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安定的な皇位継承策などを検討する退位特例法の附帯決議に応える為の有識者会議設置、初会合開かる ― 10の聴取項目(案) (39999)
日時:2021年03月28日 (日) 15時32分
名前:tapir

3月26日、安定的な皇位継承策などを検討する「有識者会議」設置の発表があり、メンバーが公表され、3月23日に、初会合が開かれました。

メンバーは、大橋真由美・上智大教授(行政法)▽日本私立学校振興・共済事業団の清家篤理事長▽JR東日本の冨田哲郎会長▽女優で作家の中江有里氏▽細谷雄一・慶応大教授(国際政治史)▽宮崎緑・千葉商科大教授(国際政治学)―の男女3人ずつの計6人です。


1、有識者会議の設置

3月16日の記者会見で、加藤勝信内閣官房長官は、皇位の安定継承策を議論する有識者会議を設置することを発表しました。皇位の安定継承策について、上皇陛下のご譲位を可能にした特例法の附帯決議では、同法施行(平成31年4月30日)後、速やかに検討をスタートさせる約束でしたが、政府は、それを2年も引き延ばしました。

その間、「皇女プラン」という無茶なプランで、やり過ごそうとしましたが、民間、野党の良識によって押し戻すことができました。同プランは、当事者でいらっしゃる皇室のご内意をうかがうこともなく進めようとしたとのことです。

上皇陛下の御譲位を可能にした特例法の際の有識者会議の迷走を見ると、皇位の安定継承の有識者会議ができたからといって、過大な期待を寄せることはできません。

皇位の安定継承というテーマは、国家・国民にとって最重要課題ですから、内閣の一諮問機関に過ぎない有識者会議で方向性を決めるのではなく、国民の代表機関である国会の全党・全会派の総意によって、基本的な方向性が決められるべきでしょう。各政党は、圧倒的多数の国民が何を求めているかを真剣に見極め、真の民意に立脚した判断を行う必要があります。

一方、心ある国民は今こそ、皇室の将来に寄せる自分たちの思いを、しっかりと政治の場に届けなければなりません。


附帯決議が政府に求めていた検討課題は次の通りです。(附帯決議の文言です)

「政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること」


2、10“聴取項目”(案)

3月23日、安定的な皇位継承策などを検討する、退位特例法の附帯決議に応える為の有識者会議の初会合が首相官邸で開かれ、メンバーによる互選で清家篤・前慶応義塾長が座長に決まりました。

有識者会議において、専門家へのヒアリングを行う際に、10の聴取項目(案)を、以下の通り、設けています。

問1、天皇の役割やご活動について。

問2、皇族の役割やご活動について。

問3、皇族数の減少について。

問4、皇位継承資格を「男系男子」に限定し、女性皇族はご婚姻と共に皇籍を離れられる現行制度の意義について。

問5、内親王・女王に皇位継承資格を認めること、その場合の継承順位について。

問6、皇位継承資格を女系に拡大すること、その場合の継承順位について。

問7、内親王・女王がご婚姻後も皇籍に留まられること、その場合、配偶者やお子様を皇族にすることについて。

問8、ご婚姻により皇籍を離れられた元女性皇族が皇室のご活動を支援することについて。

問9、皇族ではない皇統に属する男系の男子が@養子縁組やAそのままで新しく皇籍取得を可能にすること、その場合の継承順位について。

問10、皇位の安定継承、皇族数の減少への対策について、その他にどのようなものが考えられるか。


神道学者、皇室研究者の高森明勅氏は、

「この度の退位特例法の附帯決議に対応する為の有識者会議の良い点」は、

「専門家へのヒアリングを行う聴取項目が、網羅的でバランスの取れた内容になっている」

と評しています。


高森氏のブログから抜粋します。


+++++

「附帯決議に真正面から応える為に、検討が必要と思われる事項は、ほぼ漏れ無くカバーしていると言ってよいだろう。


又、設問の配列自体も、極めて真っ当な並べ方になっている。慎重に現行制度の「意義」を見極めた上で、これまで提案されている対策案を、女性天皇→女系天皇→女性宮家→“皇女”プラン→国民の中の皇統に属する男系の男子に皇籍の取得を認める(いわゆる旧宮家案のままではない!?)、という順序で並べている。ごく常識的で、共感が持てる。」

(「論点を網羅、有識者会議の10項目」2021.0328 【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210328

+++++



○付帯決議に応える為に、検討が必要と思われる事項はほぼ漏れなくカバーしている

○設問の配列も、真っ当な並べ方である。
現行制度の「意義」を見極めた上で、
これまで提案されている対策案を、

女性天皇
→ 女系天皇
→ 女性宮家
→ “皇女”プラン
→ 国民の中の皇統に属する男系の男子に皇籍の取得を認める

という順序で並べている。



その上で、高森氏は、

「問9、皇族ではない皇統に属する男系の男子が@養子縁組やAそのままで新しく皇籍取得を可能にすること、その場合の継承順位について。」

『「皇室と国民の「区別」は当然、曖昧にならざるを得ない。』

との「問9」に対する懸念を、以下のように表明しています。



+++++


「皇統に属する男系の男子を下記@又はAにより皇族とすることについてはどのように考えるか。その場合、皇位継承順位についてはどのように考えるか。@現行の皇室典範により皇族には認められていない養子縁組を可能とすること。A皇統に属する男系の男子を現在の皇族とは別に新たに皇族とすること」


この項目が“9番目”に位置付けられていること自体、同会議のスタンスを示しているだろう。ちなみに、10番目は「対応方策として、そのほかにどのようなものが考えられるか」。

だから、具体的な設問としては“最後”に置かれていることになる。「復帰」という間違った言葉ではなく、「新たに皇族とすること」と書いているのは当たり前ながら、正確だ。


しかし、気になるのは、「(皇族ではない)皇統に属する男系の男子」という漠然とした表現が使われている点。小泉純一郎内閣の時の「皇室典範に関する有識者会議」の報告書では、「昭和22年に皇籍を離れたいわゆる旧皇族やその男系男子子孫」と限定的に表現されていた。それが“敢えて”変更されたのは、特別な理由があるのか。


いわゆる旧宮家系男性“以外”にも、国民の中に「皇統に属する男系の男子」は多くいる。

それらの人達も対象に加えようとしているのか。例えば、江戸時代の天皇(後陽成天皇や東山天皇)のお子様が摂関家(近衛家・鷹司家・一条家)の養子に入ったケースがある。その系統の人物が何人も(何十人も…か?)知られている。その1人は「大阪北新地でワインバー…を経営している」(八幡和郎氏)とか。


