分析:市長の年頭挨拶について
1月広報紙の内容が公表され、表題の内容も明らかになった。
一読して目を引くのは、市政に対する市民の協力を呼びかけていることだ。それも二度も。これは、昨今の市政を巡る情勢が影響を与えていると思う。
すなわち、
■現在は「市民からは必ずしも協力を得られていない」という認識を、執行部が持っていることの裏返しである。
■100人委員会からの少子化対策提言を実行するに当たって、地域社会の支援を要する施策を検討中であることを反映している。
■某板の閉鎖により、反市長の世論が一時的に和らぐことを見越して、市民世論の転換を図ろうとしている。
■議会の主導権が利権派から非利権派に移ったことから、執行部自らも利権イメージを払拭することを狙っている。
「熟慮断行」というスローガンを掲げているのも、今までの施策に対して
「思いつき施策が目に付き、拙速ではないか」
「市政運営能力に疑問符」
という批判が少なからずあったことを考慮して、敢えて打ち出したものではないかと思われる。
いずれにしても、為政者は言葉よりも「結果責任」が全て。某温浴施設を巡る混迷を抱え、本当に市民の協力が得られるのか。執行部には年頭に当たり、今一度「熟慮」して欲しいものだ。
短慮不実行
2007年も1ヶ月を経過したが、英丘「偽装請負」疑惑・酪農新工場問題などの新たな事柄が浮上。ゆーぷる問題もこじれる一方だし、風力発電の問題でも市側の無策が目立つ。
市側は年頭から少子化対策をぶち上げ「市民の協力」を呼びかけているが、上記の問題は、執行部の信頼性に大きな疑問を投げかけるものばかりで、これでは市民の協力を得ることはできないのではないか。
■イングランドの丘問題では、提出資料が誤っていたという「短慮」ぶり。「偽装請負」の疑いまで指摘される始末。
■酪農新工場の件でも、2億円もの助成金について、早くも市側の「短慮」ぶりが露呈。
■ゆーぷる問題では、市側は被害者の名誉回復のための、何らの策も「断行」し得ないままで終始した。
市最高職責者が年頭に「熟慮断行」を掲げ「市民の協力」を呼びかけてから1ヶ月。耳障りのよいスローガンとは裏腹に、市政は相変わらず「短慮」「不実行」に彩られている。
私は敢えて、次の言葉を彼に送りたい。
「巧言令色鮮し仁(こうげんれいしょくすくなしじん)」<http://www.great-saying.com/w-rongo26.html>