投稿日:2016年01月29日 (金) 18時31分
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みなさん、こんばんは。 最近は、日没が遅くなってきたなぁ、と実感します。 少しずつ春の足音が遠くから聞こえてきました。
さて、今週の『あさが来た』は、鈴木梨央ちゃんが一人二役の名演技をみせてくれました。 見た目では、あごにほくろがある、なしであさと千代を判別できますが、男勝りのあさと女性らしさを持つ千代の内面をうまく演じ分けているので、すぐに見分けられますね。 さすがの演技力に脱帽でがんす。
では今回も、先週の土曜日から振り返っていきましょう。 五代の遺言により、五代の葬式は大阪で行われ、4,300人以上の人々が参列しました。 美和は、友厚は商売屋のように見えて、根っこは武士だった、とあさに伝えました。 あさは、その美和から、友厚が借金まみれだったことを聞かされ、驚きました。 友厚は、若い人の面倒を見、薩摩出身の役人にも気前よくお金を貸していた、それは大久保も同じで、みんな身を削って国のために働き、死に場所を探しているようだ、と美和は語りました。 二人は、天国で友厚と大久保が、今の日本に文句を言いながら酒を飲んでいるのでは、と語り合いました。
加野屋の縁側では、つくつくぼうしが鳴くなか、あさと新次郎が、友厚の話をしていました。 そうそう、つくつくぼうしは秋の季語だから、9月に鳴いていてもいいのよね。(笑) 大阪の空も名残を惜しんでいる、という新次郎に、あさは、人は死ぬし金も墓場まで持っていけない、問題は後世に何を残せるかだ、と友厚がいっていたことを話しました。 そして、自分たちも加野屋だけでなく、大阪や未来の日本のために何を残せるか考えないといけない、と決意を口にしました。
そこへ、雁助が、月曜日のへぇさんの来訪を伝えに来ました。 どうも加野屋で働きたがっている、という雁助の言葉を聞き、あさが直接、へぇさんと話をしますが、何を聞いてもへぇだけでらちが明かず、キレてしまいました。(笑) 新次郎と雁助が取りなし、あさが、信用第一の両替屋が身元のはっきりしない者は雇えない、というと、ようやく話し出しました。
元は大蔵省の会計検査院にいた山崎平十郎、と自己紹介しました。 雁助が大蔵省と聞いて驚き、新次郎が、平十郎という名前に、ほんまのへぇさんだ、とびっくりしました。 私は、この頃から、もう会計検査院という制度があったことにびっくりぽんです。
山崎は、国の経済を立て直すためには、民間の銀行がしっかりしなければならないと考え、2年間、方々の銀行回り、加野屋にだけは他の店にないものを感じた、といいました。 でも、それが何かはいわないのよね。(笑) 山崎が、ドイツ留学をして銀行の勉強もしてきたので、加野屋が銀行になるために力を貸せる、というと、あさは、銀行の知識のある人を探していた、と二つ返事で採用を決めました。 おいおい、本当に大蔵省にいたのか、銀行の知識があるのか、確認しなくて大丈夫なのか。(笑)
そして、年が明け明治19年、千代は数えで10歳になりました。 さちから、鹿鳴館の舞踏会の様子を描いた絵を見せてもらい、ドレスに目を輝かせています。 糸子が、ドレブといって、ドレスに興味を抱いた頃のことを思い出しました。 神戸のおじいちゃんの近所で、勇くんと二人、舞踏会を見たのがきっかけだったのよね。(笑) あさは、舞踏会と葡萄会を聞き間違えます。(笑) あさは、ドレスを金魚みたいといい、毎日勉強もせず踊っているとは考えられない世界だ、といい、千代の反感を買いました。
母子が、価値観の違いで衝突しているようです。 うめは、あの頃のあさの扱いづらさとはまた違う、おなごらしい扱いにくさだ、といいました。(笑) さちは、ドレスは、上下が分かれ身体が動かしやすいというと、あさは、炭坑の岡出し姿と似ているかも、と興味を抱きました。
あさは、商法会議所で、山屋から安全型自転車の写真を見せられました。 友厚がかつて英国から寄越してきた手紙に書いてあった自転車の話を思い出しました。 日本のおなごは乗りこなせないといっていると書いてあったことから、いつか自分が乗りこなす、と宣言しました。 当時はもう、自転車という風に訳されていたんですね。
