投稿日:2014年12月26日 (金) 19時27分
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みなさん、こんばんは。 今年の暮れも、押し迫りましたね。 総集編やダイジェストが目白押し、たのしみです。
いやぁ、それにしても『ごちそうさん』、久し振りに観ると、おもしろいなぁ。 特に和枝さん、やっぱりいい味を出していますね。 どうせなら、結婚報道後に観たかったなぁ。(笑) ごちそうさん・スピンオフ『ごちそうさんっていわしたい』も、地上波初登場なんですね。 12月28(日)の午後4時から、お時間と興味のある方は、どうぞ。 和枝さんも登場しますよ。(笑)
紅白の審査員は、蓮様に中園さんって、もうアン祭りですね。 ドラマの特別編もつくったりして、昨年のあまちゃん祭りの再現を狙っているのね。(笑) ドラマの性質が違うからね、うまくいくかな。 多くの人が期待している白鳥様、おっと今は勅使河原様か、彼女を中心に、どたばた喜劇に持って行ってほしいなぁ。 みゆきさんと美輪さんの対決は、必見ですね。(笑)
さて、『マッサン』、ようやくウイスキー造りが、描かれるようになってきました。 では今回も、先週の土曜日から振り返っていきましょう。 金曜日、抱き合ったというか、欣次郎が一方的に抱きすくめたこの親子、二人で食事に行ったようです。 そんな簡単に、積年のわだかまりが氷解するかな、なんてうがった見方をしちゃだめなのね。(笑) 一度、心が通じ合うと、親子だもん、すぐに仲よくなれるものなのよね、きっと。
キャサリンが、政春に持ってきたのは、なんと養子の話でした。 いくらなんでも、早いっしょ。 前にも書いたけど、もっと大きな病院で、しっかりと検査してもらわないと。 人生に関わる大問題なんだからね。 本当は、出産する方法があるのに知らされず、子供をあきらめたりしたら、とんでもないことだもんね。
また、その話を、速攻でエリーに伝える政春。 もう、毎週書いてるけど、本当にデリカシーなさすぎ。 相手の立場に立って、その気持ちを思いやる、ということができないのかね、この男は。
養子の話を聞いたエリーは、自分が身を引き、政春に再婚を勧めました。 政春は、もうすぐ、自分たちの夢であるウイスキーが生まれるといい、エリーがそばにいて、一緒に夢を追えたら、何もいらない、と愛を誓いました。 くどいけど、それなら養子の話なんて、聞かせる必要ないっしょ。(笑)
大正13年11月11日、欣次郎の妻が亡くなって丁度10年、その命日に、お披露目会が開催されました。 結局、樽はディスプレイとして並べられたのね。 政春の立場が、なくなっちゃったね。(笑) それにしても、なぜかキャサリンも、会場に潜り込んでいました。(笑) エリーですら違和感あるのに、部外者のくせして、よく堂々としてられるなぁ。(笑)
欣次郎のあいさつのあと、急遽、英一郎が、壇上に立たされました。 これもないよね。 マスコミを呼んでの晴れの舞台で、準備なしにあいさつをさせるなんて、ありえないでしょ。 事前に、挨拶文を準備させるのなら分かるけどね。
英一郎は、自分から鴨居英一郎だと、名乗りました。 あれだけ嫌っていた姓だったのにね。 いつの間にか、次期社長という役回りを演じています。 あいさつも、エリーのことを思いながら、しっかりとこなしました。 我が社のウイスキーには、人を愛しんだ時間が詰まっています、なんてなかなか即興でいえないよね、素晴らしい。(笑)
蒸溜したての原酒の樽詰め式で何かを感じたのか、エリーは、お母さんになりたい、子供を育てたいと、政春に伝えました。 そして、一気に養子が決まっちゃったのね。
