歌帖楓月 |
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ガイガー管理官(25歳 男): こんばんは、皆さん。 おや、素敵なお嬢さんだ。 人目を忍んで、あなたのガイガーがあなたのためだけに やってまいりましたよ? 書き込みのない掲示板って、何か落ち着かないのよね? だから、 何かのせます!
以下、D.M.B.超番外編「IF」シリーズその1! 「ロイエルとエミリの役目交代! 於『ミスリルマインの紛争解決時』」 なに? 意味が良くわからない? 下の本文読めばわかるはず! ではどうぞー!!!
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キャラクター入れ替え編『もしもロイエルとエミリが逆だったら・・・』
DEEP METAL BATTLE [IF]1
辺境の地ミスリルマイン。広大な湿地帯のなかにその町はある。 「ミッドガルのひ弱な都会人!いいかげんにオウバイ様のことは諦めて、汚ねえ首都に帰るがいいや!」 「そうだそうだ!俺たちゃあ、ヒック、恐いもんなんか、ういい、ないぞー!」 酔っ払った男性が酒屋でわめき散らしている。昼の日中から酒場には大勢の客がいる。どの客にも多かれ少なかれ、負傷した跡があった。 ミスリルマインはここ数年間、世界から注目されていた。特殊紛争地域、国軍対住民の戦いである。紛争の始まった当初は誰も、ここまで戦いが長引くとは思っていなかった。紛争の原因は領主と住民間の土地使用をめぐる問題で、どの地域にも見られる珍しくもないない「いざこざ」であり、国の軍が出向く必要などないはずだった。なのに、こうなってしまったのは、ある老婆の存在が国家に知れたからだったのだ。 「おまえたち!何を騒いでいる!」 真っ青な軍服を着た若い女性が酒場に入り口に立つなり大声を上げた。 「あれまあ、アンネ准将じゃないか、首都に帰ってたんじゃないのか?」 ヒソヒソ声があちこちで上がった。 「うわさの中将がウータイからこっちにきたからじゃないのか?」 「ああ、だからか。いいねえ、恋心かねえ。ひっひっひ。」 その女性は話の一部が耳に入ったらしく、こめかみに青筋をたてた。 「そこ!何を話している!」 酒場は、しん、となった。 「いいか!おまえたち!本来ならば、とうに皆殺しにあっていてもおかしくない身だということ、よく肝に銘じておくんだな。」 高いが迫力のある声でいっきにまくしたてると、青筋をたてたままのアンネ准将は、軍靴の音高く酒場を去って行った。あちこちで忍び笑いがでる。 「ひひひひ、おおこわ。准将の勇ましいこと。」 「やー、勇ましい勇ましい。」 「あんまり勇ましいと、嫁の貰い手いなくなるぞー。へっへっへっへ。」 酒場の男たちは、突然の国軍准将の登場と退場を肴にして、さらに杯を重ね始めた。
「ロイエル、すまないけど今日も頼みますよ!」 町の診療所。中年の医師が、少女に頼み事をしている。 「ウフフフフ!おまかせください!」 金髪巻き毛の可愛らしく清純そうに見える少女が、とても自信に満ちた声で請け合っている。 「そうですか!ロイエルはいつも自信たっぷりで、いいですね!では、いいですか?今日はゼルクベルガー中将がこの地に到着している予定です。彼に、この石を渡してほしいのです。渡すのが無理ならば、石をぶつけて触れさせるだけでもいいんですよ。」 そういうと、まだ若い医師は少女に、親指の先程の小さな緑色の石を手渡した。少女は窓の外に輝く太陽にその石を透かしてみた。すると、石は美しく輝く。ロイエルは大仰に感動した。 「まあ、なんて美しいの!まるで宝石のようだわ!そう、これはきっと、オウバイ様の念がこもっているから、こんなにも気高く美しいのですわね!」 すると、医師も感動して大きく頷いた。 「ええ!絶対にそうですとも!ああ!さすがはオウバイ様!御祖母様、どうぞロイエルをお守りください。」 指を組んで窓辺に向かって祈り始めた医師に対し、少女は楽しそうに笑う。 「おほほほほほ、ドクター、オウバイ様に祈ってくださるなんて、このロイエルにはもったいのうございますわ!私でしたら絶対に大丈夫です!オウバイ様の石を持っているんですから。いつも通り万事完璧ですわ!」 しかし、医師は心配そうな表情になった。 「いいえ、今回来ているゼルクベルガー中将は切れ者だと聞いています。ああそれに、そうだ、彼は穏健な人物だとも聞いています。こちらの話に耳を傾けてくれるかも。」 そんな言葉を聞き、ロイエルは、「ゼルクベルガー・・・」とつぶやいて、視線をさまよわせると、ふと考え込み、そして口を開いた。 「まああ・・・そうですの?それは恐ろしいですわね?