歌帖楓月 |
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ガイガー管理官(25歳 男): こんばんは。 僕ね、ちょっとね、疑問に思うことがあるのよね? 聞いてくれる? このD.M.B.ってさぁ、16禁小説ってふれこみでしょ? ソレっぽい描写、今まであったっけか? ねえねえ? 作者に問いたい、問い詰めたい、 ソレっぽい描写は無いのかと。 16禁小説の醍醐味ってのは、ソコにあるんじゃないかと。 ねえねえねえ? もっとこう、ドキドキするような描写って、無いのかと。 これならお前、シンデレラ2の魔女姉さんのやってることの方がまだアレってなもんよ? 三日月国の王子様のやってることなんか、ずばりアレな部分があるってなもんよ?
ゼルク氏には、もうちょっと(いや、かなりか?)頑張ってもらわなきゃー。
……はい、という疑問も、一応、口にしてみたところで、 先週の続き、いってみたいと思います。 ではどうぞー!
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キャラクター入れ替え編『もしもロイエルとエミリが逆だったら・・・』
DEEP METAL BATTLE [IF]1 第3話
「よく集まってくださいましたわ、頼もしい皆さんたち。今日も、ロイエルのお願いがあるの。私が中将の居場所に行き着くまで、皆を眠らせて欲しいの。できるかしら? 皆さん?」 「まかせといて! ロイエル!」 「俺たち、オウバイ様の弟子だよ! あなたは、大船に乗った気持ちでいて!」 少年たちの元気の良い返事に、少女は花咲く笑みで頷く。 「まあっ! ありがとう、うれしいわ。みなさん。……ああっ、でも、あなたたちの身に、もしもっ、万が一にでも危険なことになったら、ロイエル、あなたたちのことがとても心配なの! そうなったら、あなたたち、わたしを置いて、先に逃げて」 「そんな!」 少年の一人が首を振り、優しく言った。 「かよわいロイエルを、そんな危険な場所に置いて行ったりはしないよ? フフ?」 残りの少年らも急いで言う。 「お、俺だって!」 「ぼ、ぼ、僕もだよっ! ロイエル! 君、君さえ無事なら! 僕はなんだって……」 ロイエルは感激し、涙ぐんだ。 「ああ。なんて優しい人達なの皆さん」 「なあに、か弱いロイエルのためさ! それじゃ、いくよ!」 屋敷の裏手、彼ら4人はひそひそと言葉を交わした。4人とも姿が消えている。少年たちがオウバイから学んだ術の一つだ。 「じゃ、皆さん、……また、あとで、ね」 「ロイエル、しばらく心細いだろうけど我慢してくれよ。じゃ、リズの部屋で会おう」「ロイエル、俺に任せて」 「ロイエル、僕、帰ってきたら、き、君に言いたいことが……。あ、あ、それじゃ、リズの部屋で!」 4人はそれぞれバラバラに別れた。 しばらくして、 「う……」 館の人々に異変が起こった。 「うーん」 「はれ? やだ、どおしたのかしら、わたし……ねむい」 皆が眠りに落ちていく。3分もすると、館中寝息だらけになった。 姿の消えたロイエルが館の中を走る。ドクターがああ言っていた、中将はどこ? どこにいるの? きっと今頃、私の忠実なしもべ達がかけた術によって眠ってるはずよ! チャンスだわ! ほほほ! もう何が何でも、抜き差しならない状況に追い込んで、うまいこと中将とゴールインしてしまうのよ! このさい、私がオウバイ不老不死の為のいけにえだってことなんて、どうだって良いことだわ! 私の幸せが第一よ! 他のことなんて、全くの論外だわ! ほほほほほほ! さーあ、待ってらっしゃいな、中将! 「うふふ。バラ色の未来が、近づいていますわ」 ロイエルは眠っている人々の上を身軽にとびこえて階段をのぼった。 2階の廊下には領主の娘が2人仲良くくずおれていた。 「ふふ……」 「やだあ、……うふふ」 楽しそうに寝言を言っている。娘たちの無邪気な寝顔を見て、ホホ、そうやって呑気に寝こけてるがいいわ! その間に、中将は私のモノよ! と、内心で高笑いしたロイエルは、2階の部屋を片っ端から見て回った。 「……む? この部屋にも誰か、いるようね?」 ある部屋では、アンネ准将がひっくりかえっていた。 「……ううーん……。中将、今回の任務……」 アンネ准将は、彼女の事を知る人がいたら、きっと今迄に見たこともないような類いの優しい微笑みを浮かべていた。 「ふううん……。アンネ准将も、中将に気があるのね……。この冷血鉄仮面ヒステリー女までもが」 寝言を聞いてしまったロイエルが、冷たい目で准将を見下ろす。 「私の未来への障害その一だわ。うふ、まあ、この麗しい私に敵なんていないけど、念のために……邪魔者は取り除かなきゃね……」 ロイエルはそう言ってにやりと微笑むと、室内を見回し、油性のマジックを発見した。 「ふふふ、この手の超堅い人間には、これよ!」 きゅきゅきゅ、と、眠るアンネ准将の顔に落書きをしていく。 「『独身街道爆進中! 』……と。そして、泥棒ヒゲと、ほっぺたにナルトマーク。おまけに、鼻水も書いてさしあげるわ。……ほほほ、彼女、立ち直れるかしら?」 そうしているうちに、ロイエルはふと思った。……この館中の若い女って……私と中将との愛の障害物になり得る可能性、あるわけよね? ロイエルは、油性マジックを握り締めたまま、館を徘徊した。若い女ではなかったが、領主婦人を見つけだすと『有閑マダムご意見無用』と、顔に書いておいた。あと、顔のしわをなぞっておいた。 「このババア、実は一番やばいのよね。旦那のほかに何人も男を囲ってるし、変な薬は作りまくってるし……もしか、正体不明のオウバイって、……こいつのこと?」 そして、ひとしきり、屋敷中の女の顔という顔に落書きしまくったあと、ロイエルは、2階から聞こえ続ける水音が気になった。 浴場から聞こえるのかしら? おそらく、この音は、2階の一番東側にある大浴場から聞こえてくるものだ。ロイエルの鋭すぎる勘が、「そこに、何かある!」と告げた。眠っている無防備な人々の山を容赦無く踏み越えて、ロイエルは浴場へ全力疾走した。 ここだわ! 絶対に! 何かあるわ! 大量の水が流れ、排水口に吸い込まれる音がする。 ロイエルは、用心深く浴場の扉を開けた。すると、大量の湯気があふれ出て来た。 悔しいことに……何も見えないわ。 熱湯でも撒き続けない限り、こんなにたくさんの湯気はでないはずだわ。誰か風呂を使ってた、いいえ、その最中で術にかかって寝ているのかもしれないわ。 そこで、ふと、ロイエルは、考えた。「もしも、湯船の中で術にかかって熟睡した人がいて、そのまま溺れて水死してたりしたら……」ま、それは私のせいではなく、オウバイ様のせいよね。彼女のおぼしめしで、私は動いただけだもの。そうそう。私は全く関係ないわね。 ロイエルは遠慮なくずかずかと浴場に足を踏み入れた。
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ガイガー: エミリ版ロイエル、なかなかに胸のすくような活躍ぶりですな。 油性マジック技、僕も見習いたいです。
それでは皆さん、また来週!
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(86)投稿日:2004年09月11日 (土) 20時13分
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