政志は、手紙でそのことを知りました。 名前はエマちゃん、エリーと政春の頭の一文字を繋げただけ、ってことはないと信じていたのに、まさかの結末でした。(笑) それを、早苗さんは、エンマと聞き取っちゃったみたいですね。(笑) もう、悪魔ちゃんじゃないんだから。 そういえば、官兵衛で長政の息子が、萬徳と名付けられましたけど、音だけだと、マントくん、って聞こえちゃいました。(笑)
でも、エマちゃんを抱くエリーと政春、幸せそうですね。 キャサリンは、早くも、エマちゃんに、この辛気くさいのがパパや、とすり込んでいました。(笑)
それから時は流れ、昭和3年11月、お披露目会から、早4年の月日が流れました。 さすがに、英一郎は、居候していませんね。(笑) あらら、岸和田の小原家より先に、ミシンも買っちゃったのね。(笑) エマは、4歳になっていました。 ツインテールが、可愛らしいですね。 ちなみに、2月2日が、ツインテールの日でがんす。(笑)
エマは、野菜嫌いになってしまいました。 で、予想どおり甘々の政春、こっそり彼女のにんじんを食べてあげています。 そういえば、パパ、ママじゃなくて、お父さん、お母さんって呼ばせているのね、エライ。 村岡家も、こぴっと見習えし。(笑)
もっと甘々なのが早苗さん、もうすっかり孫を溺愛しています。 何度も行き来しているみたいですね。 一度くらいは、広島に連れていったんでしょうね。 でも、最近は、ウイスキー造りが忙しいから、専ら早苗さんが、大阪に来ているんでしょうね。
血が繋がっていないのに、こんなに早苗さんが愛してくれるのは嬉しいことです。 でも、視聴者としては、早苗さんとエリーの和解というのが、見どころの一つじゃないですか。 和枝さんとめ以子ほどではないにしても、特に、主婦層にとっては、注目ポイントですよね。(笑) それが、なし崩し的に心を通い合わせているのって、何だかなぁ。 この作家さんは、あまり視聴率に興味がないのかな。(笑)
早苗さんにシチューを白い味噌汁といわせるのは、明らかに江戸時代生まれの人間をバカにしすぎ。 ハイカラな西洋料理を知らないという設定にしたいんでしょうけど、どうみたって味噌汁の訳ないじゃん。 このあたりの感覚は、現代の目線で、当時の人間を見下しているよね。 当時の人々の知識量って、現代人が想像する、はるか上をいっているからね。 和算をはじめ、学問だって、決して外国に劣っていなかったんだから、そのあたりをこぴっと押さえた上で、人物像を描けし。
早苗さんが、エマに習字やそろばんを習わせろ、というのも、しごくもっともだと思うぞ。 英語なんて夫婦でしゃべっていれば、自然と覚えるもんでしょ。 それにしても、エリーは、今も幸子とナツにも英語を教えているのね。 あの二人も、大きくなっただろうな。
英一郎も、この4年の間にスコットランドに留学しちゃってましたよ。(笑) その時のコネで、ハイランドケルトというウイスキーを取り寄せました。 政春は、わしの理想のウイスキーとかいって大絶賛していましたが、結局は、スコットランドで、自分が造っていたものだったのね。(笑)
欣次郎は、経理の方から、一刻も早くウイスキーを製品化して経費を回収しないともたない、と直訴されました。 横浜の潰れたビール工場を買い取り、ビールを生産する、と欣次郎は役員たちに告げました。 こんな大事なことは、独断で決められるのに、ウイスキーに関しては、役員に押しまくられています。(笑) そのために、現時点でのウイスキーをブレンドして、役員に飲んでもらうことにしました。
不満を持つ政春でしたが、エリーに説得され、ブレンドを行いました。 味見する欣次郎に、もっと熟成したら、角が取れて柔らかくなる、と弁明しました。 現時点では40点、100点満点となるためには、あと10年掛かるといいます。 それを欣次郎は、あと1年でなんとかしろ、と指示しました。
