初めまして!司法書士のほそのと申します。 ご質問ありがとうございます。
さて、ご質問の件・・・ そもそも株式買取請求権の行使は 何時如何なる時にも認められた株主の権利ではありません。
御社は、株式譲渡制限会社ということですが この規定を新たに設定する場合や 組織再編行為、営業譲渡及び営業譲受など 株主の利害に重要な影響を及ぼす内容の決議がなされる際に それらに反対する株主に認められた限定的な権利であります。 また、定款に議決権の行使が認められていない株式の定めが なされている場合も その株式を有する株主には、買取請求権が認められます。
従いまして、ある日突然株主から 一方的な意思表示により 買取請求権が行使されたとしても 上記のような事情が存在しない限り 御社が常にそれらに応じる必要はありません。 もし、上記事情が存在し要件が備わっていれば 株主の買取請求権に応じる必要がありますが その買取請求価格は 「その株式が有する公正な価格」が基本となります。 旧商法においては 「決議なかりせば、有すべかりし公正な価格」となります。 「公正な価格」とは・・・ 簡単に言えば 誰もが納得する根拠ある価格ということができます。
ただ・・・ 御社と株主間の合意により その株主が有する株式を取得する場合は 譲渡契約の承認については、株主総会が 売買価格については、株主総会又は取締役会で決議され その決議内容に基づき、株主が譲渡の申込みをなす という手続きとなります。 売買価格は、株式を取得する度ごとに決定することを要し あらかじめ定款をもって 固定的な価格を定めることはできません。 もし、決議で売買価格を額面5万円と定めても それに付加価値として、何らかの条件を付したとしても 株主が、それに応ぜず譲渡の申込みをしなければ 合意による株式の譲渡契約は締結するに至れません・・・。
そもそも・・・ 契約当事者一方の恣意的な試みにより 契約当事者一方の権利を害することは 信義則に照らしても効力を生じないと言わざるを得ませんね。
御社の発行済み株式総数や株主構成などが不明なので 明確なことは、申し上げられませんが・・・
本来、株主の存在により 会社運営が支えられ、業務の発展が図られるはずであるのに その出資者の存在が・・・ 会社の存続を危うくしてしまう可能性を有するという事態は 決して、好ましいことではありませんね。
一度、専門家のコンサルティングを受けて 根本的に組織構成の見直しをする必要があると思います。
何らかの担保を目的として、それらを満足させるために 新株の発行をすることは・・・絶対に避けるべきであります。
[16] 2006年11月28日 (火) 17時38分
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