投稿日:2015年10月23日 (金) 18時18分
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みなさん、こんばんは。 今週も、気持ちいい日が、続きました。
さて、今週の『あさが来た』は、ついに御一新になりました。 あさが、さわやかで、嫌みがなくて、不快感を全く感じなくて、清潔感いっぱいで、本当に毎朝、楽しみです。 これを全部裏返すと、前作の感想になっちゃうのよね。(笑)
では今回も、土曜日から振り返っていきましょう。 あさの新次郎へのお願いは、大福帳を見せて欲しい、ということでした。 貸してるお金と、返ってきているお金がどれくらいあるのか、大名への貸付高を整理したい、って、あさは、しっかり者ですね。
厨房では、よのが、かのから、毎夜、床を共にしている、と聞いて、孫の誕生を夢見ます。 その寝所では、新次郎からプレゼントされたパチパチはんを使って、あさが、貸し金と返金の金額を算出していました。 新次郎は、とうとう、読み合わせまで、手伝わされてしまいました。 あさに、すっかり骨抜きにされちゃってますね。(笑)
しかし、寝所には、大福帳が、所狭しと、置かれていましたけど、これじゃ、正吉に、ばれちゃいますよね。(笑) その晩見た大福帳は、翌朝までに元に戻しておかないとね。(笑) 一週間後、すべての大福帳を点検した結果、900万両もの大金が、貸し付けられていました。 おいおい、雁助は、あさに、長州藩、薩摩藩など百数十の藩に、トータルで百万両近くを貸しいる、といってましたけど、その9倍じゃん。 大番頭が、貸し金の総額を、概算ですら把握していないって、加野屋さん、大丈夫なのか。(笑) 新次郎と、蔵に入ってみると、昔、山ほどあった千両箱が、ほとんど消えていました。
翌朝、あさは、正吉に、意見しにやってきました。 使用人たちの、おおー来た来た、また、おあさ様が来た、今日は何をしでかしはりますのやろか、という声に笑ってしまいました。 近藤勇じゃー、というあさが、近所の子供たちにいわれていたのと、同じですね。(笑)
あさは、お父様、貸したお金、回収しませんか、戦が始まってしもてから慌てたんでは、遅いさかい、と正吉にいいました。 さらに、世の中がまるで変わってしまうのやとしたら、人やお店かて変わっていかな、生き残られへんのやさかい、と付け加えました。
正吉は、商人の家に、おとなしいだけの嫁は要らん、根性のあるごりょんさんになってほしいと思う、けど、あんたの考えは、ちょっと浅はかや、とたしなめました。 さらに、加野屋の取引先は、何十年、何百年という古い付き合いがあり、あわてて、取り立てに行ったら、お相手さんを信用してへんということになる、と続けました。 互いに、まことの心を持って、信用し合わんことには、どうにもならしまへんやろ、という正吉の言葉に、あさは、すんまへん、そのとおりだす、と素直に謝りました。 このあたりが、憎めない、というか、ヒロインに感情移入しちゃうのよね。 正吉も、頭から否定するだけじゃなく、変わっていかんと生き残られへん、という、あさの言葉をかみしめていました。
その後、新次郎が謡いに行こうとしていると、あさが、何かほかに、手ぇあれへんのやろか思て、と思案しています。 新次郎が、何でそないに一所懸命になれるのやろなぁ、というと、あさは、何でそないに一所懸命やあれへん振り、しはるんだす、と尋ねました。 核心を突いた質問を、直球で投げ込んできましたね。(笑)
惣兵衛に会ったらよろしく、というあさに、新次郎は、惣兵衛のやつ、最近見かけへんな、山王寺屋が、最近ちょっとまずいんちゃうか、いう噂も聞いたけど、といいました。 それを聞いたあさは、山王寺屋に向かいました。 店の前まで行くと、はつの弾く琴の音が、聞こえてきました。
ごめんやす、というあさの声を聞いたはつは、喜んで店先に向かいます。 ところが、その姿を、菊に見つかってしまいました。 菊は、奥向きが店に出たらあかん、と、はつをとがめました。 菊は、こないだも、お母さんが、来はったばっかりやわな、あんたなんぞ、この家に文句があって、文にでも書きはったんと違いますのんか、と疑心暗鬼状態です。 よっぽど、店の内情が苦しいのを、知られたくないんですね。