これだけ聞くと、欣次郎の要求が無茶に聞こえますよね。 でも、ウイスキー事業をやるとき、政春は製品化まで5年掛かるといって、それをもとに資金計画を立てているはずですよね。 だから、4年が経過した今、欣次郎の言い分がもっともで、政春のは、技術者のエゴでしかないのよね。 それなのに、完全に被害者ヅラしているもんね。 欣次郎も、下手に出ないで、約束守れって、しかりつけてもいいくらいなのよ。(笑)
未成熟の原酒をブレンドすることに思い悩む政春に、早苗さんは、広島に戻るよう促しました。 千加子さんの長男の勝くんは、もう16歳になっちゃったのね。 法事のときに、姉の寛子のハンカチをくすねた、あの悪ガキがねぇ。(笑) 寛子ちゃんは、もうお嫁に行っちゃったのかな。 勝くんは、亀山酒造で、蔵の勉強中だそうです。 嫡流じゃないけど、政志の血を引いているので、社長候補だよね。
早苗さんは、エリーにも、嫁とは認めないけど、エマと三人なら広島の家に置いてもいい、といってくれました。 これは、前にも書きましたけど、政春の母親として、嫁としては認めているのよね、ただ、外国人だから老舗の酒蔵の女将としては認めない、ということなのよね。 でも、そんなこといえないから、エマをだしにして、体面を保ちつつ、広島に帰ってきてもらおうとしているのね、多分。
女は、男の仕事に口出しするな、という早苗さん。 最近エリーが、政春のウイスキー造りに干渉しすぎるのが、鼻に付いていたので、スッキリしました。(笑) 人間みな平等、というエリーの正論に思わずたじろいだ早苗さんが、気まずそうにティーカップに口を付け、あんた、母親になって強うなったの、と思わず口走るところが、笑えました。 エリーは何を出したんだろ、紅茶かな、それともコーヒーかな。
鴨居商店では、ビール事業の会議に呼ばれた政春が、ビール工場で使う麦芽の粉砕機の見積額について、その妥当性を尋ねられました。 以前、考証したように、政春の資金計画は、かなりのどんぶりだったし、しょせん技術バカなんだから、そんなの当てにならないのにね、ってちょっといいすぎかな。(笑) 結局、4年間で200万円もの大金がウイスキー事業に注ぎ込まれているそうです。 さらに、買収単価を60万円と見積もり、アケボノビールも、買収に動いているとの情報を得た欣次郎は、倍の120万円の資金を用意させました。 マークからして、アケボノビールは、アサヒビールのことかな。(笑)
政春は、欣次郎から、会ってほしい人がいる、といわれました。 その相手は、長越百貨店の澤田取締役でした。 『ごちそうさん』では、戦時中、地下鉄工事の鉄骨を工面するため、工事中止で余ったそれを譲ってもらうべく交渉した社長でしたね。 割れた皿を金で継ぐ金継ぎが趣味で、それを突破口に大阪商人の心意気に訴えかけて、公定価格で譲ってもらえました。
澤田さんを連れてきたのは、島田物産の山之内専務でした。 久し振りの登場ですね。 欣次郎が、ウイスキー造りの技術者の派遣を相談していた人でしたね。 彼が、日本で本場のウイスキーを一番熟知しているのは政春だ、といってくれたおかげで、鴨居商店に採用されたようなもんだしね。 政春にとっては、陰の恩人なのよ、本人は知らないけど。
その時も書きましたけど、『ごちそうさん』では、開明軒常連の新井社長としておなじみでがす。 『カーネーション』では、戦時中、金糸の入った生地を糸子に100反買ってもらった河瀬さんでがんす。 ちなみに、その息子役が、ポットスチルを造った佐渡(佐川満男)さん、孫が、中国での買い付け時に誤発注し、その100反を糸子にさばいてもらったアホボンなんでがす。