新次郎は、階段の上から千代に見張られ、しぶしぶ仕事をしています。 そんなある日、男の子が店に入ってきて、新次郎にお父ちゃんと呼びかけました。 それは、はつの長男、藍之助でした。 はつと菊も店に入ってきました。 よのは、菊に何の気遣いもなく、山王寺屋さんと声を掛けてしまいましたけど、特に引っかかることもなく、もう吹っ切れたようです。 あさとはつも、10年ぶりの再会を果たしました。
藍之助は、庄屋の家よりずっと広い加野屋に興味津々です。 小さい時に遊びに来ていたけど、やっぱり覚えていないのね。(笑) そんな藍之助を、あかんゆうたらあかんで、と大声で叱りつけるはつ、10年の時が、肝っ玉お母ちゃんに変えたのね。(笑) はつは、やんちゃ盛りの男の子を二人も育てたら、自然にこうなってしまう、といいました。
結局、藍之助は加野屋を見て回り、菊はよのさんと四方山話に向かいました。 はつは、物陰で様子をうかがっていた千代に気付き抱きしめると、会いたかった、初めまして、お母ちゃんのお姉ちゃん、おみかんのおばちゃんやで、とあいさつしました。 千代は、照れて走り去ってしまいました。 あさとはつは互いに、立派なお母ちゃんになった、立派な奥様になって、と言葉を交わしました。
茶の間では、菊が、先代の三十三回忌の墓参りのために大阪に来たことを話しました。 本当は5年前の先々代の百回忌もお参りしたかったが、当時は合わせる顔もなく、旅に出る余裕もなかった、と続けました。 今は、合わせる顔がない、なんて思っていないということよね、前を向いて歩けるようになってよかった、よかった。 栄達は、先代、先々代とは血が繋がっていないから、留守番して惣兵衛さんと一緒にみかんの世話をさせられているのよね、きっと。(笑)
藍之助が高等小学校を出たというよのに、菊は、みかんづくりしながら通学させることは大変で、そのため藁編みをして白魚のような手が見る影もなくなった、と語りました。 あの子はほんまに頭のええ子やさかい、どないしてでも通わせたい、なんてすっかり孫にでれでれになっていますね。(笑) さらにはつと二人で、庄屋の奥さんに琴を教えている、といいました。 新次郎が買い戻したはつの琴、活躍しているみたいね。
よのは、お寺で正吉に、いつ迎えに来てもいいとお参りしたが気配もない、と笑い飛ばし、菊も、天女にもてているはずと返し、二人で大笑いをしています。 茶の間に巾着を忘れた榮三郎は、二人のエンドレストークに、取りに行くのをあきらめました。(笑)
店内を案内してもらった藍之助は、大番頭の席に座り、惣兵衛も昔はこんなところで働いていたのか、と新次郎に尋ねました。 新次郎は、惣兵衛は若い頃から店に出ており、切れ者の若旦那として有名だった、と説明しました。
雁助は、今もへぇとしかいわない平十郎を、彼は極め付きの始末屋だ、と評しました。 始末といえば、大阪は始末の料理や、という和枝さんを思い出さないわけにはいきませんね。(笑) 帳面や鼻紙のみならず、言葉まで倹約してへぇですませている、と雁助が見解を述べました。 それを聞いた新次郎は、あさが大胆な分、平十郎がきっちり始末してくれたらいい塩梅だ、と語りました。
あさが店で働いていることに驚く藍之助に、新次郎は、炭坑の商いでは事実上の社長だ、といいました。 そのあさは、仕事を片付け、はつの元に走って行きました。
座敷では、一人でお茶を飲むはつを、千代が物陰から覗いていましたが、うめがやってくると逃げてしまいました。 はつは、和歌山では、狭い家の中で元気な息子たちに、昔の忠興のように、こら、こら、と毎日いっているお祭りみたいな日常なので、この静けさにほっとしている、とうめにいいました。
うめは、はつに会えて喜ぶ、あさの若々しい顔を久し振りに見た、といいました。 はつは、千代があさに似ていると驚き、うめは、中身はまるっきり違う、と返しました。 そこへあさがやってきて、千代は、木登りも相撲もしない、蛙も蛇も嫌い、代わりにきれいな着物や千代紙が好きだ、といい、うめに、つまり普通のかいらしいお嬢ちゃんだ、と突っ込まれました。
