From:じゅりんた(8) [関東/41歳から50歳]
1984発行 講談社 あの破壊と生存の共存する強烈なイメージです。村上龍作品世界の萌芽。実際に赤ちゃんがコインロッカーに捨てられていたという事件がありました。覚えています。この作品が発表されたのが1980年、村上龍さんが28歳です。若者の持つエネルギーが満タンになって波打っているような文章。実に脂っこくて濃くて臭気が漂います。当然この作品を読み進めることを途中で拒否することも可能です。作者と対決することも読書の立派な方法です。投げ出すか、読み進めるか。村上龍を理解しちゃった場合には途中でこの本を放り投げてもかまわない。しかし、私は読み終えずには居られなかった。投げ出せなかった。冷静に読んでいたつもりだったがいつの間にか挑むような気持ちで読んでいました。いつの間にかそうし向けられていたのかもしれません 。
2006年08月06日 (日) 12時40分
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