歌帖楓月 |
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ガイガー(25歳 男): こんばんは! 先週はお休みをいただきまして、今日また再開です。ふっふっふはっはっはアーハッハッハ
またブルックリン登場: 管理官。笑ってないで載せてください。早く。
ガイガー: おお!? なんで今日も君がいるんだい? 突っこみ役? へえ、君、この話載せるの賛成してたっけ?
ブルックリン: ……。わけのわからない笑い声を上げられるよりは、ましです。それでは皆様、続きをどうぞ。
ガイガー: ぐわ、仕切られた。
::::: 「書類の取り合い」その8
「これもいいんでしょ?」 ロイエルは中将の腕に両手をかけて、上がっている手を下ろそうと試みる。 「考えたね」 中将は感心したようにうなずいた。が、腕は下がらなかった。 力が足りないのだ。全く。そのことにむっとしたロイエルは、手の力でなく、体重を使うことにした。 「わかったわ。いい? 重いわよ? 中将」 とりあえずそう言ってから、ロイエルは飛び上がって中将の腕にぶら下がることにした。が。 「……うそ、」 下がらない。ぶら下がったままロイエルは驚いた。なんで? 何十キロもの体重なのに。 「うそ……」 唖然とするロイエルを見て、面白そうに中将が笑う。 「君が思っているよりも私は力はあるんだよ? 君は体格で力の大小を決めてるようだけど。君くらいなら片手で足りる」 「……じゃ、ソイズウ参謀長よりも……強いの……?」 ロイエルは、過去にミスリルマインで「ソイズウ参謀長」をやっつけたことを誇りに思っていた。彼は巨漢で、声も太くて低く、見た目には「男の中の男」とも言えた。 「さあね。……弱いかもね」 嘘である。彼は文官だった。見かけはあれだったが。 中将は、複雑な表情で瞬きをして考えを整理しているらしいロイエルを抱え上げて、すとんと左肩に座らせた。 「……うそ」 目を丸くするロイエル。 「君くらいなら簡単だよ」 と、面白そうにほほ笑む中将の肩に、乗っているのだ。 「すごい……あたしもこんなふうになりたい」 こんなふうに扱われたのは生まれて初めてだ。ロイエルは、珍しく尊敬した表情で中将に言った。 こんなふうに強いのって、いいな。力が無いと、あんまりいいことないもの。 しかしどうもそれは、感動の方向が、ずれている。当然、抱えている方が苦笑した。 「面白いこと言うね。まあ、鍛えれば、そのうちなんとかなるかもしれないよ?」 ロイエルは眼を輝かせた。 「本当?」 「肩幅が足りないから、人を乗せたりはできないかもしれないがね」 「なんだ。私には無理なのね……」 かくりとロイエルは肩を落とした。 「でも。いいなあ。中将くらい強かったら……」 軽々と持ち上げられたことに驚いたのか、ロイエルはそんなことをさらりと言った。 「へえ、ほめてもらえるとはね」 苦笑する中将の様子を見て、我に返ったロイエルは、自分が何を言ったのかをようやく理解した。 しまった、と思った。 「違う。中将は強いけど……ほめてないわ、私」 否定してみたものの、中将はくすくす笑っている。……なんだか、遊ばれているような気がしてきた。ロイエルは居心地の悪さを感じたが、しかしどう見ても、この二人の様子だと、じゃれ合っているとしか見えない。ロイエル以外には。 渋い顔になったロイエルは、しかしふと、あることに気づいた。 ここなら、簡単に「届く」。 ロイエルは中将の左手に手を伸ばした。そして、 「中将、取れた」
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ガイガー: 次は笑わんどこ。それでは皆様、またお会いしましょう!
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(72)投稿日:2004年05月08日 (土) 18時57分
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