又、明治以降、16名ほど男性皇族が臣籍降下されている(うち2名は非嫡出で皇籍になかったので厳密には臣籍降下ではないが、皇統に属する男系の男子であるのは同じ)。その子孫の系統も対象になり得るのか、どうか。そうやって広げるならば、対象者はほとんど際限なく拡大するだろう。


そうなると、皇室と国民の「区別」は当然、曖昧にならざるを得ない。皇室の尊厳、「聖域」性も揺らぐことになろう。しかし、上記の設問では、対象者を限定する“線引き”が、原理的に困難ではあるまいか。

(『有識者会議「旧宮家系」以外も対象?』2021.03.27 【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210327



『問9については、熟慮の上で、従来、一部で唱えられていた「旧宮家案」を、制度として整合性が取れる形に手直しした可能性がある。小泉内閣の時の有識者会議報告書の場合は、旧宮家案を斥ける趣旨だった。なので「昭和22年に皇籍を離れたいわゆる旧皇族やその男系男子子孫」という限定的な表現を用いた。


しかし、今回は新しい制度を作るかも知れない、という文脈。その際、一般的に「(皇族ではない)皇統に属する男系の男子」を対象とする制度はあり得ても、その中から「昭和22年に…」という人々だけを(政治的な経緯を理由として)“例外的に”取り出して、皇籍取得を可能にするのは、法的整合性が取れない、と判断されたのだろうか。その結果、国民の中から“幅広く”皇籍取得を可能にする制度設計になり、皇室と国民の区別を曖昧にして、皇室の尊厳、「聖域」性を損なう危険性が更に高まったように見える。


旧宮家案の制度的な実現可能性を真面目に追求して、皮肉なことに問題点が逆に浮き彫りになった格好だ。』

(「論点を網羅、有識者会議の10項目」2021.0328 【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210328


+++++



○皇族ではない皇統に属する男系の男子が下記@、Aによって、皇籍取得を可能にすることと、その場合の継承順位についてどう考えるか。

@ 現行の皇室典範により皇族には認められていない養子縁組を可能とすること。

A 皇統に属する男系の男子を現在の皇族とは別に新たに皇族とすること。


○「(皇族でない)皇統に属する男系の男子」という漠然とした表現が使われている。

○小泉内閣の時の「皇室典範に関する有識者会議」の報告書では、「昭和22年に皇籍を離れたいわゆる旧皇族やその男系男子子孫」と限定的に表現されていたのが、敢えて変更された。

○今回は新しい制度を作るかも知れない、という文脈。「昭和22年に…」という人々(旧宮家案)だけを“例外的に”取り出して、皇籍取得を可能にするのは、法的整合性が取れない、と判断されたのだろうか。その結果、国民の中から“幅広く”皇籍取得を可能にする制度設計になった。



[tapirの所感]

10の聴取項目(案)の文言については、新聞のニュース等では、あまり報道されていないように見受けられます。各メディアは、もっと大々的に報道して、多くの人々が一緒に考えられるようにしていただきたいと思います。

上皇陛下の御譲位を可能にした特例法の際の有識者会議の迷走を見ると、皇位の安定継承の有識者会議ができたからといって、過大な期待を寄せることはできません。今後の、有識者会議の動向を注視して参りたいと思います。

皇位の安定継承というテーマは、国家・国民にとって最重要課題ですから、内閣の一諮問機関に過ぎない有識者会議で方向性を決めるのではなく、国民の代表機関である国会の全党・全会派の総意によって、基本的な方向性が決められるべきだと思います。

各政党は、圧倒的多数の国民が何を求めているかを真剣に見極め、真の民意に立脚した判断を行う必要があります。

「一方、心ある国民は今こそ、皇室の将来に寄せる自分たちの思いを、しっかりと政治の場に届けなければなりません。」

「皇室の将来に寄せる自分たちの思いを、政治の場に届ける」ことが、今後、重要なことだと思います。

合掌


***

上記以外の参考資料:

・高森明勅氏の3月17日のブログ。(「皇位の安定継承へ有識者会議」2021.3.17【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210317

・「政府、皇位安定継承へ有識者会議 来週初会合、女優・中江有里氏ら」 時事COM 3月16日
https://news.yahoo.co.jp/articles/132655d1f5a4a48ca9dea213f51d94abb54570cf

・「皇位継承のあり方有識者会議、23日に初会合」 日本経済新聞 3月22日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE221JY0S1A320C2000000/

                                          以上

有識者会議と政府への質問主意書 (40296)
日時:2021年04月13日 (火) 15時05分
名前:tapir

先日、3月23日に「皇位の安定継承を目指す制度改正を検討する有識者会議」が初会合を開いたことをお知らせしました。

その後の経過をお伝えします。


1、4月8日に、櫻井よしこ氏ら5名から、第一回ヒアリングを実施。


2、同日(4月8日)、国民民主党の山尾志桜里衆院議員が同会議を巡り、政府への質問主意書を提出。同主意書の質問事項は3項目です。(後で掲載します)


[感想]

1、 について

4月8日のヒアリングの対象者は、ジャーナリストの岩井克己氏、笠原英彦・慶大教授、ジャーナリストの櫻井よしこ氏、新田均・皇学館大教授、八木秀次・麗沢大教授。

櫻井よしこ氏、新田均氏、八木秀次氏は強固な男系男子支持者です。

笠原英彦氏は、上皇陛下の御譲位に反対した学者です。

岩井克己氏は、東宮(現在の今上陛下)を批判した著者を出版したジャーナリストです。

○女性天皇、女系天皇反対派、上皇陛下の譲位に反対、皇太子時代の天皇陛下を批判。

ヒアリング対象者5名は、思想が偏り過ぎていないかというのが、私の第一印象です。

また聴取項目の問9が、彼らの主張する旧宮家系男子による継承に最も関連があると思いますがそのことに触れた識者は少なかったそうです。(櫻井よし子氏が養子縁組に触れたそうですが)

彼らの意見は民意を反映しているのだろうかとの疑問を抱きます。


念のため、退位特例法の附帯決議に対応する為の有識者会議の、専門家へのヒアリングを行う聴取項目を再度掲載します。


☆☆☆


問1、天皇の役割やご活動について。

問2、皇族の役割やご活動について。

問3、皇族数の減少について。

問4、皇位継承資格を「男系男子」に限定し、女性皇族はご婚姻と共に皇籍を離れられる現行制度の意義について。

問5、内親王・女王に皇位継承資格を認めること、その場合の継承順位について。

問6、皇位継承資格を女系に拡大すること、その場合の継承順位について。

問7、内親王・女王がご婚姻後も皇籍に留まられること、その場合、配偶者やお子様を皇族にすることについて。

問8、ご婚姻により皇籍を離れられた元女性皇族が皇室のご活動を支援することについて。

問9、皇族ではない皇統に属する男系の男子が@養子縁組やAそのままで新しく皇籍取得を可能にすること、その場合の継承順位について。

問10、皇位の安定継承、皇族数の減少への対策について、その他にどのようなものが考えられるか。

(「皇位の安定継承へ有識者会議」2021.3.17【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210317


