もう2年もここに来てるせいか、新しいクラスでも知ってる顔が沢山いた。
その中に見知った顔を見つけた。
「優菜!」
「あ、凛!」
彼女は山下優菜(ヤマシタ ユウナ)。 私の幼馴染みであり、大切な親友でもある。
「良かったぁ!今年も凛と同じクラスで嬉しい!」
「私も!これで宿題には困らなくて済みそう!」
「私は凛の道具じゃないよ!!」
私達は顔を見合わせて笑った。
「てか宿題には困らなくて済みそうって、アンタには頭がイイ彼氏くんがいるじゃん」
「悠斗は教えてくれないよ〜!だってケチだもん!」
「へ〜、誰がケチだって?」
「だからゆう…と……」
ヤバイ、振り返らなくてもわかってしまうこのドス黒いオーラ。
ギギギギッと首を後ろに回すと、そこには素晴らしい笑顔で立っている悠斗の姿。
「凛、なんの話してたの?俺も混ぜてよ」
「へ、へへへ。ただの世間話ですよ旦那…」
ダラダラと垂れる冷や汗。 すると頭に衝撃が走る。
「いった!」
「ふん!俺の事をケチって言った罰だバーカ!」
「うるせぇ!このクズ!アホ!ボケ!イケメン!色白!ちょっと女からモテるからって調子のりやがってのイケメン野郎!」
「途中から褒め言葉になってるよ凛」
おっと口が滑った。
「お前言わせておけば…!
「席つけー。SHRするぞー」
ちっ、凛!帰り覚えとけよな!!」
そう言って悠斗は自分の席に座った。
助かった。初めて先生に感謝するよ。
|