歌帖楓月 |
|
ガイガー管理官(25歳 男): こんばんは! めまいをやりすごしたけれども、まだ何かおかしげな雰囲気な作者が無事なうちに、つづきを載せたいと思います!
え? 「何を言いたいのかわからない」って? ハハハわからなくっても大丈夫!
とにかく、「今なら更新できます!」ってことですよ、美しいお嬢さん?
それではどうぞっ!
:::::::::::::::::::::::::
キャラクター入れ替え編『もしもロイエルとエミリが逆だったら・・・』
DEEP METAL BATTLE [IF]1 第4話
すると、 「誰だ?」 前方から、声が聞こえた。 ! 起きている人がいるわ。しかも、若い男の声! ……中将ね! ロイエルはずんずん歩を進めて、声のした方へと向かう。3人の下僕たちのお陰で、中将以外の館の人間は皆眠りについている。私が仕事を終えたという合図をするまで。私の姿は誰にも見えないはず。そう、見えないのよ! しかも、……お風呂だわ! ふふふ! 「チャンス、ですわ。ほほ」 ロイエルは、口中でそうつぶやき、不敵に微笑んだ。 ロイエルは湯気の向こうにおぼろげな人影を見出し、懐から緑色の小石を取り出した。 が、小石を投げようとしたところで、思い止どまった。 これが当たれば、中将はオウバイの術にかかるのよね? 「……」 ロイエルは、試しに小石を浴場の出口に倒れていた使用人に投げてみた。 こつん 当たった。 「おうばい……さま……おうばいさまぁ……うるわしい……すてき……」 「……」 ロイエルは、沈黙した。 やっぱり! 思った通りだったわ! 石に当たったせいでオウバイの虜になってる。うっかり中将に投げ付けるところだったわ。あぶなかった。 オウバイったら、まったくどういう奴ですの? 万能のオウバイのくせして、せこい方法で中将をたらし込む気だったのね! 許せないわ! ロイエルは、気を取り直して、浴槽の奥へ向かった、 が、 「えっ? きゃああっ!」 引っ繰り返っている使用人から、浴場の奥へと振り返った所で、エミリは何者かに襟首を捕まえられて、浴槽にほうり込まれた。 「いやーんっ! ひどぉいですわー! 予定より早いじゃありませんの!」 どぶん。上がる水柱。 「いやあん! 最低ですわ! 水を飲んじゃいましたわ!」 が、間髪入れず、ザバアアッと、むしろ男らしさすら感じさせるほど勢いよく、ロイエルは浴槽から立ち上がった。 「フッ! なんて手荒い方なの」 それでもって、浴槽の縁に立って自分を見下ろしていたゼルクベルガー中将を、浴槽内へ引きずり込んだ。ロイエルは、可憐だが腹黒い微笑みを浮かべた。 「うふふ。さぁて、この機に既成事実をつくっちゃうんですわ! 私の策略に引っ掛かりましたわね! 中将! ほほほ!」 が、中将も不敵に笑い返した。 「引っ掛かったのは君だ。馬鹿なことを。軍服を着ている人間に対して、君に何ができる?」 浴槽に足は浸かってしまったが、少女より彼の方が力は上だった。再び襟首を掴まれてロイエルは猫のように持ち上げられてしまった。 「なにするんですの! ああっ! 本当ですわ! なんでお風呂にいるのに服着たままですの? やだわ! この服一体どうなってるんですの? ボタンが先なんだかベルトが先なんだかさっぱりわかりませんわ! ……このボタン、どうやってはずすんですの?」 しかし、持ち上げられたままでも、なお、ロイエルは中将に執着していた。 「悔しいですわっ。そうだわ……! 中将、私のお願い聞いてくださいな。その服脱ぐの、ご自分から協力していただけませんこと?」 その上、なんと、いけしゃあしゃあと、そんなすごい事まで頼んでいる。 「……」 呆れ果てて二の句が告げられない中将。苦い顔で目を閉じ、ため息が漏れている。 ロイエルは首をかしげる。 「ねっ? 私、見てお解りのように、19歳の見目麗しい儚げな乙女ですわ? 幸い、今なら屋敷の者は全員眠っておりますわ。こぉんなシチュエーションって、仕組まない限り、ありませんことよ?」 中将は、何も言わずに握っていた少女の襟首をはずした。 ざぶん。 「ごほごほごほ! ぐふっ! ひどおい! げふげふっ! なんてことするんですの?」 浴槽から、お湯を気管に詰まらせて咳き込み、鼻水をたらした顔だけを出して抗議するロイエルに、中将は言葉を返そうとしたが、嫌そうな表情になって、しばし口をつぐんだ。「…………。私が言うのも変だが、役と一緒に名前も変えたほうが、ややこしくなくていいんじゃないかい?」 「そんなこと、いまさら言ったって駄目ですわよ。もう話は進んでますの。……。じゃあ『愛してるよ、エミリ』とか、『エミリが大事だからだよ』とか『昨日のことをおぼえてはいないのかいエミリ? 』って言えます? いやぁん、言ってもらえるなら、私の名前を今からエミリにしましてよ?」 「……何で知ってるんだい?」 「『つて』はいくらでもありますわ」 「……。良い話を聞けたよ。管理官によろしく伝えてくれないかい?」 「いやん。何のことかしら? どうしてそこで管理官が出てくるんですの? ロイエルわっかんなぁい、ですわ。やだわ、話が横道にそれましたわね。……はっくしゅ!」
:::::::::::::::::::::::::
ガイガー: はい。エミリ版ロイエルの狡猾さは、オウバイ様といい勝負です。本編の突込みまでもゼルク氏に対してしてるしね。ソレを受けるゼルク氏も容赦ないです。エミリ嬢もオウバイさまもゼルク氏も、根性のひねくれ加減は、同程度だねえ。こわーい。 それじゃ、今日はこのへんで。 |
(87)投稿日:2004年09月19日 (日) 19時32分
|
|