すやすやと眠る、全裸の少年と少女。どちらも、白銀の髪に整った顔立ちで、まるで人形のように可愛らしかった。 なんてね、呑気に実況している場合じゃないんだよ、私。本来なら凄い勢いで弁解すべきなんだよ。でも出来ない。 「ミカ・・・・・・。私、あんたがどんな子でも、成人するまではちゃんと育てるからね」
Bonjour,bonsoir,bonne nui. Je' mappele Mika. 只今母から、哀れみと懺悔たっぷりの視線を頂いています。 誰か助けて。
『私!行くところがあったんだわ!じゃあねミカ!!』 母が逃げるように去ってから一時間弱。私はとりあえず、二人に服を着せていた。 少年には、昔、兄が来ていたシャツとズボン(パンツ?)を。少女には、私が愛用しているワンピースを。 双子に見える二人はまるで、幼い頃の私と兄を見ているようだった。 兄と私は双子でとても中が良かった。けれど二年前、私達が14歳だった時・・・兄は忽然と姿を消してしまった。 だからかも知れない。少年と少女を見ていると、自然と涙が出てきてしまうのは。
「・・・・・・泣かないで」
ふと、頬に触れる、少し冷たい手。驚いて顔をあげると、目を覚ました少年が、心配そうに私を見つめていた。 目が透き通るような赤色。大きな瞳が私をとらえていた。 「どこか・・・痛いの?」 少女もまた、私の顔を見て心配そうに聞いてきた。 小さい子に心配されている、という事実が恥ずかしくて、「欠伸しちゃった」と我ながら苦しい言い訳をした。 しかし相手は10歳前後の子供。すぐに納得してくれた。
「そう言えば、二人はどうしてこの布団の中にいたの?」 ふと、気になっていたことを尋ねた。二人は声を揃えて、こう言った。 「「きみを迎えに来たんだ。一緒に異世界へ行こう!」」 ・・・・・・もう、何が何だかわけわかめ。
|