☆☆☆



2、 山尾議員が、政府への質問主意書を提出したことについて

同主意書の質問事項は3項目です。政府からの回答はまだ来ていないようです。


☆☆☆

@皇位の継承順位について、一部の報道に「現在の順位を変えないことが前提」という趣旨の報道があった。現状からの変更の是非について、何らかの前提を置いているのかどうか。

Aヒアリングでの聴取項目の問9に「皇統に属する男系の男子」とあるのは、いわゆる“旧宮家”に限定されないようにも読み取れる。旧宮家を意味するのか、それとも対象となる範囲を広げているのか。仮に広げているとすれば、いかなる基準で、どこまで広げるのか。

B今後のスケジュールについて様々な報道がなされている(6月に会期末を迎える今国会中にもヒアリングを終え、成果をまとめて国会に報告。年内をめどに論点を整理。スケジュールありきではない)が、とりまとめの時期について方針を定めているのか。定めているならその方針を明らかにして欲しい。定めていないならば、いつ誰がどのように定めるのか。

☆☆☆


@ 現在の皇位継承順位を変えないことが前提なのか?

A 「皇統に属する男系男子」の範囲を(どこまで)広げるのか?

B 今後のスケジュールについて、とりまとめの時期を定めているのか?(年内なのか)


@は、もしそうだとすれば、議論の幅が最初から制約されることになると思われます。

どれも、知りたい問題です。

今後の推移を見守りたいと思います。


参考資料:

(『皇位継承有識者会議を巡り、山尾志桜里衆院議員が質問主意書』高森明勅公式ブログ 2021年3月12日
https://www.a-takamori.com/post/210412

(「皇位の安定継承へ有識者会議」2021.3.17【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210317


4月8日ヒアリング対象者2名(岩井克己氏、八木秀次氏)の追加情報 (40412)
日時:2021年04月15日 (木) 22時27分
名前:tapir

4月8日皇位安定継承を検討する「有識者会議」におけるヒアリング対象者5名のうち、2名の追加情報です。

ジャーナリストの岩井克己氏:

1999年(平成11年)12月10日の皇太子妃(当時)雅子様のご懐妊の兆候(最初のご懐妊、後に流産された)をスクープした朝日新聞の記者本人とのことです。医学的判断の定まらない段階でご懐妊をスクープされた皇太子ご夫妻は大いにショックを受けられ、間もなく、雅子様は流産されました。スクープの時は妊娠2週目くらいだったそうです。女性として最もデリケートな時期にご懐妊を公表された雅子様のショックはいかばかりだったことでしょう。精神的ショックが流産の原因になった可能性もあります。そのような非道なことを先導した記者です。


八木秀次・麗沢大教授:

2007年(平成19年)に、皇太子ご夫妻の離婚、又は皇位継承順位の変更を主張した学者です。



++++以下引用

「ここであえて議論を起こしたい。皇太子ご夫妻(天皇・皇后両陛下)の離婚問題についてである」

「(皇室典範は皇后の離婚を想定していないので)御代代(替)わりが起こった後ではもはや離婚はできない」”

“「今は雅子妃のご快復を願う。だが、一皇太子妃のご病状快復と…宮中祭祀が天秤に掛けられるようであれば、離婚ないし皇位継承権(ママ、皇位継承順位)の変更を想定せざるを得ない事態になると思われる」(八木秀次氏、『SAPIO』平成19年5月9日号)

++++++引用終わり

*以上の記事は、(『「保守」の離婚・廃太子論』2021.3.31. 高森明勅公式ブログ
https://www.a-takamori.com/post/210331)から転載しました。


皇后陛下に大きな心的外傷を与えたスクープ記事を執筆したジャーナリスト・岩井克己氏と、離婚ないし皇位継承順位の変更を主張した学者・八木秀次氏。

岩井氏、八木氏は、天皇の御即位に際して、過去の自らの言論の過ちを認めたのでしょうか? 或いは時代に迎合して、説明もせず、そのままスルー? 


有識者会議に関する質問に対する政府答弁書 ― 現在の皇位継承順位を前提にしないと示す (40552)
日時:2021年04月23日 (金) 17時49分
名前:tapir

去る4月8日、退位特例法の附帯決議に応える為の有識者会議に関し、国民民主党の山尾志桜里衆院議員から、以下の3点について質問主意書が政府に提出されました。 ((40296)参照)

これに対して4月20日、皇位の安定的継承を検討する有識者会議における議論は、「現在の皇位継承順位を前提にしない」との政府見解が答弁書として示されました。


現在の皇位継承順位は皇嗣の秋篠宮様が第一位ですが、皇室典範が改正されれば、その順位が変更になり、愛子様が皇太子になって継承順位第一位になることも、有識者会議で検討されるということが示されました。このことについて、4月13日の投稿でも取り上げました。現在の継承順位を変えることも検討できることが、政府答弁で示されたので、安心しました。


質問の趣旨と、政府の答弁書はおよそ次の通りです。高森明勅氏ブログより引用します。

https://www.a-takamori.com/post/210422


++++++以下引用+++++

[質問の趣旨]

@皇位継承の順位について、「現在の順位を変えない」ことが前提になっているのか?

Aヒアリングの聴取項目に「(現在、皇族でない)皇統に属する男系の男子」とある(項目9)のは、いわゆる旧宮家に限定されないように読み取れるが、どのような対象を想定しているのか?

