しのびよる地球温暖化の足音
■和歌山・串本沿岸に熱帯サンゴ、本州で初めて発見
本州最南端の和歌山県・潮岬(串本町)沿岸で21日、沖縄以南の熱帯に分布する「リュウキュウキッカサンゴ」を、串本海中公園センターの野村恵一学芸員(49)が本州で初めて確認した。国内の北限は高知県足摺岬周辺だった。潮岬沿岸は黒潮の接近に加え、海水温も上昇。専門家は黒潮で運ばれた幼生が地球温暖化の影響もあって成長した可能性があるとしている。
野村学芸員は、潮岬西約100メートルの海底(水深約6メートル)でオニヒトデを駆除中、緑褐色の同サンゴ1群体(長さ約3メートル、幅約2メートル)を発見した。大きさから、1990年ごろに幼生が定着したとみられる。
温帯から亜熱帯の潮岬沿岸では、2月の水温がここ数年、約1度上昇し、91年以降は黒潮が接近。
家戸敬太郎・近畿大水産研究所助教授(水産増殖学)は「水温上昇が要因では。特にこの冬は高く、これまで越冬できなかった魚や貝の生存も確認されている」と指摘している。
(2007年2月22日 読売新聞)
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070222p401.htm