でも、話の通じる相手でもありますのね?ところでドクター?そのゼルクベルガー中将という人、何歳くらいですの?男の方?どんな姿なのでしょう?どんな家柄かしら?何時頃ここに到着しますの?」 ロイエルは矢継ぎ早に質問を繰り出した。今度は医師の方が首をかしげる。 「どうしたのです?ロイエル。君が敵を気にするなんて、めずらしいですね。」 「えっ?」 ロイエルは、極上の笑顔で言いつないだ。 「だってドクター。ゼルクベルガー中将は、ミスリルマインにきた軍の人間では珍しく切れ者なんでしょう?それなら、用心のために詳しい情報が必要ですもの。」 ドクターは感心した。 「ほほお。ロイエル、相変わらず作戦家ですねえ。・・・む?しかし、以前来たソイズウ参謀長の時は、そんなこと一言も尋ねませんでしたよね?」 「ほほほほほ!だって、あのときはそんな必要ありませんでしたもの!まったく余裕でしたわ!」 「おおー。そうでしたね!あなたは、あっと言う間に彼を倒してしまいましたものね!強かったですよねえ、ロイエル。」 「ほほほほほ!お褒めいただき光栄ですわ!そう、私、ドクターとオウバイ様の為に、この腕と知識とその他もろもろを磨いてきたんですもの!ソイズウなんて目じゃありませんでしたわ!」 「そうですよね!ああ!いとしのオウバイ様!ロイエルはこんなに忠義心のある立派な子に育ってくれましたよ!じゃ、ロイエル、いってらっしゃい!まかせましたよ!」 ロイエルがいつもどおり、あまりにも自信たっぷりなので、医師は感激し、感涙にむせんだ。 「ええ!あ、ドクター、それで、ゼルクベルガー中将とは、どんな人なんですの?」 「あ、そうですね、そうでした。彼はね・・・・・」 そうして、少女は医師から『敵』の情報を聞き出すと、一層、気合がみなぎったようだった。 「ほほほほほ!では、ロイエル行ってまいります!」 少女はそう言うと、さっそうと窓から外へ飛び出した。ちなみにここは3階である。 「ああ、なんてかっこいいんだロイエル!ああ!我が愛しのオウバイ御祖母様。どうか、ロイエルをお守りください。」 医師は少女が飛び出した窓から空を見上げると、指を組んで祈りを捧げた。
ミスリルマインの住民対領主の紛争は他愛のないものだった。町を取り巻く湿地を埋め立てるか、それともそのままにしておくか。領主は埋め立てようとし、住民の、ほんの一部が埋め立てに反対していた。当初は誰もが、反対する一部の人々のことは無視して、領主と多数派の住民が一丸となって埋め立てを進めるつもりでいた。が。村一番の年寄りらしいが年齢不詳の魔法使いオウバイの反対により、そうはいかなくなったのである。彼女のあやしい呪術のおかげで、村人が大勢洗脳されてオウバイの味方をするようになり、湿地の埋め立ては、はかどらなくなってしまった。湿地にはミドガルズオルムという大蛇が住んでおり、村の出入りは困難となっている。そのため村人と外部の人々との交流や物流はとても難しい。村のための湿地埋め立てなのに、オウバイの反対は、普通に考えるならば非常識な逆ねじ論だ。 領主の館へと、少女は優雅かつしとやかに走った。医師から託された小石を持って。そして、見かけは清純そうにほほ笑みながら、いろんなことを考えていた。 うふふふふ!ドクターの話では、大層若くて有能な指揮官らしいわね!でも、湿地を埋めるなんて、この私がさせませんわ!国軍の兵士なんて、私が片っ端から蹴散らしてやるわ。この、オウバイ様の石と、そして、そう!この私の完璧な美しさと魅力で!それにしても、ふふ、このミスリルマインは過疎の村で、若くて素敵な殿方なんてとっても少ないんですの!・・・ほほほ!ちょうどいい獲物が、私の住む村にやってきた、ということですわね!ほーほほほほほ!
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(82)投稿日:2004年08月22日 (日) 22時55分
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歌帖楓月 |
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ガイガー: まだとっかかり部分だね。 ちょっとめんどうかもしれないけど、本編と読み比べると、面白いかも。
今回掲載分だけだと、つまんないので、 そのうち続きを載せますねー。
それじゃ、夜も更けて来たことだし、僕は帰ります! さよーならー! |
(83)投稿日 : 2004年08月22日 (日) 22時59分
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