B今後のスケジュールについて。


これに対し、政府から4月20日に答弁書が示された。回答はおよそ以下の通り。


@「(附帯決議に示された課題について)予断を持つことなく議論していただきたいと考えている」。


A「具体的なものが念頭に置かれているものではない」


B「落ち着いた議論をしっかり行っていただきたいということで、スケジュールというものを具体的にお示しをしているわけではございません。そうした進め方を含めて、会議のメンバーの皆さんに、附帯決議も前提によくお考えいただきたい」(加藤勝信内閣官房長官、令和3年3月26日、参院予算委員会)との答弁の通り。


(「政府答弁書、有識者会議は現在の皇位継承順位を前提にせず!」2021.4.22【高森明勅公式サイト】https://www.a-takamori.com/post/210422

+++++++++引用終わり+++++++++

@について

予断を持つことなく、というのは、前もって判断することなく、という意味です。すなわち、現在の皇位継承順位を変えることも議論できるということになります。

現在の皇位継承順位は皇嗣の秋篠宮様が第一位ですが、皇室典範が改正されれば、その順位が変更になり、愛子様が皇太子になって継承順位第一位になることも、有識者会議で検討されることになります。

国民の80%が天皇直系の愛子様が天皇になられることに賛成しています。現在の皇室典範でも、直系のお子様優先という精神で構成されています。

直系長子のお子様が、男性だけでなく女性でも皇位継承できるという典範改正が、皇室の存続と安泰のための最良の策であると思います。そのような改正が実現することを心から願っています。

Aについて

政府答弁では、旧宮家系男子に関する質問に対して、

『具体的なものが念頭に置かれているものではない』

と、体的な対象者が念頭に置かれていないことが、はっきりと示されました。

高森氏は、次のように述べています。

『有識者会議の聴取項目に取り上げられているのは、従来唱えられて来たいわゆる「旧宮家案」ではない。旧宮家系男性に限定せずに、皇統に属する男系の国民男性を広く皇籍取得の対象とし得るプランだ』


「皇統に属する男系の国民男性を広く皇籍取得の対象とし得るプラン」であり、いわゆる「旧宮家案」に限定しないということです。

どこからそういう国民男性を探してくるのか私には見当がつきません。今上天皇のはるか遠いご親戚の一般国民の男性が歴代天皇の男系の血筋を引いていることにどれほどの意味があるのか、そういう男性が、皇族との婚姻を介さずに皇室入りしてよいのだろうか、との素朴な疑問が起こります。

皇位継承を巡る有識者会議第2回ヒアリング―傾聴すべき女系容認の意見 (40573)
日時:2021年04月24日 (土) 14時45分
名前:tapir

去る4月21日、皇位継承を巡る有識者会議の第2回ヒアリングが実施されました。有識者としては、3回目です。(1回目は顔合わせでした)

今回は、女性天皇を認めるべきとの意見が多数であり、女性宮家の創設を求める声も上がりました。うち2人からは女系容認の意見も示されました。

ヒアリングの模様について、歴史の専門家ら4人の名前と意見の概要が東京新聞ウェブ版に報道されています。以下に引用します。


++++++++++++引用はじめ+++++++++++++++


『政府は21日、安定的な皇位継承策を議論する有識者会議(座長・清家篤前慶応義塾長)の第3回会合を開き、歴史の専門家ら4人からヒアリングを実施した。女性天皇を認めるべきだとの意見が多数出たほか、女性皇族が結婚後も皇室に残る「女性宮家」の創設を求める声も上がった。』

(「女性天皇認めるべき」の意見が多数 女性宮家創設の声も 皇位継承策の有識者会議)
2021年4月21日 20時04分 東京新聞 TOKYO Web

https://www.tokyo-np.co.jp/amp/article/99593


++++++++++++引用終わり+++++++++++++++


東京新聞によれば、ヒアリングを行った4人と各意見の要点は以下の通りです。

○今谷明(いまたに あきら)・国際日本文化研究センター名誉教授(日本中世史)
意見:女性宮家は「早く創設」すべき、父方が天皇の血筋を引く男系の男子に限定する継承資格を、女系や男系女子に広げるかどうかの結論を出すのは時期尚早。

○所功(ところ いさお)・京都産業大名誉教授(日本法制文化史)
意見:男系男子を優先しつつ、一代限りで男系女子まで認めるのは「可能であり必要」。

○古川隆久(ふるかわ たかひさ)・日本大学文理学部教授(日本近現代史)
意見:母方に血筋がある女系天皇に賛成。女性天皇は安定的な継承策の「抜本的な解決策とならない」と指摘、女系容認とセットなら賛同。

○本郷恵子(ほんごう けいこ)・東大史料編纂所所長(日本中世史の専門家)
意見:女系、女性天皇いずれにも賛意を示す。

神道学者・高森明勅氏がブログで本郷恵子氏の説明資料から傾聴すべき点を引用しています。同ブログでは、古川隆久氏の説明資料についても簡単にコメントしています。


++++++++++++++++++引用はじめ+++++++++

『本郷氏の説明資料から。


「〔皇位継承資格を男系男子に限定する現在の制度について〕今日の家族観や性別についての考え方からすれば、男女の別のみにもとづいて、このような身の振り方を分けるやり方には疑問を感じざるをえない」


「〔内親王・女王に皇位継承資格を認めることについて〕少数であれ、天皇位に就いた女性がいたという事実は、たとえば他の大臣・大納言のような役職には決してみられないものである。天皇は…必ずしも女子を排除する存在ではないと考えられる。


また、中世には内親王が、皇室領の継承者・天皇家の構成員の庇護者としてあらわれるなど、確固たる役割を担った事例がみられる。このような歴史的事実を踏まえれば、内親王・女王への皇位継承資格の拡大という措置は、驚くべき展開ではなく、一定の根拠をもつものと理解することができる」


「〔皇位継承資格の女系への拡大について〕女性皇族に皇位継承資格を認めるのであれば、男性皇族と同じ条件で処遇するのが論理的な筋道にかなったやり方である。皇位継承資格の女系への拡大は当然であろう。…女系による皇位継承は先例のないことではあるが、長きにわたる天皇の歴史を十分に理解したうえで、新しい段階に歩を進める決断をすることは、伝統を更新し、その価値を再認識する意義を持つであろう」


「〔皇統に属する国民男性の皇籍取得について〕旧宮家が皇籍を離脱して以来、すでに70年以上が経過しており、国民にとっては全く遠い存在となっている。皇統に属する男子というだけでは、皇位継承資格者として現在の女性皇族を上回る説得力を持つとは考えられないのではないだろうか。


また…〔養子縁組や別に皇籍を取得する場合〕いずれにしても、皇統に属する男系の男子のなかから、なんらかの選択を行うことになるだろうし、当事者の側の希望や事情なども勘案する必要があるだろう。…厳密な血統継承には人智を超えた部分があり、(婚姻によって皇族となる場合を除き)選択や希望の結果として皇族になるというのは、そぐわないのではないだろうか」


「天皇制は、明確な検証を経ないまま続いてきた。この機会に女性・女系への継承資格の拡大が実現すれば、国民たる私たちは、天皇制の存続について非常に重要な決定を行ったという、大きな自信を持つことができるのではないだろうか」


