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多層的な読書 |
投稿者:あーもんど
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錯綜する読書…最近作「スパイたちの遺産」
(John Le Carré ) 通例にならい(面倒なので)ルカレと表記する。 彼の小説を読むと純文学とかエンターテイメントという言葉は意味を失う。これらは決して単なるスパイ小説などではない。 彼は人間を描き現代を描く。カズ・イシグロ の小説は読んだことはないがルカレ の方がはるかにはるかに ノーべル文学賞に値する(と確信する。)
ベルリンの壁があった頃、東西に分かれ社会主義に翻弄され死んでゆく人々。ひとはこういう理不尽な悲惨…正義を求める人の真摯な心が何故こういう結果になるのか。
どんな論文よりも真実を胸に迫る筆致で描くルカレ。 過去と現在といういくつもの「時」が錯綜し知的に展開する文章。イギリスで最も人気がある作家だという。 普通に本が読めない私はKindleをさらに読み上げてもらう。その上、夫の語りが入る。 錯綜する時 複雑な文章 多層的な読書
(2018年02月19日 (月) 00時38分)
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