菊は、はつを蔵に閉じ込めてしまいました。 蔵の鎖錠は、加野屋と同じ物でしたね。(笑) はつは、旦那様、助けとくなはれ、と惣兵衛に懇願しますが、彼は、悩みながらも、母親の後に続いて行ってしまいました。 蔵に閉じ込めるのは、和枝さんと同じいけずですけど、こちらの方が、強烈ですね。
あさは、山王寺屋の店の者から、はつは出掛けた、といわれました。 その後も、何遍訪ねても、若奥様は出掛けてます、といわれ、さすがに、あさは、不安になりました。 そんなあさを横目に、新次郎は、三味線の稽古に出掛けようとします。(笑) それを鋭く見抜くあさ、夫婦になって、お互いの癖を把握しはじめましたね。
そこへ、使用人の弥七が、はつからの文を持ってきました。 文には、はつのきれいな字で、元気で暮らしているので、心配しないように、と書かれていました。 それを聞いて安心して出掛けようとする新次郎に、あさは、スカスカの蔵のことも心配だ、と告げました。 しかし、新次郎は、商人がしたり顔で、天下国家を論じたらあきまへんのや、と言い残して、去って行きました。
あきらめきれないあさは、蔵の中で、雁助に、なんでだす、と質問攻めをします。 千両箱がなくても、大名貸しの証文があるから大丈夫、という雁助に、何で金でも銀でもないこのひらひらの紙を信用できるんだすか、 こんなん鼻紙にして、チーンしてしもたら、とあさは、納得できません。 とうとう、雁助は、逃げ出してしまいました。(笑)
店では、正吉が、あさを念頭に、よのに、ええ奥さんをもろた、と感謝しました。 よのは、最近、あさが、山王寺屋や米会所のあたりまで、しょっちゅう出歩いている、と噂になっている、と告げました。 それを横で聞いていた新次郎が、わての嫁はんは、サンマやカツオと同じやさかい、泳ぎ続けてな死んでしまう、といいました。 確かに、今では、サンマやカツオ、マグロなど、泳ぎ続けないと死んでしまう魚の生態が、知られていますけど、幕末に、そんな知識が、庶民の口から出るほど一般化していたとは、とても思えません。 ちょっと、この例えは、失敗だったんじゃないでしょうか。
その頃、山王寺屋では、蔵から出されたはつが、事実上、部屋に軟禁されていました。 子供を産むため、豪華な食事が用意されますが、はつは、箸をつけません。 お守りを握りしめ、あさ、どないしょう、うち、もう笑われへん、と弱音を吐きました。 あのはつが、弱音なんて、孤立無援で、よっぽど、辛い思いをしているのね。
あさは、新次郎が、三味線や浄瑠璃の仲間と回し読みしている本を見つけ、商売の役に立つ本があれば、読ませて欲しい、とお願いしました。 それは、了解してもらえましたが、うちが、お店の貸付先に、お金返してもらいに行ったらあきまへんやろか、という願いは、却下されました。(笑) 最後に、三つ目のお願いとして、自分と相撲を取って欲しい、とあさは、新次郎に迫りました。 根負けした新次郎は、あさを正吉の元に連れて行きました。
あさは、宇奈山藩が、10年前に付き合い始めてから、一度も金を返しておらず、他からも借金しているようだ、といいました。 正吉は、あさに、宇奈山藩限定で、やってみなはれ、といいました。 くぅー、鴨居の大将、欣次郎さんを思い出しますね。
翌朝、あさは、うめと亀助を引き連れ、宇奈山藩の蔵屋敷を訪ねました。 しかし、門番に、あっさり突き飛ばされてしまいました。 そこに、ちょうど、ふゆが、通りかかりました。 ふゆは、はつが最近は外出せず、文を書くことも禁じられている、けど、あさのことを思うと元気になるといって、守り袋を見ている、と告げました。 ふゆから、山王子屋で働く者がどんどん減らされている、と聞いたあさは、心細い思いをしているはつを慮り、亀助から矢立てを借り、半分に裂いた手ぬぐいに、メッセージをしたためました。 亀助は、ふゆに一目惚れしたみたいですね。(笑)
しかし、そのメッセージをふゆが受け取るところを、山王子屋の番頭に目撃されていました。 早速、報告を受けた菊が、ふゆを出迎え、懐の物を渡せ、と迫りました。 逃げ回ったふゆは、メッセージの書かれた手ぬぐいを、井戸に落としてしまいました。 でも、おかげで、おとがめなしとなりました。 このあたり、菊は、詰めが甘いよね。 逃げるってことは、やましいことがあるんだから、厳しく問いただすと共に、店中を探させなきゃね。(笑)
