私、星野華恋は名前に恋が付くだけで初恋もまだ。 ただ、クールに過ごすをモットーに男とはかかわらなかっただけだけど 恋ってどんなものが恋なのかも知らない。 そんな私にとってこの初恋はすべてが初めてだった―
―朝 ピー!!! 体育館に笛の音が鳴り響く。 「じゃあ今日の朝練はここで終わりです!大会まで あと1週間!自習練習を各自行うように!」 バスケ部の先輩が体育館中に聞こえるように大きな 声で叫ぶ。 バスケ部なんてやっているだけで目立つから入るか 入らないかではものすごく悩んだ。 でも大好きなバスケはどうしても手放さなかった。 手放してしまっただけで、自分が自分じゃなくなる ような気がしたから…。 「華恋〜!!」 遠くの方から元気な声が聞こえてきた。 綾香だ。 「今チア部の朝練終わったんだよ〜!これから転校生 見に行くんだけど、一緒に行こう〜!!」 綾香は小学校低学年からの友達で、仲の良い友達と 言ったら綾香だけだ。 「ゴメン。私、そうゆうの興味ないから。それに今は バスケの練習しないとだから。」 私がそう言うと綾香が、 「もう〜!華恋はクールだなぁ!!見たいなら無理しなく ていいのに!昔はこんなにクールじゃなかったのにね!」 別に無理しているわけではない。本当に心底興味ないのだ。 もし昔のようなキャラだったとしてもそうゆうのは興味が わかないタイプだ。 「昔の事はもういいだろ?それより練習させてよ。」 そう言うと綾香は、 「もう!華恋〜少しはバスケ以外のこともしてみたら〜? たとえば恋とか。今年の転校生カッコいいって噂だよ〜!! あっ!恋って魚の鯉じゃないからね!」 分かってる。そのくらい私にだって分かるわ。 恋かぁ…。やっぱり興味わかないな…。 近頃の女子は「恋、恋」って言っているけど、恋の何が 楽しいのかよく分からない。それはもちろん恋をしたことが ないからだけど、恋なんてそんな楽しいものなのだろうか。 盗み聞きをしたわけじゃないけど、クラスの女子は 恋のせいで勉強に手が付けられないとか恋のせいで悩んでる とか、辛いことばかりじゃない。なんでそんなに恋を したがるのか正直私にはよく分からない。 恋をしてみたいとかぶっちゃけ言えばあるけど、本当に どんなものが恋かなんて分からないのだ。 分かっていればもうとっくに恋いうものをしているんだが…。
2話目に続く
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