「寒いねぇ」
「その寒いところに呼び出したのお前だろうが」
「だってクリスマス!クリスマスですよ!?」
「クリスマスなんて子供が親に騙される日だよ?一番嫌いだわ」
「違うよ!夢をあげるんだよ!!プレゼント以上の大きな夢を!」
「直接渡せば済むじゃん、簡単だし」
「……なんかさ、すぐサンタの正体見破ってそうだね」
「俺幼稚園の年長だね」
「うっ、そ、私中3、」
「おっそ!!笑」
「受験の直前にぬいぐるみ頼んだのに勉強セット来たから悟った」
「親もこのままじゃやべぇって思ったんだろうね笑」
こんな冬が、ずっと続くと思ってたのに。
ケーキ食べて、プレゼント交換なんてしたりして、甘い魔法に包まれる冬を。
その魔法が、いつか溶けてしまうなんて、
このときの私は、これっぽっちも考えてなかったんだ、
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