現在)のほやほやの上質なお伽噺です。是非多くの方に味わって頂きたい。

2009年04月06日 (月) 07時43分


[639] 朝倉 かすみ 「田村はまだか」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

2008年 光文社刊

40歳の男女5人。今晩7時から同窓会があった。ほとんど全員が2次会のカラオケボックスに流れた。一人抜け二人抜け、ススキノのスナック「チャオ!」の3次会まで残ったのは彼ら5人だった。

彼らには会いたい男がいた。どうしても会いたい男だった。宇都宮から故郷の札幌まで帰ってくる男。田村だ。

彼らの小学校の思い出の総ての頂点に田村がいた。田村ほど強い思い出を残してくれた同級生は他にはいなかった。田村はいつしか彼らの心の中で希望の星のように大きな輝きを持っていた。

だから誰もが田村に会いたかった。顔を見たかった。どうにも手の施しようがなかった問題児の中村理香に堂々と告白して、やがて田村は中村理香と結婚した。

貧しくて弁当さえまともなものを食べていなかった田村。誰かのお下がりのジャージを着ていた田村。

田村の母親は男を取っかえ引っかえしては、捨てられているようなろくでなしの母親だった。だから田村の父親の顔は田村本人もおそらく知らないだろう。

だけど田村は勉強ができたし、駆けっこも速かった。五月人形のように黒くて太い男らしい眉をしていた。

その田村に彼らは会いたがっていた。誰一人「遅い」と怒り出すものはいなかった。

夜が更けても飲みつぶれても田村を待っていた。彼らはどうしても田村に会いたかったのだ。大事な大事な自慢の同級生なのだ。大切な大切な友だちなのだ。同級生は宝物でもあるんだ。

2009年04月03日 (金) 10時14分


[638] 森見 登美彦 「有頂天家族」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

2007年 幻冬舎刊

あちらこちらの京都の地名が頻出。それ故、千年の古都の匂いがひしひしと感じられる。さらに森見節が追い打ちをかける。「夜は短し歩けよ乙女」のあの古文漢文総動員攻撃が良い。

私にはなつかしい受験時代の古語必修○千題とか、漢文提要とか脳裏に蘇る。この文体は実に心地よい。

今では何一つ生活するのに困っていない狸の家族の物語なのだが、敵対する狸一族と、跳梁跋扈する天狗たち、さらに有象無象の人間たちに妖艶なる弁天まで入り組んで何がなにやらわからぬ騒動が勃発。

余人を以て代え難き稀代の書き手に依る大変な力作。

なのだが、少々退屈であった。なにしろなんにでも化けられる狸。これが安易と言えば安易。天狗も弁天もその振る舞いが意外と単純で、もう少し彫り込んで奥行きが出てくれば良いのだが、少し残念。

そもそもの騒動の発端が理解しにくい。そこまで憎み合わなければならない理由が実は書かれていない。(272頁参照)

どうして兄弟の命を奪い、親族で命を狙うまでになったのか。「阿呆の血」のしからしむるところだとしても、何ともやりきれない。狸のほら話と言えばほら話なのかも知れないがそういってしまっては元も子もない。

争いのさなかに吹く一陣の涼風があった。末弟の矢四郎もかわいいのだが、海星は良い。この海星が姿を見せぬところがしおらしい。

海星(かいせい)は読み方によっては「ひとで」とも読めるが、彼女がいなければそれこそ人でなしの物語になっていたに違いない。

2009年03月29日 (日) 17時28分


[637] 渡辺 実穂 「放し飼い昆虫記」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

渡辺 実穂, 角 慎作
農山漁村文化協会
2001年3月

昨年の夏休みに長男が借りていました。夏休みの読書感想文を書くつもりなのに読まずに放ってあった。つい手を出したら、面白いかったのです。
子供より先に父ちゃんが読んでしまった。

