歌帖楓月 |
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魔法をかけられたガイガー管理官(25歳 男): ベリーロールベリーロール。 ベリーロールベリーロール!
ブルックリン(24歳男 ガイガーの部下): 皆さんこんにちは。管理官は、前回の短編で悪さをし過ぎて、良い魔法使いに魔法を掛けられてしまいました。
ジェニファー(23歳女 同じくガイガーの部下): 因果応報です。いらっしゃいませ、皆様。
ブルックリン: しかし、管理官の悪さの一端でもある、この番外編「書類の取り合い」一部リークは……これ連載みたいになってるから、やめられないよね? ジェニファー?
ジェニファー: そうね。連載になってるからね。必要悪とでもいうのかしら? ではどうぞ。
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「書類の取り合い」その14
朝の情報管理課。ガイガー管理官は、いつも通りだが、いつもよりもなお機嫌良さげな笑いで、友人を迎えた。 「いやーはははは。おはようゼルク中将! 良い朝だね!」 その友人も、にっこりと笑い返す。 「おはよう、ガイガー管理官。書類の提出に来たんだが。珍しいね? 早朝出勤かい?」 「そうとも! あ、珍しいは余計よね? ハハハ、面白いもの見たね? 昨日はね?」 「そうかい?」 ゼルクベルガー中将は、そのままの微笑みで、相手の脳天めがけ、手刀を見舞った。 「いやー、ハハハ」 が、相手も笑顔でそれをずしんと白刃取りにする。 「女の子のああゆうところって、可っ愛いものねーえ? そういうのされると、つい! ねっ?」 「そうかな?」 2度目の手刀にも、白刃取りが決まった。二人、表面上、友好的な笑顔は全く変わらない。ただ、手刀の尋常でない風きり音と、それを受けるズバシイイイッという白刃取りの音が慄然と室内に響き渡って、見て見ぬふりをしている周囲の緊張をいたずらに高めている、のみである。職員全員の目が泳いでいる。 「ハッハッハー。なんだか今日は一方的に僕の優勢で、本当にまったく、気持ちいーい朝だなあーあ!」 「ふうん? 君、それだけのために、早くからこんなところに座ってるんだろう?」 「ハーッハッハ! やだなあ、そんな、気のせいかもよ? でもね、中将、あんまり女の子の嫌がることすると、あんなふうにグウではたかれるからね、グウ! ほどほどに。……って、しまったー! あいた」 5回目の手刀は、ガイガー管理官の手を逃れて、決まった。ものすごい音がしたが、当の本人はそれほどでもなさそうである。どういう頭蓋骨なのか。
そして、彼がいなくなり、管理官は不気味な上機嫌で自分の仕事に取り掛かった。 一方、管理官の部下達は、仕事も手につかなくなっていた。 「怖いよ、中将がなんかするところ、初めて見た」 「生だったよ生。生手刀」 「それをいうなら、うちの上司の生白刃取りも」 「いや、あの人はホラ、ちょっと全体的に人間離れ気味だからさ」 「まあな、たしかに……」 「しかしなあ。手刀って、あんな刃物みたいな風きり音が立てられるんだ? 知らなかったな……」 「……そりゃあ、……軍人さんだから……、鍛えてらっしゃるから……」 ショックのあまり、自分らもその軍人であることを忘れている。 「こわかった。今度するときは、どこか遠くにあるよその課でやって欲しい。 「でもあの人がここの上司である限り。無理だろうなあ」 職員たちは、青いため息を吐いた。 ふふんふんふん、と、上司の不気味な上機嫌の鼻歌だけが馬鹿みたいに響き渡る。
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ガイガー: ベリーロール。
ジェニファー: 今回の話は、管理官絶好調ね。
ブルックリン: 今現在はこうですがね。 では、またお会いしましょう。 おそらく、次回あたりで終わりです。 この「書類の取り合い」ですが、できかけの話ですので、 中途で終わりになりますが。
ジェニファー: この話は、おおむねこんな内容です。 それでは皆様、またお会いしましょう。
ガイガー: さよならー! ……お、治った。
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(80)投稿日:2004年07月24日 (土) 16時17分
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