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自分を優先

母の施設見学に同行している。
とっくに老人ホームに入居していても当然の93歳の母が今までそうしなかったのは、やはりPDの兄が自宅にいたいと言い続けていたからで母が施設に入ることで結果的に兄も施設に入らざるを得なくなる。だいぶ前に施設入居の意思を表明していた母が、そのことを口にしなくなっていたのは兄のことを考えたからだろう。
でも兄の虐待(3回水をかけられた)に愛想をつかし自分の気持ちを優先することをやっと決心したのだろう。
「この施設に入りたい」という意思をはっきり表明し、実に楽しそうであった。今まで庇ってきたわがままな息子をやっとみはなしたというより自分を優先した。
心身ともに限界だったのだろう。
そう、もうとっくに自分のために生きてよかったのだ。
自分のために生きて。
母が自分のために生きれば、兄にも良い影響があったかもしれない、少しは。