屁臭虫の話…
ヘクサ虫(…都会ではカメムシか)のお話です!
二年前、親父の七回忌の法事を浦本の実家でやったんさ。
身内だけで、お寺さんからお経をあげてもらったんさネ。
そのときの話です…
住職は82歳、高齢でかなり耳が遠いんで、普段から
補聴器をつけとるような人なんさネ。
時々、その補聴器の電池が切れとったりすることも…
当日はポカポカ陽気で少し暑いもんで、仏壇の横の窓を
少し開けてたんさネ。
お経が始まってすぐ、一匹のヘクサ虫が網戸の隙間から
ブーンと入って来て、座敷の蛍光灯の周りをブンブンと
飛び回り始めたんさネ。
この様子を見ていた、小学生の甥っ子たちが吹き出すと
大人たちも、こらえきれずに次々に笑い出したんさネ…
耳の遠い住職は、訳も分からんお経を続けとるし…
突然、ヘクサ虫が急降下して、息子の頭んところに
止まったんさネ!
虫大嫌いな息子は、「ヒヤー」っと叫んで、ヘクサを
手で払ったんさネ。
その拍子に、息子の手に掛けていた数珠がはずれて、
何と、住職の後ろ頭んとこに当たったんさネ。
ビシャっという変な音がしました。
思わずおふくろが「おや、どうするやあ〜」って言うと
皆んな大笑い!
やがて、長〜い曹洞宗のお経が終わりました。
お布施をもらった住職は、ほんの一言だけ愛想言って、
ありがたそうにお寺に帰りました。
住職のハゲ頭には、赤い輪っかの様な跡が付いていました!
南条ケンのすべらない話より…すべらんなあ〜!?