傾聴すべき指摘が含まれている。


古川氏の説明資料も、もとよりそのまま支持し難い箇所も見掛けるが、興味深い。同資料の脚注に、平成17年6月8日の皇室典範有識者会議のヒアリングでの私の意見陳述を取り上げて戴いたのは光栄だ。』

「4月21日、皇位継承有識者会議ヒアリングでの女性・女系容認論」2021.4.24【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/post/210424

++++++++++++引用終わり+++++++++++++++



中世史専門家の本郷氏の指摘はそれぞれ傾聴すべきことが述べられていると私も思います。要点を私なりに書き出してみます。

@ 少数であれ、天皇位に就いた女性がいたという事実は…天皇は…必ずしも女性を排除する存在ではない。

A 中世には内親王が[天皇家において]確固たる役割を担った事例が見られ、この歴史的事実を踏まえれば内親王・女王への皇位継承資格の拡大は一定の根拠を持つと理解できる。

B 女性皇族に皇位継承資格を認めるのであれば男性皇族と同じ条件で処遇するのが論理的筋道にかなったやり方であり、皇位継承資格の女系への拡大は当然である。

C 女系による皇位継承は先例のないことであるが、天皇の歴史を十分に理解したうえで、新しい段階に歩を進める決断をすることは、伝統を更新し、伝統の価値を再認識する意義を持つ。

D 旧宮家が皇籍を離脱してすでに70年以上が経過しており国民にとって遠い存在になっている。皇統に属する男子というだけでは、現在の女性皇族を上回る説得力を持つとは考えられないのではないか。

E [養子縁組や皇籍を取得する場合]皇統に属する男系男子のなかからなんらかの選択を行うことになり、当事者の側の希望や事情を勘案する必要がある。

F 厳密な血統継承には人智を超えた部分があり、(婚姻によって皇族となる場合を除き)選択や希望の結果として皇族になるというのは、そぐわないのではないか。

G 天皇制は、明確な検証を経ないまま続いてきたが、この機会に女性・女系への継承資格の拡大が実現すれば、国民たる私たちは、天皇制の存続について非常に重要な決定を行ったという、大きな自信を持つことができるのではないか。

[tapir感想]

特にGは重要な指摘だと思いました。天皇制とは何なのか、なぜ必要なのか、それとも不要なのか、なぜ2681年(皇紀)も続いて来たのか。天皇制はなんとなく必要だろうと思いながら、国民全体でその必要性を検証するということは、日本の歴史始まって以来のことではないでしょうか。

このたび、国民が天皇制を今後も存続させるという意思を持ち、皇統継承について重要な決定に関与することによって自信を持つことができるとしたら、それはとても価値と意義のあることだと思います。

敗戦後、日本国に対して自信を喪失した日本人でしたが、今日ではようやく日本の歴史や伝統の価値が再認識されるようになってきました。世界の国々にも、アニメ文化など日本の良いものが発信されています。もちろん、改善すべき点も残されていますが。

天皇、皇室とは日本国民にとって何なのかを深く見直すために、今日の問題が起こってきたのかも知れない、ピンチはチャンスということを思わせられます。

なお、古川隆久氏の説明資料は、以下の通り、ネットに公開されています。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/taii_tokurei/dai3/siryou4.pdf

高森氏は古川氏の資料について「もとよりそのまま支持し難い箇所も見掛けるが、興味深い。」と指摘しています。私はまだ深く読み込んでいなくて「もとよりそのまま支持しがたい箇所」を確認しておりませんが、興味のある方はどうぞご覧ください。

憲法は女系天皇を排除していないというのが 3人の憲法学者らの主流―有識者会議ヒアリング (40876)
日時:2021年05月13日 (木) 15時18分
名前:tapir

5月10日に開催された皇位の安定継承を目指す有識者会議の第4回会合では、憲法学者ら4人からヒアリングが行われました。

4人のうち3人が、憲法は女系天皇を排除していないとの共通理解です。

高森明勅氏の5月11日の公式ブログから引用いたします。



+++++

『国士舘大学特任教授の百地章氏は「女系天皇は憲法違反の疑いがあり許されない」とされた。同氏は以前、「万一の場合には、皇統を守るために、女帝さらには女系の選択ということもあり得る」(『憲法の常識 常識の憲法』)と明言されていた。
その後、変説されたのだろうか。


それに対し、最高裁元判事の岡部喜代子氏は、「女系天皇を認めることが憲法違反であるとの説は採ることができない」と否定されている。
これは政府の見解も同様だ。


但し、「強固な反対」に配慮して、一代限りの女性(男系女子)天皇と女性宮家を主張されたようだ。


京都大学名誉教授の大石眞氏は、男系の伝統を尊重すべきことに触れつつ、「内親王・女王にも皇位継承資格を認めるとともに女系の皇族にも拡大するのが基本的な方向性としては妥当」とされ、東京大学教授の宍戸常寿氏も「憲法第2条の『世襲』は女系を排除するものではなく、国事行為およびそれに準ずる活動は女系の天皇でも可能」と述べておられたようだ。


両氏はそれぞれ、憲法学の主流を代表し得る学者だ。


以上について、現時点での大まかな感想を述べておけば、憲法・法律の専門家としての判断が、専門外の政治や歴史などを中途半端に顧慮することで、少し不透明化しているケースもあるように見受けられる。


男系の“伝統”と言われるものの実態については、これまでの歴史学の研究蓄積について、「やまとごころ(双系〔方〕)」「からごころ(男系)」というキーワードを用いて、私なりに整理したブログを以前、書いている(2月5日)。

https://www.a-takamori.com/post/210206



「強固な反対」をどう評価するかは、皇位の安定継承へのリアルな探究と、多くの皇室を敬愛する国民の思いに従って、結論を出すべきことだろう。


いずれにせよ、百地氏の孤軍奮闘は貴重ながら、憲法が女系を頑なに排除するものでは“ない”ことが、権威ある専門家の共通理解として、改めて確認されたことは意味がある。』

(『憲法は「女系天皇」を排除していないとの理解が憲法学者の主流』2021.5.11【高森明勅公式サイト】https://www.a-takamori.com/post/210511

+++++



憲法学者ら4人の肩書、氏名、意見要点は以下の通りです。

@ 国士舘大学特任教授 百地章氏

「女系天皇は憲法違反の疑いがあり許されない」
*高森氏は、百地氏は以前、「万一の場合には、皇統を守るために、女帝さらには女系の選択ということもあり得る」(『憲法の常識 常識の憲法』)と明言していたが、その後、変説したかと疑問を呈しています。

