歌帖楓月 |
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ガイガー(25歳 男): こんばんは! さあさ、続きを、どうぞー! ::::: 「書類の取り合い」その7
「!」 引きつるロイエル。 「なにそれ……!」 「見られて困ることでも書いてあるのかい?」 「そんなこと書かない!」 「なら、大丈夫だろう?」 「それとこれとは、別だわ! 絶対駄目!」 実は、見られては困ることが、多少書いてある。 ひょい、と、中将の手が動いた。ロイエルの背後に手を回す。 「だめっ……! あ!」 あっさり中将の手に、日記が持って行かれた。 「いや! 駄目だったら! 返して! 見るんだったら駄目!」 頬を染めて、必死になったロイエルが声を上げるが、非常に女の子らしい恥ずかしがり方だ。初めて見た。いつもは男らしいということではないが、性格的な清廉さというか真っすぐさが全面に出ているので、こんな印象は受けない。まるで幼児がいやいやをしているようで、メアリやルイセのような部類の可愛らしい反応だ。その上、彼女らのようにわざとやっているのではではない。 「やだっ、返して! やだってば! や!」 ロイエルが、ゼルクベルガーから日記を取り上げようと手を伸ばす。ゼルクベルガーはひょい、と、日記を持つ手を上にあげる。ロイエルがわずかに届かない程度の高さに。 「あ!」 ロイエルはむっとした顔で背伸びする。が、届かない。 「中将の意地悪!」 「じゃ、届いたら返すことにしようか」 にこり、と中将がほほ笑む。 「……、」 ロイエルは上目使いで中将を見上げて、複雑な表情で睨み、そして次にぐっと唇を結んだ。 「……本当?」 ほほ笑みが返る。 「うん」 「……じゃあ、」 ぴょん、と、ロイエルがジャンプした。 ひょい、と、それよりわずかに高く、中将の手が上がる。 「ずるい!」 「ずるい? ずるくないよ。届けば返すと言っただろう? 手を動かさないとは、言っていない」 「そういうとこが、ずるい。……それなら、」 何かを考えたらしいロイエルは、ある行動に出た。 :::::
ガイガー: 何やってんだよゼルク君。楽しそうだなあ。僕も混ぜてくれないかなあ。 はあ……(ためいき)。 たまには、可愛い17歳の女の子をからかってみたいなあ。うちの職場って、あんな感じだし。
ブルックリン登場: こんばんは管理官。今夜の当直は僕なんですよ。聞こえてましたよ?
ガイガー: ZZZ……
ブルックリン: ……。寝たふりしないでくださいよ……。ベタだなあ。 それでは皆さん、今晩はこの辺で。
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(71)投稿日:2004年04月26日 (月) 00時02分
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