千代は、張り子の招き猫に、はつはあさとまるっきり違う、あんなに優しそうな人だったとは、と語りかけました。 そこへ藍之助と新次郎がやってくると、千代は、はにかみました。 藍之助は、千代と自分をお姫様と家来に例え、遊んでやるといって、彼女の手を引きました。 千代は昔のはつ似、藍之助は昔のあさ似、という流れになっていくのかな。
はつは、母の梨江が和歌山に初めて来てくれたことを話しました。 だいたい、和歌山に行くなら、大阪にも寄りそうなものですけどね。 そこで、はつの所へ行く、あるいは行ってきた、という話になってもおかしくないと思うけどなぁ。(笑)
はつは、梨江に借金を返済しようとしたが、金で返せるものは一つもない、子供たちやみかんをもっともっと立派に育てるのに使え、と断られ、子供たちを立派に育てた礼をいわれて泣いてしまった、と語りました。
この頃涙もろくなったという姉妹に、うめは、それは涙を流す思いをたくさんして、それを乗り越えてきた証だ、何も恥ずかしがることはない、と励ましました。 うめは、時々いいことをいうのよね。(笑)
あさは、自分ははつのようないい母親になれないから、千代は、おばあちゃん子、お父ちゃん子になってしまった、と嘆きました。 はつは、母親の化粧箱の紅に憧れていた自分と、その中に蛇の抜け殻を隠して怒られたあさとが、同じような母親になれるはずがない、あさはあさらしく生きるしかない、といいました。 畳に仰向けで寝転がったあさは、自分があかんたれだったことを思い出し、無意識のうちに自分を大きく見せようとしていたことに気付きました。
厨房では、うめと雁助が、漏れ聞こえる姉妹の笑い声を耳にしていました。 二人とも立派に育ったことに感慨を深めたうめが、雁助にはつの漬け物を食べさせました。 雁助は、別れた妻、仙波つねからの手紙を懐から取り出し、何で今頃、とつぶやきました。
縁側では、あさが、勉強嫌いの千代のことを、はつに愚痴っていました。 はつは、養之助は次男なので、じき兵隊に行く年になる、兵役を逃れるため子供のいない養子の口も探したが見つからず、兵隊になった方がいい暮らしができるので、彼自身も兵隊になりたがっている、と語りました。 それを聞いたあさは、今度、説教してやる、といいました。 次男坊で兵隊、といえば、め以子の次男、活男を思い出します。(笑)
藍之助と石蹴りをした千代は、母親譲りの負けん気をみせました。 藍之助は、そろばんを弾くあさを巴御前に例えました。 それを聞いた千代は、あさは鬼だ、といいました。 そして、この前、虫歯が痛んだとき、ちょうど九州から戻ってきたあさに、紐でそれを抜かれてしまった話を藍之助にしました。
あさが九州から戻ったとき、うめが加野屋にいたということは、さすがに今は同行していないということなのね。(笑) そのおかげで治った、とあさの肩を持つ藍之助に、千代は、いつも仕事、仕事というくせに、こんな時だけ母親面をする、と腹を立てました。 千代が、あさは自分より銀行が好きだ、と拗ねると、藍之助に、銀行にやきもちを焼いている、と突っ込まれました。
藍之助は、こんな立派な商家に生まれた千代がうらやましい、自分の父親は何で大阪から出て行ったんだろう、とつぶやきました。 いずれ、加野屋の番頭になりそうな流れですね。(笑) 最終的には、山王寺屋の再興かな。(笑)
あさは、はつに、バンクをつくることになった、加野屋は加野銀行になる、と宣言しました。 そして、お別れの時がやってきました。 千代ははつに、お土産の礼を述べました。 はつは、千代を見ていたら女の子もいいと思う、といいました。 それを聞いた藍之助は、拗ねてみせました。 新次郎は、今度は自分たちが和歌山に行く、といい、再会を約して、はつたちは帰って行きました。
そして加野屋に、また新しい朝がやって来ました。 店の表に出てきたあさが、鳴き声を聞いて路上を見ると、雁助が猫をなでていました。 猫を抱き上げ、厨房に連れてきた雁助を見たうめは、女子衆が起きてくる前に、外へ出すようにいいました。 そんな二人を、あさは、かつて雁助がうめを誘ったときの様子を思い出しながら、複雑な表情で眺めていました。