話を戻しますが、澤田さんは、ウイスキー通だそうで、政春のブレンドしたものを味わってもらうことにしました。 結論、香りは本格的ですが、味は中途半端、と断じられました。 イミテーションの鴨居さんと、枕詞まで付けられましたよ。(笑) イミテーションというと、どうしても百恵さんの歌が鳴り響いちゃうのよね。(笑) 太陽ワインも、一緒くたで、こき下ろされました。 こういう役をさせると、巨人さん、いい味を出しますね。
それで発奮した欣次郎さん、イミテーションといわれたままでは終わらせない、わての本気見せたる、と政春に協力を求めました。 政春の性格をしっかり把握していますね。 こういう人は、自分が自信を持っている技術力を頼られると、意気に感じちゃうのよね。
研究室にこもった政春は、スモーキーフレーバーの強い樽から採取した原酒を一滴たらして、製品を完成させました。 欣次郎は、スモーキー臭が少し強いことが気になりましたが、ゴーサインを出しました。 蒸留塔で、政春は俊夫たちに、出荷するどぉー、と伝え、みんなで万歳をしました。 ウイスキー造りの苦労が描かれていないので、共感できないし、おいてけぼりをくらった気分です。(笑) それより、もっと深い入れ物にウイスキーをいれないと、周囲に弾け飛んで、もったいなかったなぁ。 こういう演出をされると、彼らの、自らが丹精込めて育て上げた原酒への愛情が、全く感じ取れなくなっちゃうのよね。
昭和4年4月、鴨居ウイスキーとして売り出されました。 こひのぼりのメンバーは、煙くさいと敬遠。 信ちゃんにも否定されました。 住吉酒造の株主会議で経験しているのに、学習能力がないんだから。 当時は、モニタリング調査とかしないのかな。
11月には、予定の2割しか売れず惨敗。 太陽ビールも、アケボノやニチリンに及びません。 ニチリンは、語感からしてキリンかな。(笑)
新たな味で、再度勝負することを決意した欣次郎と、現実がまだ受け入れられない政春。 政春は、プライドを捨て、消費者に歩み寄れるかな。 そして、後半戦は、どんな展開が待っているのでしょうか、楽しみです。
さて、第12週の関東地区の最高視聴率は、欣次郎がカツレツを持って亀山家を訪れ、キャサリンがエリーに、自分も子供ができないと告白した18日(木)の21.4%で第2位、第1位は『Doctor-X』の27.4%と、6ポイントも水をあけられました。
月曜から土曜までの詳細は、21.1%、20.0%、21.0%、21.4%、21.1%、19.9%で、第12週の週平均は20.75%、『ごちそうさん』の第12週の平均は23.48%、『花子とアン』の第12週の平均は21.63%でした。 第12週までの全平均は20.23%、『ごちそうさん』は22.24%、『花子とアン』は22.21%でした。
関西地区の最高視聴率は、政春が、実家に手紙を書いているエリーに、子供がつくれないことを告げた17日(水)の23.3%で、『Doctor-X』と第1位を分け合いました。 さすがは本場大阪、これは大健闘といえるんじゃないでしょうか。 名古屋地区の最高視聴率は、子供がつくれないことを告げた政春と、告げられたエリーが、ともに悲しむ背後で、英一郎のにんじんを切る音が響いた17日(水)の23.2%で第2位、第1位は『Doctor-X』の30.0%と、関ヶ原での西軍なみの大惨敗です。
『軍師官兵衛』の最終回は、関東地区が17.6%で第6位でした。 ちなみに八重の最終回は、関東地区で16.6%でした。 最終回までの全平均は、官兵衛15.84%、八重14.58%です。 名古屋地区は、21.1%で第3位でした。 関西地区は19.4%で第3位でした。