A 最高裁元判事 岡部喜代子氏

「女系天皇を認めることが憲法違反であるとの説は採ることができない」。

B 京都大学名誉教授 大石眞氏

男系の伝統を尊重すべきことに触れつつ、「内親王・女王にも皇位継承資格を認めるとともに女系の皇族にも拡大するのが基本的な方向性としては妥当」とする。

C 東京大学教授 宍戸常寿氏

「憲法第2条の『世襲』は女系を排除するものではなく、国事行為およびそれに準ずる活動は女系の天皇でも可能」と述べていたようだ。


憲法が女系を頑なに排除するものではないことが、百地氏以外の3人の専門家の共通理解であったことが改めて確認されたとのことです。


このことを時事通信社等が報道しています。記事タイトルは『「愛子天皇」論は憲法無視 皇位継承で百地氏主張』とされています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f8b64a0bfe15c1791b40d254492b2dbd117af1d4


この記事タイトルが偏向していると読者がコメントで苦情を述べています。

『「愛子天皇」論は容認できると75%の法律家解答』

となるべきではないかとのことで、まともな意見だと思い、いいね!を押しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f8b64a0bfe15c1791b40d254492b2dbd117af1d4/comments

4人のうち、1人の意見だけをタイトルにして、他の3人の意見を無視するのは不公平ですね。

多数の国民の意見を反映して「愛子天皇」をぜひ実現していただきたいと思います。

旧宮家案は憲法が禁じる「門地による差別」― 憲法第14条違反の疑義ありとの学者の見解 (41069)
日時:2021年05月23日 (日) 18時36分
名前:tapir


男系男子限定を主張し、女系容認を断固拒否する人々が、主唱する旧宮家案。昭和22年に皇籍を離脱した旧宮家系子孫の男系男子を皇族に復帰させるという案です。

男系男子限定継承を主張する人々の頼みとする旧宮家案について、憲法学会を代表する2人の学者から、「門地による差別」という憲法上の疑義があるとの指摘がありました。

5月10日に開催された皇位の安定継承を目指す有識者会議の第4回会合において、現在の憲法学会を代表する2人の学者(京都大学名誉教授の大石眞氏、東京大学教授の宍戸常寿氏)が、「旧宮家案」(更に旧宮家に限らず、皇族ではない皇統に属する男系の男子に広く皇籍取得を可能にする案)に対し、揃って憲法が禁じる「門地(もんち)による差別」に当たるとして、憲法違反の疑いがあることを指摘されました。

これは私にとっても衝撃的なニュースでした。

旧宮家系の男子、竹田恒泰氏が、テレビの討論番組で討論相手に向かって「あなたと私は血筋が違う!」と叫んだことに違和感を覚えていました。が、その言葉が門地による差別につながることに思いが至りませんでした。

男系男子固執派の論者の一部が人種差別的な言葉、女性差別的な言葉を口にすることが多いのも、そういう理由によるのかと思い当たりました。

憲法が禁じる「門地による差別」に該当する条文は以下の通りです。


+++++++++++

「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的関係において、差別されない」(第14条第1項)

++++++++++++

学校で習ったことを思い出します。実社会で色々な差別を見聞きしますが、先の竹田氏の言葉に感じた強烈な違和感はこの理想を大きく逸脱していたからだと分かりました。

旧宮家案が「門地による差別」との憲法学者の指摘について、高森明勅氏のブログから引用します。


+++++++引用はじめ++++

旧宮家案は憲法が禁じる「門地による差別」という決定的な指摘

5月10日に開催された皇位の安定継承を目指す有識者会議の第4回会合。


“憲法上の検討”を中心課題としたので、他の回とは異なる重要性を持つ。


そこで、現在の憲法学界を代表する2人の学者(京都大学名誉教授の大石眞氏、東京大学教授の宍戸常寿氏)が、「旧宮家案」(更に旧宮家に限らず、皇族ではない皇統に属する

男系の男子に広く皇籍取得を可能にする案)に対し、揃って憲法が禁じる「門地(もんち)による差別」に当たるとして、憲法違反の疑いがあることを指摘された。

この事実は重大だ。


参考までに、それぞれが提出された「説明資料」から、関連箇所の一部を掲げておく。


「(上記の案は)一般国民の間における平等原則に対して『門地』などに基づく例外を設け、『皇族』という継続的な特例的地位を認めようとするものである。そうすると…憲法上の疑念があると言わざるを得ない」(大石眞氏)


「法律(皇室典範)等で、養子たりうる資格を皇統に属する(皇族ではない)男系男子に限定するならば…一般国民の中での門地による差別に該当するおそれがある。

さらに、仮に旧11宮家の男系男子に限定する場合には、皇統に属する(皇族ではない)男系男子の中での差別に該当するという問題も生じる」


「内親王・女王との婚姻を通じた皇族との身分関係の設定によらず、一般国民である男系の男子を皇族とする制度を設けることは…門地による差別として憲法上の疑義があると考える」(宍戸常寿氏)


念の為に、憲法の該当条文を引用すると、以下の通り。


「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的関係において、差別されない」(第14条第1項)


「国民平等」の原則を定めた条文だ。この例外は唯一、憲法第1章に基づいて国民とは立場を異にする、天皇・皇族“のみ”。


皇統に属する男系の男子は旧宮家系に限らず、国民の中に多くいる。

しかし、皇族でない以上、この条文自体が改正されない限り(たやすく改正されるとは考え難いが)、例外扱いは許されない。


なお、「門地」とは一般に「家柄。家格」)(『明鏡国語辞典〔第2版〕』)のこと。


憲法の注釈書には以下のように説明している。


「『門地』とは『うまれ』あるいは『家柄』の意味で、正確にいえば、出生によって決定される社会的な地位または条件をいう」(宮澤俊義氏、コンメンタール)と。


旧宮家系男性(あるいは、広く皇族ではない男系の男子)の場合、まさにこれに該当する。

政府が密かに、旧宮家案を早々と現実的な選択肢から除外した最大の理由は、実はこの点にあったのかも知れない。

[『旧宮家案は憲法が禁じる「門地による差別」という決定的な指摘』2021.05.15 高森明勅公式ブログ https://www.a-takamori.com/post/210515 ]

+++++++引用終わり+++++++


○大石眞氏の指摘:

「(上記の案は)一般国民の間における平等原則に対して『門地』などに基づく例外を設け、『皇族』という継続的な特例的地位を認めようとするものである。そうすると…憲法上の疑念があると言わざるを得ない」


○宍戸常寿氏の指摘:

「法律(皇室典範)等で、養子たりうる資格を皇統に属する(皇族ではない)男系男子に限定するならば…一般国民の中での門地による差別に該当するおそれがある。

さらに、仮に旧11宮家の男系男子に限定する場合には、皇統に属する(皇族ではない)男系男子の中での差別に該当するという問題も生じる」


「内親王・女王との婚姻を通じた皇族との身分関係の設定によらず、一般国民である男系の男子を皇族とする制度を設けることは…門地による差別として憲法上の疑義があると考える」


門地とは:

「門地」とは一般に「家柄。家格」)(『明鏡国語辞典〔第2版〕』)のこと

憲法の注釈書には以下のように説明している。
「『門地』とは『うまれ』あるいは『家柄』の意味で、正確にいえば、出生によって決定される社会的な地位または条件をいう」(宮澤俊義氏、コンメンタール)

[感想]

大石眞氏は、

一般国民の間の平等原則に「門地」に基づく例外を設けて「皇族」という特例的な地位を認めると、…憲法上の疑念がある。


という意見だと思います。


宍戸常寿氏は、

皇室典範等で、皇族の養子になれる資格を皇族でない皇統に属する男系男子に限定するなら、…一般国民の中での門地による差別に該当するおそれがある。

仮に旧11宮家の男系男子に限定するなら、皇統に属する男系男子の中での差別に該当するという問題も生じる

内親王・女王との婚姻を通じた皇族との身分関係の設定によらず一般国民である男系の男子を皇族とする制度を設けることは…門地による差別として憲法上の疑義があると考える

という意見だと思います。


まとめますと、

「内親王・女王との婚姻を通じた身分設定以外で、一般国民である男系男子を皇族とする制度を設けることは、門地による差別として、憲法上の疑義がある」

ということだと思います。


内親王・女王との婚姻が無いのに、一般国民である男系男子を皇族とする制度を設けることは憲法上の疑義がある、すなわち旧宮家の子孫だから、制度を設けて皇族になっていただくということは、憲法上の疑義があるので、実現の可能性が無いという憲法学者の意見だと思います。

竹田恒泰氏の「あなたと私は血筋が違う!」は、旧宮家系男子皇籍復活が門地による差別になることを、別の面から端的に表現した言葉だったのですね。

「家格」、「家柄」、「うまれ」、「血筋」、あるいは性別、人種で人を差別するのは、旧来の陋習だと思います。人々を苦しめる悪しき慣習にこだわるのはやめて、差別のない、誰もが伸び伸びと暮らせる世の中にしたいものです。

合掌

憲法上「女系天皇」容認と加藤官房長官が答弁 (41225)
日時:2021年06月04日 (金) 19時41分
名前:tapir


6月2日の衆議院 内閣委員会で、皇位の安定継承に関する質疑が行われ、加藤勝信官房長官が玄葉光一郎議員の質問に対し、「憲法上は女系継承も可能」との旨の答弁をされました。また、旧宮家の皇籍復帰について意思確認をする考えはないことも答弁されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a4403b45bb8da76e9c42043a43dd720051fe556b

このことについて、以下のサイトに詳しく掲載されています。

「愛子さま 皇太子への道」のサイト
https://aiko-sama.com/archives/5732

「高森明勅公式サイト」
https://www.a-takamori.com/post/210603


私も、「愛子さま 皇太子への道」サイト文中にリンクが貼られていたyou tube、6月2日の国会中継を視聴しましたが、なかなか興味深いものでした。


加藤官房長官が、はっきり答弁できないでコメントを控えた質問が、以下のように何点かありました。

・有識者会議はいつ頃を目途に検討結果をまとめられるのか
・念のための確認だが、非嫡出への継承は論点になりうるのか
・新・旧皇室典範では、養子が禁止となっているが、今後、論点になりうるのか

などです。


その中で、@憲法第2条の「世襲」には男系、女系両方が含まれるとの政府見解を改めて明言したことと、A旧宮家系の皇籍取得について意思確認をする考えはないことについて明言したことの意味は、小さくありません。


@憲法第2条の「世襲」は男系、女系両方が含まれる。 すなわち憲法上は女系継承も可能であることを、政府自体が理解している

A旧宮家系の皇籍取得について、意思確認をする考えはないと、繰り返し明言した。

ことが、確認されました。

日本国憲法「第一章 天皇 第2条」の条文は以下の通りです。


++++++

第2条 【皇位の継承】
 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

+++++


条文の「世襲」には男系、女系両方が含まれるというのが政府見解です(従来通り)。

有識者会議のヒアリングでは、『女系は違憲』という旨の発言をした学者(百地章氏)が一人だけいましたが、政府としては、百地氏の見解は採らないと、ここで明言したわけです。

これで、憲法を改正しなくても、「皇室典範」だけ改正すれば、女系天皇の継承が可能になることが、改めて確認されました。

旧宮家系の皇籍取得については「門地の差別」にあたるとして、憲法上の疑義が、複数の憲法学者から提示されています。
https://www.a-takamori.com/post/210515

「門地の差別」について、前のスレッドでも取り上げています。

旧宮家系の皇籍取得に対する憲法上の疑義について、百地氏は有識者会議出席者の質問に答えて、(旧宮家系の方々は)「一般国民とはやや違った立場にいらっしゃる方々」と苦しい説明をしていました。
https://www.a-takamori.com/post/210601

しかし、「国民平等の原則の例外とされるのは唯一、第1章(第2条も含む)の適用を受ける天皇・皇族だけ」なのです。
https://www.a-takamori.com/post/210526


「一般国民とはやや違った立場にいらっしゃる方々」などという、法的に全く無効な曖昧な概念を創作して、皇位継承という重大問題を決めるなど、とんでもない話です。

百地章氏が孤軍奮闘して主張する「女系天皇は憲法上問題がある」との意見が政府見解と異なることが加藤官房長官の答弁で、いっそう明確になったということです。

玄葉議員はよい質問をしてくれたと思います。野党には、政権が取得できなくても、与党の軌道修正の役割があります。そういう点で、これからも頑張ってほしいと思います。

孤軍奮闘する百地氏に希望を託す男系派は、将棋でいえばとっくに「詰んでいる」としか、思えません。

男系に固執する方々は、理性を働かせて、現実を見つめてほしいと思います。

皇位継承を巡る有識者会議第4回ヒアリング―4人中3人が女系容認 (41282)
日時:2021年06月07日 (月) 16時48分
名前:tapir

皇位継承を巡る有識者会議第4回ヒアリング―4人中3人が女系容認

皇位の安定継承の対応について、2004年(平成16年)12月27日に皇室典範に関する有識者会議が設置され、2005年(平成17年)1月より17回の会合を開き、同年11月24日には皇位継承について「女性天皇・女系天皇(母系天皇)の容認、長子優先」を柱とした報告書を提出されました。それ以来、足踏み状態が続いていましたが、今年になって改めて有識者会議が設置され、ようやく事態が動き始めました。