昆虫記と言うからファーブル昆虫記のような観察記録かと思ったら、だいぶ違う。昆虫に夢中になる三人の男の子たちの物語だった。虫の生態を初めて目にしながら命がつながっていくことを学ぶ。

虫好きにはたまらない面白さ。近所の森には虫たちが寄ってくる「母の木」があった。しかし開発という名の森林破壊の現実に子供達は向かい合う。

どうやって仲良くなり、友情を深めていくか。友達作りのお手本のような作品でもあり、盛りだくさん。お子様にお勧め下さい。

2009年03月24日 (火) 23時31分


[636] 小川 糸 「食堂かたつむり」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

2008年 ポプラ社刊

楽しく読みました。これは一種のメルヘンですね。そういう意味で楽しい作品でした。

大金を盗んでいったインド人が最後に王子様のように現れて、ひざまずいて手にキスをすればさらによかっった。

もしその気があって、下品な表現や屠殺シーンを取り除けば小学生向きの素晴らしい作品になると思います。

2009年03月24日 (火) 23時25分


[635] 山本 兼一 「千両花嫁―とびきり屋見立て帖」
From:じゅりんた(8) [関東/51歳から60歳]

2008年5月 文藝春秋刊

真之介とゆずの店は、京都鴨川に架かる三条大橋の目と鼻の先にある道具屋だ。その名も「とびきり屋」。

運にも恵まれたが真之介が身を粉にして働き、番頭手代丁稚など十人ほども使って四間間口の店をこの人通りのにぎやかな通りに開いた。

店を開いてから1年ほどで結納金千両もこしらえて、心の底から念願だった嫁も取ることができた。初々しい新婚の真之介とゆずは希望に燃えてますます仕事にも励みが出る。

何も憂うことはないはずなのだが、大きな心配の種がひとつあった。

ゆずの両親から二人の結婚を猛反対され認めてもらっていないのだった。

真之介は捨て子だった。ゆずの父親善右衛門に拾われた。そして育てられそのまま善右衛門の店の奉公人となった。京で三本の指に入る名代の茶道具商からふね屋がその店であった。

恩も義もある真之介は善右衛門のために一生懸命働き、二番番頭まで取り立てられた。

その真之介が、善右衛門の娘に恋をした。ゆずも真之介こそ夫になるべき人だと考えていた。

親に許嫁を決められたゆずを拐(かどわ)かすように連れ去り夫婦になったのだ。

当然ゆずの両親はこの結婚を許そうとはしない。それがこの若い夫婦の一番の悩みであった。真之介は善右衛門との約束を信じてゆずを連れ出したのだが、話がこじれて頓挫してしまった。届けた結納金千両もまだ受け取ってくれない。

一年前、意を決して真之介が善右衛門にゆずとのことを言上した時、善右衛門はこう言って真之介と約束をしたのだった。
「おまえが来年の桃の節句までに、四間間口の店を構え、千両の結納金をもって迎えにきたら、ゆずをおまえにくれてやろう。」

七編の連作が納められている。どの短編にも歴史上の人物が脇役として登場する。これが豪華だ。また上手に物語に組み込まれている。

新撰組の近藤勇、長州の高杉晋作、土佐の坂本龍馬、江戸から来た勝海舟等が登場、幕末の京都が町人の視点から描かれ時代の雰囲気が漂ってくる。

高杉晋作がふらりととびきり屋の店を訪れる。ゆずが出迎える。ゆずの話す京言葉を聞いて、高杉は「京の言葉は魔性じゃな。何をやっても力が入らぬ。…」

耳に心地よい京言葉は私のあこがれ。それを高杉晋作に言い当てられた気分でうれしい。

最後の善右衛門には心動かされた。本当に心地よく楽しませてもらった作品。

【おまけ】
田夫野人…でんぷやじん。意味は正に字の如し。
滾る…たぎる。読めたけど書けないなぁ。

2009年03月19日 (木) 20時16分







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