さて、官兵衛、終わっちゃいましたね。 最後まで、官兵衛をきっちり描いてくれて、よかったです。
関ヶ原のロケ、短かったですけど、壮大なスケールでしたね。 特に、小早川秀秋の騎馬軍団が駆け抜けるシーンは、圧巻でした。 大河の面目躍如、といったところですね。 あんな精鋭軍を持っているなら、もっと堂々としていればいいのに。(笑) それに比べ、九州での官兵衛の戦いは、しょぼかったですね。(笑) やっぱり、兵の数が全然違いますから、ドラマでも、その辺りは意識したんでしょうね。
関ヶ原は、結局、秀秋の動向だけが描かれました。 主役が関わっていない戦ですから、仕方ないですよね。 そのあと、三成、恵瓊、行長が捕らえられた場面になっちゃいました。 長政が、三成に陣羽織を掛ける場面は、いらなかったなぁ。 最後まで、互いに憎しみ合って終わらないと、これまでの物語がフイになっちゃいます。
そうそう、余談ですけど、吉川英治の『宮本武蔵』は、関ヶ原の戦いが終わった直後から描かれるのよ。 少年だった武蔵(たけぞう)も、西軍として、このいくさに参加していたのよね。 そして、大雨の中、東軍の残党狩りから逃げ回るところから始まるのよね。 読破するのは大変ですが、少なくとも、武蔵は、関ヶ原から江戸時代にかけて生存し、活躍したということだけでも、頭の片隅に置いておくと、この時代のドラマを観るときの参考になるかも。
本筋に戻して、数日後、善助の手から、関ヶ原の結果が書かれた大坂からの手紙を受け取りました。 自らの野望が、砕け散った瞬間でした。 三成のあまりの弱さに、愕然としたことでしょうね。(笑) 前にも書きましたが、このドラマでは、関ヶ原が1日で終わったことが、官兵衛にとっての最大の誤算でした。
この場面、ちゃぶ台返しの時ですけど、官兵衛の背後に、東軍を青、西軍をピンクに塗り分けた国内の詳細な勢力図が、貼られていました。 あれは、さすがに、後世じゃないと作れない地図でしょう、ちょっと過剰演出でした。(笑)
家康と対面した官兵衛は、彼の戦のない世の中をつくるという思いに共感、初めて負けを認めました。 官兵衛は、生涯、無敗だったんだね。 そうだ、そんなこともあって、武蔵のことを思い出したんでした。(笑) 慶長の役では、秀吉の死後、退却したんですけど、あれは官兵衛の戦歴には入らないのね。(笑) この対面時はまだ、上座の家康に向かって右側に、猿の刺繍が入った秀吉の白い陣羽織と黄金色の千なりひょうたんが、飾られていましたね。 まだ、建前上は、豊臣政権だったんですね。
しかし、あんな素人集団を鍛え上げて、7か国も手中にしていたとは、さすがは官兵衛ですね。 だてに、大河の主役は、務めないねぇ。(笑) そんなこと思うと、真央ちゃんは、ちょっと心配。(笑)
あえて青臭いことを書きますけど、家康をはじめ当時の武将は、誰も戦のない太平の世を求めて戦ったわけじゃないのよね。(笑) 自分の手で、天下を思い通りに治めたかっただけなのよね。 天下を治めるということは、誰も逆らわなくなることだし、結果として、戦がなくなるだけなのよね。 極論すれば、三成が天下を治めれば戦のない世の中になるとしたら、家康は喜んで譲るか、って話ですよね。(笑)
つまり、太平の世になったのは、本来の目的とは違う、反射的利益ってだけなのよ。 それなのに、このドラマでは、徳川の世になったら、みんな戦のない世になった、乱世は終わったってはしゃいでいるけど、当時は、この時点で戦がなくなったかどうかなんて、判断できるわけないじゃんね。(笑)