あさは銀行に先駆け、新次郎を社長とした、加野屋の商業部門を担当する加野商店を設立、炭坑に通い詰めて出炭量を5倍とするなど、加野屋の事業は躍進を遂げました。 炭坑の事務所には、友厚から贈られたペンギンの写真が貼られています。 この写真、確か晴花亭で三坂から渡されたとき、あさが折り曲げていましたよね。(笑) アイロンでもかけたのかな。(笑) 加野屋は、大阪というまちに支えられてここまでやってこられた恩返しのつもりで、大阪港の海防工事に3,500円を寄付しました。
あさと平十郎は、銀行の設立認可を得るため、定款や株主名簿などの準備をしています。 あさが、ようやくここまで来られたと安堵すると、平十郎から、大変なのはこれからだ、と預金集めやあいさつ回り、大阪同盟銀行集会所への加盟など、多くの業務を列挙しました。 平十郎は、やってきた新次郎と、竹屋の火事、やもめの行水などと言い合い、言葉遊びを楽しみました。
新次郎とあさは、忠興から祝賀会に招かれ、千代を連れて東京に向かいました。
榮三郎は、雁助にたびたび手紙が届き、加野屋を辞めて他に移る支度をしている、という噂をかのから聞きました。 驚いた榮三郎は、弥七に噂の中身を確かめますが、手紙の差出人は知らない人で、中身も分からない、と要領を得ません。
平十郎は、雁助は加野屋の財産、彼を失うとそろばんで弾ききれないほどの損失だ、といいました。 でもねぇ、雁助の居場所を奪っているのは平十郎だもんね。 平十郎は、自分の右腕となる有能な働き手を連れて、一緒に出てしまうおそれもある、といいました。 ところが、雁助に有能な右手はいないのよね。(笑) 人生のパートナーならいますけどね。(笑)
それから数日後、あさたちが東京から帰ってきました。 あさは、外務大臣の井上馨や大蔵大臣の松方正義など、多くの人とあいさつできた、と嬉しそうに語りました。 たまにいますよね、偉い人の名前を次々に出して、その人たちと知り合いなんだぞ、と自分の大物ぶりを吹聴する人たちが。(笑)
あさは、忠興に千代の顔を見せることができた、といいました。 牛鍋屋であれだけ怒られたのに、今まで一度も千代の顔を見せに行かなかったのね。(笑) 忠興も、大阪には来ていないということなのよね。 梨江も千代の顔は見ていないということでしょうし、さっきも書きましたけど、やはり、この観点からも、和歌山のはつだけを訪ねたのは、不自然なのよね。(笑)
初めて千代の顔を見た忠興は、あまりにもあさに似ていたので、思わず目をこすりました。 しかし、あさと違い、お初にお目にかかります、千代でございます、と立派にあいさつしたので、忠興はまたまた驚きました。 みんなは、あさが初めて加野屋に来たときの、しどろもどろのあいさつを思い出して、笑いました。
あさは平十郎に、伊藤博文から本気で銀行をやるなら、まず渋沢栄一に教えを請え、といわれたことを話しました。 平十郎は、西の五代、東の渋沢といわれ、銀行の神様と呼ばれた方で、自分の昔の上司だった、といいました。 さりげなくアピールしていますよね、へぇさんも。(笑) あさは、友厚同様、政府の職を辞し、民間で日本経済のために尽す渋沢に会いに行ったが、忙しくて会えなかった、といいました。
伊藤博文の名に驚く雁助に、あさは、彼は親切で朗らかな方だ、と話しました。 この瞬間、劇団ひとりさんの顔が、鮮明に脳裏に浮かんじゃいました。(笑) あさは、渋沢に会えるよう、彼に手紙を書く、といいました。
千代はよのに、忠興が立派な雰囲気の人だったので緊張した、けったいな子だと思われてしまったのでは、といいました。 よのは、あさを育てた人だから、ちょっとやそっとのことでは、けったいな子と思うはずがない、新次郎もお利口さんなあいさつだったと褒めていた、と慰めました。 気を取り直した千代は、よのにお土産の人形を差し出しました。 これがまた、全然かいらしなかった。(笑) でも、あさなら絶対に選ばないお土産でしたね。(笑)