5月31日には、第5回会合が開かれ、第4回目のヒアリングが行われました。

共同通信によれば、海外王室や歴史の専門家ら4人から意見を聴取し、このうち3人が女性天皇に賛成。女系天皇にも前向きな意見が相次いだとのこと。政府は次回6月7日の会合で専門家からの意見聴取を終了すると明らかにしました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e5e5fa1edae5b80e539557b7ec5adc8d8ebca88e

NHKによれば、来月7日の会合では芥川賞作家の綿矢りささんや漫画家の里中満智子さんらから意見を聴くとのことです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210601/k10013061371000.html

共同通信によれば、ヒアリングを行った4人と各意見の要点は以下の通りです。

○君塚直隆(きみづかなおたか)・関東学院大教授(英国政治外交史)
意見:父方が天皇の血筋を引く男系の男子のみが継承する現行制度を改め、男系女子と女系を認めるべきだと主張。継承順位は男女問わず第1子を優先すべき。

○曽根香奈子(そねかなこ)・日本青年会議所監事
意見:男系女子に関し「一時的に必要な時は可能」とし、女系は「新たな王朝、国家を開くことになる」として反対。

○橋本有生(はしもとゆき)・早稲田大法学学術院准教授(家族法)
意見:天皇の子や孫に当たる女性皇族「内親王」への資格拡大に賛成。「女性天皇は過去にも存在し、伝統の観点からも否定されない」と説明した。女系も「国民意識の変化によっては女系天皇の可能性も十分に論じる余地がある」。

○都倉武之(とくらたけゆき)・慶応大准教授(近現代日本政治史)
意見:男系女子について「法的な条件が整えば容認に賛成」と強調。女系についても「最後の選択肢として継承の道を確保しておくことも今後の在り方だ」。


男系女子について4人全員が賛成、女系についても3人が賛成又は前向きな意見で、1人が反対です。

反対意見(曽根香奈子氏)の資料は未だ読んでいませんが、『女系は「新たな王朝、国家を開くことになる』との記事を見る限り「皇室に姓が無い」ことの意味を理解していないのだろうと思います。


古代支那、西欧では、王朝があり、それぞれの姓がありました。

漢の姓は「劉」、宋は「趙」、明は「朱」

西欧でも、ロシアのロマノフ王朝、フランスのルイ王朝、オーストリアのハブスブルグ家、ハノーバー家、ヨーク家、ランカスター家など。

しかし日本の天皇には姓がありません。

上皇后・美智子さまは『橋をかける』『バーゼルより』など何冊か素晴らしいご著書を執筆されています。『橋をかける』の表紙をみますと著者名は「美智子」としか書かれていません。

美智子様の旧姓は正田です。皇室に入られて皇族になられると戸籍がなくなり、皇統譜にお名前が記載されます。そのときに姓がなくなります。

男性が女性皇族と結婚され皇室に入られますと同様に姓がなくなります。仮に、田中太郎さんが皇族になられれば「太郎」さまになります。そもそも婿入りするということは自分の姓を妻の姓に変えるということです。その上、皇室には姓がないので、結婚前の「姓」が何らかの影響を及ぼすなど絶対にあり得ないことです。

新たな王朝になるとの意見は、日本の皇室に姓がないという日本独自の特色を正しく理解していれば、出て来ない発想です。専門家を名乗るなら不勉強のそしりは免れません。

君塚直隆氏は、昨年11月25日に参加したシンポジウム「皇位の安定継承に向けて」の登壇者のお一人でした。

当時私は次のように、シンポジウムの感想をまとめました。


“君塚氏は、関東学院大学教授で、史学博士、専攻は世界の王室研究など。主要著作は『エリザベス女王』『現代世界の陛下たち』など、世界の王室研究者です。

皇族の減少(日本)や、「ヨーロッパのほとんどの王室が「絶対的長子相続制」に移行していることを話され、最後に、現イギリス女王エリザベス2世の配偶者であられるエディンバラ公(99歳)のお言葉を引用して、「21世紀は国民の支持あっての王室」で「時代に即した変革も必要」だと話されました。当日渡された君塚直隆氏が用意されたレジュメから、エディンバラ公の言葉を引用します。

「ヨーロッパの君主制の多くは、その最も中核に位置する、熱心な支持者たちによってまさに滅ぼされたのである。彼らは最も反動的な人々であり、何の改革や変革も行わずに、ただただ体制を維持しようとする連中だった」(エディンバラ公の言)

エディンバラ公は99歳、ギリシャ王室の出身で、ギリシャ王室廃止(1974年)を目の当たりにされてのお言葉には重みがあります。他の王室が滅びた理由も十分に調べられた上でのご発言だと思います。ギリシャ王室は1974年、国民投票により廃止されました。国民の大多数が「廃止」に投票したのは、国民の心が、王室から離れていたからです。エディンバラ公は、国民離反の原因が、「君主制の中核に位置する熱心な支持者が、改革・変革を行わず、体制の維持だけを考えた」からだと喝破しています。”


エディンバラ公はシンポジウムの時は御存命でしたが、本年4月9日に99歳で薨去されました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


曽根氏の意見が代表する男系派は、ヨーロッパの君主制を滅ぼした「熱心な支持者」、「改革、変革を行わず古い体制の維持だけを考える」人々だと思います。


明治天皇の五か条の御誓文の4番目、5番目のご文章を思い出します。


+++

一、旧来の陋習(ろうしゅう)を破り、天地の公道に基づくべし。

一、 智識を世界に求め、大いに皇基(こうき)を振起(しんき)すべし。

[文の意味]

一、 これまでのような、かたくなな習慣を打破して、普遍性のある道理に基づいて進め。

一、 知識を世界の先進国に求めて、天皇の大業を振興せよ。

(『明治天皇御製 教育勅語 謹解』 明治神宮社務所)

+++


もはや男系男子限定の皇位継承に固執するのは「旧来の陋習」にほかなりません。明治以来のかたくなな習慣「男系男子固執」を打破して、普遍性のある道理「双系継承」に基づいて勇気を出して前進いたしましょう!

「皇基」は「天皇が国を治める基礎」の意味ですが、国民とともに歩まれる皇室であることを思えば、天皇と国民が心を一つにして歩む日本国の基礎のことであると思います。知識を世界に求め、他国の王室の良いところを取り入れて、天皇と国民が一つになって日本を盛り立てて行きましょう。

そして世界の人々の安らかさと幸せに、益々貢献できる日本を築いて参りましょう!



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