官兵衛も、口ではきれいごとをいいながら、結局、最後は、天下を狙って戦を起こしたもんね。 三成も、天下を争うことができ本望だ、と家康にいっていましたよね。 そういう意味で、三成が長政に語った、我が思い、如水だけは分かってくれる、というのは、その通りなのよね。 三成は、自らの野望も、官兵衛の野望も、根っこは同じものだと知っていたのね。 この辺りの物語が、あまりにも見事だっただけに、安易に平和を喜ぶ姿に、違和感を禁じ得ませんでした。 炎上する大坂城を眺めながら、如水、お主と約束した戦なき世、ようやく始まるぞ、って家康さん、これっぽっちも思ってないでしょ。(笑)
官兵衛が、善助に兜を託し、別れを告げる場面や、亡くなるシーンも、よかったです。 『官兵衛紀行』によると、結局、伏見で亡くなったんですね。 本編じゃ、わかりませんでしたね。(笑) 光もお福もわざわざ、中津から出てきたってことなんでしょうね。(笑) 安易な回想シーンを挟まなかったのが、グッドでした。 それだけに、自分の余命があと2か月、という台詞はいらなかったな。 お茶の間から、お前は医者か、というツッコミが入りまくったんじゃないかな。(笑)
個人的には、官兵衛の死後、少しナレーションを挟みつつ、そのまま豊臣家滅亡まで時が流れ、光が、藤の木の下に立つ官兵衛の亡霊と対面して、終わってほしかったな。 この主役の亡霊こそ、大河の最終回のテッパンシーンですよね。(笑)
とにかく、多くの方が思ったでしょうけど、大坂夏の陣が、中途半端すぎましたよね。 仲違いし出奔した又兵衛と、元主君であり、幼なじみの長政との関わりを描きたかったことはわかりますけど、ナレーションだけで十分でしょ。 二人が仲違いした経緯が描かれていないので、なんの感情移入もできませんよね。 小早川秀秋が、家康から大砲を打ち込まれて、びびりまくる場面は、これまでに彼の人となりをしっかり描いているからこそ、ちゃんとみんなの胸の内まで届くのよね。
また、又兵衛が、黒田の家紋を身につけ、これが黒田武士の心意気じゃぁ、と叫んでいました。 銃身の前に全身をさらし、むざむざと撃たれることのどこが黒田武士なのか、理解に苦しみます。(笑) 長政も、又兵衛が大将を務める軍が総崩れになった、という報告を受けただけなのに、彼が死んだ前提で官兵衛に謝ってるし、このあたりの脚本は破綻しまくってましたね。
牢人たちの前で、淀が、金銀は使い果たした、といっていましたけど、これもありえません。 彼らは、恩賞目当てなんですから、敗色濃厚なあの状況でそんなこといったら、みんな逃げ出しちゃいますよ。 嘘でも、秀吉が残した財宝は、まだまだ有り余っている、と彼らを鼓舞しなきゃね。 とにかく、この大坂の陣は、『真田丸』のクライマックスになるでしょうから、素直に任せればよかったのに。(笑)
あと、どうでもいいけど、お道は、結局、出てきませんでしたね。 三成方に捕らえられたのかな。(笑) そもそも、黒田家の大家老善助の奥方なんだから、いくら質素倹約が旨だからって、本来は、いつまでも、侍女みたいな格好でいるわけないよね。 昔の恨みを込めて、お福を顎で使っても、バチあたらないんちゃう。(笑)
おねの口から、急に清正の名前が出てきましたね。 前にも書いたけど、一時は、正則、長政、秀秋しか見えていなかったのにね。 さすがに最後にきて、清正がいないと不自然だと思ったのね。 脚本協力者と、連携が取れていなかったのかも。(笑)
最後にちょっとだけ、ストーリーを補足しておきますね。 淀が、堀もない、と嘆いたのは、冬の陣の和議の結果、徳川が惣構だけを埋めるはずが、強引に拡大解釈して、二の丸、三の丸の堀まで埋めて、本丸を丸裸にしたことをいっています。
家康が官兵衛に、後継ぎに恵まれうらやましい、といったのは、関ヶ原の戦いに遅刻するという大失態をおかした我が子、秀忠のことが念頭にあったのよね。
