東は東、西は西 〜人の評価は変わり続ける〜 (69078) |
- 日時:2025年01月12日 (日) 20時11分
名前:梶猛弩
ラドヤード・キップリングと言えば、ディズニーアニメ“ジャングル・ブック”の原作者で、勇気や元気をもらえる冒険譚を描いた児童文学作家というイメージで語られます。 ただ、彼の軌跡を辿ってみると、英国覇権主義や白人優位的な作家と看做されていたのが、死後、評価が大きく変わり、蔑視される側だった民を感受性を持って受け止め、西洋と東洋の融和に大きく貢献したと再評価され、現在に至っていることが、強く印象に残っています。
ノーベル文学賞を受賞した作家であるにも関わらず、無学の私が“ジャングル・ブック”の他に、即座に思い出せるのは“東は東、西は西”という詩だけですが、この作品が彼の評価の変遷を端的に表しているのが興味深いです。
“東は東、西は西”
東は東 西は西 決して出会うことは無かったはず 神の偉大なる裁きの場に 大地と大空が並び立つこのときまで
もはや 東はない 西もない 国境も、血統も、生誕の地もない 確固たる信念を持った彼我が相まみえたのだから 喩えこの世の最果てからやって来たとしても
ラドヤード・キプリング
“The Ballad of East and West"
Oh, East is East, and West is West, And never the two shall meet, Till Earth and Sky stand presently At God’s great Judgment Seat;
But there is neither East nor West, Border, nor Breed, nor Birth, When two strong men stand face to face, Though, They come from the ends of the earth.
Joseph Rudyard Kipling
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