新次郎は渋沢に手紙を出そうとしているあさに、雁助はまだ迷っているみたいだ、榮三郎が聞いてもはっきり返事をしなかった、でも、自分はもう出て行く決心をしていると思う、と伝えました。 あさは、この時、つらい決断をしました。
そんなある日、銀行設立の打ち合わせのために亀助が加野屋にやってきました。 雁助と亀助の2ショット、懐かしいですね。(笑) 会議では、亀助が、ふゆと暮らせる通いを希望、雁助から嫁をもらって5年も経つのにまだ浮かれているのか、と突っ込まれました。 でも亀助さん、九州から帰してもらえるのかな。(笑)
その亀助も、平十郎がへぇとしかいわないことに気付きますが、雁助から、その話はもう一通り終わった、と返されました。 春子さんに、そのくだりは散々やったから、と突っ込まれる正宗さんを思い出してしまいます。(笑)
そこへ、新次郎が、謡から戻ってきました。 あさに睨まれた新次郎は、謡で仕事してきた、とごまかす素振りをしましたが、本当に山屋から、尼崎に紡績工場を建てる発起人の一人になってほしい、という話を聞いてきたのでした。 山屋が、あさがいろいろ新しいことをやっているのに自分が何もしないのは、船場の旦那の代表としてあかん、といったと新次郎は語りました。
それを聞いたあさは、正吉の息子として商才が隠れている、紡績事業に目を付けるのは頼もしい、また惚れ直してしまいそうだ、と新次郎を褒めました。 新次郎は、そんなことをいわれたら張り切ってしまう、といい、あさも、何でも応援させてもらう、と語りました。
店では、亀助が雁助に、2歳になった娘が、きれいな卵形の顔をした、ふゆ似のかいらしい子だ、とでれでれです。(笑) で、急にバツ1、独り身の雁助に気を遣いましたけど、これって、かえって傷つきますよね。(笑) そこへ、渋沢からの返事が届かず、落胆したあさが、帰ってきました。 あさと平十郎は、銀行の神様に見放されないように、と神棚に手を合わせました。
その後、うめと二人になったあさは、色恋に鈍いといわれる自分も、彼女の気持ちにだけは気付いた、といいました。 とぼけるうめに、これまで自分のことばかり考え、うめの幸せを考えなかった、雁助に誘われ一緒に出て行きたいならそうしてほしい、自分の選んだ道を歩いてほしい、とあさはいいました。
うめは、今井家の命令でそばにいるわけじゃない、あさと一緒にいて、立派なおなごになるのをずっとそばで見ていることが幸せなんだ、といいました。 続けて、作法や料理など、大店のおかみとしてまだまだなところもたくさんある、千代もわがままになってきた、自分がここを去ることはできない、そばに置いてほしい、と語りました。 それを聞いて泣き出したあさの頬に流れた涙を手でぬぐいました。 あさは、年を取って泣くのは恥ずかしいことではない、とかつてのうめの言葉を口にしました。 そんな二人の様子を、雁助が眺めていました。
翌日、亀助が帰るところに、平十郎が、渋沢からの返事を持ってやってきました。 亀助は、最後に、平十郎のへぇ以外の言葉を聞くことができました。 手紙には、あさのことは友厚から時折聞いていた、近々大阪に行くので商法会議所で会おう、と書かれていました。 あさは、心の中で、友厚に感謝しました。
そして、約束の日、あさと新次郎が待つ商法会議所に渋沢がやってきました。 渋沢は、いきなりクイズを出題しました。(笑) 第一問は、銀行を経営する者にとって一番ほしくて大切なものは、でした。 あさは、お金、と答えますが、それは必要ない、と言下に否定されてしまいました。
第二問は、両替商になくて銀行にある仕組みは、というもので、これは、あさが預金と答え、正解でした。 その時、あさは、正吉や雁助から両替商は信用が大事、と教えられたことを思い出し、一問目もクリアしました。 渋沢は、この銀行に任せれば、自分で持つより安心だと思われることが大事、信用さえあれば、あとは自然に、人が金を運んでくる、と説明しました。 納得したあさは、銀行を経営するには、まず信用をつけ、真面目に商いして、自分の器を大きくして、といいました。 渋沢は、お金は不思議なもので、扱う人の器の大きさに従って動く、と語りました。