恵瓊が、長政に、まさか吉川・小早川とも調略していたとは、といったのは、毛利輝元が最後まで、動かなかったことをいっています。 これが、西軍の敗因なんでしょうけど、何も言及されず、描かれなかったのは、ちょっと不親切でしたね。 この時、行長は、最初、家康このやろう、とでもつぶやいているのかと思いましたが、よく聞くとイエズス・マリアでした。(笑)
おなじく、先程不要だったと書いた、長政が自らの陣羽織を三成に掛ける場面ですけど、これは、家康が、三人に小袖を授けたときに、三成だけ固辞した、という話をもとに作られたのだと思います。 三成は、小袖は上様からじゃといわれたので、上様は秀頼だけだ、といって拒んだのね。 でも、このドラマでは、徹底して三成を悪役に仕立て上げたから、この逸話は、使えなかったのよね。
ついでに、三成が、処刑前に水を所望し、柿ならあるといわれましたが、胆の毒だといって拒否したため、もうすぐ死ぬくせに、と笑われた話があります。 三成は、笑った相手に、大志を持つ者は、最期の瞬間まで命を惜しむものだ、と言い放ちました。 関ヶ原といえば必ず描かれるといっても過言ではない名場面なんですけど、やはりこのドラマでの悪役三成には、ふさわしくなかったのでしょう、残念です。
官兵衛も光も、平和がすべて、そのためなら私利私欲なんかない、といい続けて、最後に手のひらを返したのに、三成の人間像だけは、頑なに悪役を貫き通しちゃいましたね。(笑)
とにかく、この一年間、堪能させていただきました。 私の感想は、まさに光さんが最後にいった、殿、よく生き抜かれました、ですね。 この言葉を、大坂の陣後まで生き延びた光さんにも、捧げたいなぁ。 官兵衛といくつ違いだったんでしょ。 大坂の陣をやめて、その分を紀行で、光さんや長政、黒田二十四騎などのその後を、説明してほしかったなぁ。
そんなわけで、一年間、好き勝手に書いてきましたけど、神蔵さんこと村岡父の言葉が胸に刺さります。(笑) ドミンゴで、蓮様がサロン遊びにふけっている、という三面記事を真に受けている宮本たちを、批評はたやすく芸術は難しい、という詩人ポワローの言葉を引用して、諫めたんですよね。 そして、『踏絵』を渡して、それに共鳴した宮本が、福岡に乗り込む、という展開に発展していく重要な場面でした。
とにかく、ただ批判することしかできない私よりも、ドラマを作り上げて批評を受ける人たちの方が、はるかに素晴らしいのは、自明の理です。 これからも、素晴らしいドラマを、届けてほしいと思います。 総集編も楽しみです。 だしさん、出てくれますよね。(笑)
えー、今年の書き込みは、これで最後になります。 とかいいながら、気が向いたら、また書くかもしれませんけど。(笑) 一年間、お世話になりました。 皆様、ご家族そろって、よい新年をお迎えください。 次回は、『花燃ゆ』の感想でお会いしましょう。(笑) 気が向いたら、ごめんね。
それでは来年も、今こそまさに天下分け目の決戦という覚悟で、これまでの遺恨をすべて水に流し、恵瓊を反面教師として最後まで見通しを誤ることなく、天下は天下の天下なり、私利私欲に走ることなく、頼りになるのは城ではなく人だと心得、部下(家臣)や顧客(民)の声によくよく耳を傾け、そして信じて、こぴっと仕事がんばれば、一向に悔いが思い浮かばぬ、そんな素晴らしい一年になるじゃんね。
「長政、内府殿は、お前の手を取ったというたが、それは、どちらの手じゃ」 「右手でございますが」 「その時、お前の左手は、何をしておった」 CATCH A HAPPY NEW YEAR!! |
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