最後の問題は、友厚と渋沢が、大きな見地から国益を考え、常々一番やらねばならないと思っていたことは何か、でした。 あさは、見当もつきませんでしたが、答えは、人間をつくること、つまり教育でした。 渋沢は、自分の子だけでなく、日本のために働いてくれる誠実な人材をつくるということだ、といいました。 なんか、美和を思い出してしまいますね。(笑)
あさは、学ぶことができたら、正しい知識を持って日本のため、大事な誰かのために働くことができる、と納得しました。 渋沢も、商いと教育、どちらも、大いに頭を悩ますべき大切な問題なのだ、と語りました。 新次郎は、初めて、お金や商いが人間味のあるものに思えてきた、といいました。
加野屋では、弥七たちが、通いか住み込みか、で悩んでいました。 一人で通いは寂しい、という弥七に、平十郎は、通いだと、女子衆の目を気にせず好きなことができる、好きなおなごと一緒に住むこともできる、といわれ、その気になりました。(笑) しかし、ほとんどの人が、住み込みを選んだようです。(笑)
女子衆は、これまでどおり白岡家で女中奉公、若い者には、よのが嫁入り先を世話することになりました。 独身だと思われているクマさんも、紹介してもらえるのかな。(笑) これまでどおり、と安心するクマたちを眺めながら、うめは、複雑な表情を浮かべました。
応接室では、あさと榮三郎が、雁助と向き合っていました。 雁次郎は、分かれた嫁の実家のある伊予に行って仕事を探す、といいました。 なんでも、娘が重い病にかかり、お金に困っていると、手紙で助けを求められたとのことです。 雁助が、20年前は、娘に何もしてやれなかったので決意した、と伝えました。 榮三郎が金を出す、というと、何のためらいもなく受け取りの意志を示しましたね。 娘のためなら、背に腹は替えられませんもんね。
その会話を、うめは、縁側の拭き掃除をしながら聞いていました。 そこに現われた雁次郎は、うめに堪忍といいました。 うめは、お礼をいいたいくらいだ、冗談でも一緒に行こうと誘ってもらった、その思い出があれば、一生一人で暮らしていける、といいました。 ふゆも亀助に、大事な身内といってくれた、あの言葉があれば、どこでもやっていける、といってましたよね。(笑) 雁助は、自分は加野屋に最後まで奉公できなかったが、うめには最後まであさのそばにいてほしい、といいました。 うめは、力強く、任せてくれ、と答えました。
寂しそうに縁側に座っているうめに、あさは相撲を取ろうと誘いました。 あさは、勝てないと思っているのかと挑発し、うめが受けると、昔負けたことが気になっていた、といいました。 うめは、あさを投げ飛ばしました。 大外刈りでしたね。(笑) 相撲でいうと二丁投げに近かったですね。 いずれにしても、大技でがんすな。(笑)
あさは、うめに勝って、泣かせてあげようとしていたのでした。 その気持ちを知ったうめは、あさに抱きついて泣きました。 ここで、今日も涙腺崩壊でした。(笑) 予告編で相撲を取る場面を観たときは、別れの相撲だと思ったんですけどね。 まさかの展開にやられました。 でも、前にも書きましたが、亀助の恋が成就すれば、雁助の恋がかなわないのは、ドラマの常道ですからね。 これは、予想どおりの展開でした。(笑)
そして、明治21年、ついに加野銀行の看板が掛けられました。 部屋に入ろうとした新次郎と千代は、部屋の中を見て、驚きました。 ここで終わるんなら、あさの洋装姿、予告編で流さなきゃいいのに。(笑) ついに銀行業務が始まりましたね。 渋沢は、お役御免かな。(笑) 次はどんな展開が待っているのか、楽しみです。
さて、第16週の関東地区の最高視聴率は、加野屋に洋装でやってきた宮部が、太鼓持ちぶりを発揮した18日(月)の25.5%で第2位、第1位はスマスマの31.2%でした。
月曜から土曜までの詳細は、25.5%、25.0%、23.6%、24.8%、24.0%、24.2%で、第16週の週平均は24.52%、『ごちそうさん』の第16週の平均は23.53%、『花子とアン』の第16週の平均は23.53%、『マッサン』の第16週の平均は20.67%、『まれ』の第16週の平均は19.47%、でした。 ドラマの全平均は23.19%、『ごちそうさん』は22.29%、『花子とアン』は22.57%、『マッサン』は20.28%、『まれ』は19.49%でした。
関西地区の最高視聴率は、一緒に家を出ようと誘われたうめがよろめき、落ちそうになった鍋を支えた雁助が手を火傷した20日(水)の22.7%で第2位、第1位はスマスマの29.7%でした。 名古屋地区の最高視聴率は、月曜日のへぇさん、こと山崎平十郎がドイツ留学で銀行の知識を得たというアピールが奏功し、あさに採用してもらった23日(土)の24.1%で第3位、第1位はスマスマの31.0%でした。
『真田丸』の第3回は、関東地区が18.3%で第2位でした。 ちなみに、八重の第3回は18.1%、官兵衛の第3回は18.0%、花燃ゆの第3回は15.8%、でした。 全平均は、真田丸19.43%、花燃ゆ15.30%、官兵衛17.93%、八重19.43%です。 関西地区は、20.2%で第4位でした。 名古屋地区は、19.3%で第7位でした。
今週も、おもしろかったです。 昌幸は、絶好調ですね。(笑) 今回、振り回されたのは弟の信尹でした。 せっかく、上杉、北条との二面外交を展開していたのに、いきなり織田に付くといわれれば、がっくりきますよね。 でも、彼は当主の弟なので、昌幸に従うしか選択肢がありません。 昌幸と信尹の関係に、信幸の弟としての役割を見いだす信繁、あいかわらずお見事な展開です。 その前に、矢沢頼幸との会話で次男は群議に呼ばれないことをさりげなく説明したり、芸が細かすぎます。(笑)
もう一人、翻弄されたのは、今回も信幸でした。 彼が、本当の密書だと信じていたからこそ、室賀正武も信じた訳ですからね。 とはいえ、息子の命を賭けての大芝居、冷酷非情ですね。 こんな上司の下で働いていたら、胃に穴が空くか、心が折れるかして、休職に追い込まれそう。(笑) 信幸が気の毒になってきました。
国衆のキャラもいいですね。 室賀なんて、髪の毛があるから、西村さんに見えませんでしたよ。(笑) 出浦といい、一癖も二癖もありそうな人物が演じるので、説得力があります。 いつも出てくる勢力地図も、分かりやすくて助かります。
そうそう、今回は、茂誠に三谷さんの人間愛を見ました。 彼は、初回から、勝頼を閉め出すとき、櫓の上で泣いていましたもんね。 そんな彼と松を、ちゃんと会わせてあげました。 しかも、この場面を通じて、楽観的な信繁と生真面目な信幸の性格描写まで、やってのけちゃいましたよ。 あの状況で、茂誠に寒いといわせる三谷さんが好きです。(笑)
家康の小物感というか、細かさ、みみっちさが、今回もよく表れていました。 彼も、信繁同様、これから成長していくんですね、楽しみです。
きりと梅もいい感じになっています。 梅が活発、という設定もいいですね。 きりが、信繁におぶってもらおうとしたところに堀田作兵衛がやってきた時に見せた表情、お見事でした。 関心を引こうと、薪を乾かしているという意味不明の話をしたり、梅の櫛を確かめたり、迷うことなく信繁の背中を選んだり、とてもいじらしかったです。
忍者屋敷のような真田の屋敷で、今後、どんな権謀術数が繰り広げられるのか、楽しみです。
それでは来週も、のるかそるかの大勝負を仕掛け、覚悟を持って決めたことを叶え、一筋縄ではいかぬ者たちをまとめ上げ一体であることを示し、窮地に立てば立つほどやる気を起こし、人は皆、欲のために動くと知り、きっと困難を切り抜けられると信じ、世の中何が起こるか分からぬと打てる手を打ち、敵を欺く前に味方を欺き、残りの生涯を掛けて償うのが誠のけじめと知り、ここは真田の里、私が守らなくてどうする、そんな気概で、こぴっと仕事がんばれば、方々から声を掛けられている、うまみのある人物に違いない、わしも味わってみたいものじゃ、と思ってもらえるじゃんね。
「叔父上は、私の鑑とするお方です。私も兄信幸にとってそんな弟でありたいと思います」 CATCH A DREAM!! |
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