ふゆは、はつに謝罪し、最近、あさは、貸した金を藩の蔵屋敷まで行って、回収してまわっている、という話を伝えました。 はつは、疑問に思いつつも、自分は、外で何が起きているのか知らず、商いのことも知らず、菊や惣兵衛の言いなりになっている、井の中の蛙だ、と感じました。 ようやく、封印していた自我が、目覚め始めましたね。
一方、あさは、メッセージの内容を悔やみますが、守り袋を見つめ、はつを思って、気合いを入れ、閉じようとする宇奈山藩蔵屋敷の門に向かって、相撲の姿勢で突っ込みました。 もっと、もっと、腰低く、とあさを応援するうめ、よかったですね。(笑) 門は突破しますが、二人の侍に抱えられ、外に放り出されました。
山王子屋では、相変わらず、徳川方が、金を借りに来ています。 惣兵衛は、両替屋は打ち出の小づちやあらへん、と一人毒づきます。 菊は、お店が難儀なこと知られたらあかん、とたしなめました。 栄達も、大政奉還やいうたかて、そう簡単に天下に変わりはあらへん、今は苦しゅうても、恩貸しといたら、なんぞあった時に、きっと、助けてもらえる、と希望的観測を口にします。
そこへ、はつがやってきました。 菊は、奥向きの来るところじゃない、と追い返すかと思いましたが、店に入ることは、黙認しちゃいました、甘いなぁ。(笑) あさの噂話をする菊に、はつは、あさはあさなりに、お家を守ろうとしているのでございましょう、とかばいました。 そして、うちら姉妹は、父から、妻の務めは、お家を守ることといわれてきた、だから、この家の外では今、一体どんな大変なことが起きているのか、ちょっとでいいから、教えて欲しい、と頼みました。 しかし、菊は、はつの役目は子を産むことだけ、その役目もまだ果たしていないのに、余計な詮索はするな、と取り合ってくれませんでした。
加野屋では、あさの執念に、新次郎が、だるまさんもびっくりの根性してますな、と舌を巻きました。 よのは、みんなから、あんたんとこの嫁さんは、働き者でよろしなぁ、といわれると皮肉をいいますが、あさには通じません。(笑) しかし、よのが、ずっと胸を痛めていた、と知ったあさは、素直に、ほんまに、申し訳ございまへん、と謝りました。 ホント、こういう素直なところ、好感度が上がります。
その時、加野屋には、石が、投げ込まれました。 そりゃ、お金を貯めこんで、貧乏人には見向きもせず、お大名ばかりに貸し付ける、というイメージが、ありますもんね。 世間の風当たりも、強くなりますわな。
そんな中、あさは、またもや、宇奈山藩の蔵屋敷を訪ねました。 いつものように、勘定方が不在といわれたあさは、戻ってくるまで動かない、と往来にござを敷き、座り込みました。 うめが、ござを準備していた、ということは、最初から、こうする計画だったのね。(笑) 亀助に、腹くくりなはれ、といううめ、格好良かったっす。(笑)
あさは、往来では外聞が悪い、といわれ、屋敷内に案内されましたが、待合室として紹介されたのは、なんと、加子部屋でした。 このドラマでは、加子という字を使っていますけど、水夫とか水手とかの方が、よく目にしますね。 要は、米俵を始め荷物を船で運ぶ役目の人たちでがんすな。 あんな狭い部屋に閉じ込められて気の毒に感じますが、当時では、それでもましな方だったのかもしれません。
宇奈山藩の役人の意に反して、あさは、表よりずっとよいと、奥に入っていきました。 うめはお役御免、亀助は、付き添いを命じられました。(笑) あさを置いてあっさり帰宅するうめと嫌がる亀助に、笑わせていただきました。 あさは、マイ枕まで持参していました。 往来でも、寝る気だったんでしょうかね。(笑) 怖い物知らずといおうか、知らぬが仏といおうか、全く恐怖を感じず、朝まで爆睡です。 亀助にもたれかかって眠る加子は、ひょっとして、そっち系だったりしてね。(笑)
加野屋では、新次郎も正吉も、あさを気遣って、仕事が手に付きません。 もっとも、新次郎は、いつも、手が付かないんですけどね。(笑) わては何があっても、加子部屋なんかに寝とうない、金輪際寝られへん、という新次郎に、そらそうでおますわなぁ、と突っ込む雁助。 うめは、落ち着いて、今のおあさ様は、大坂に来て一番生き生きしておられます、そやからお金の事は分かりまへんけど、お身体だけはきっと、ご無事で戻られると思います、と励まします。 うめは、あさが加子部屋に嬉々として入っていた様子を見ていますからね。(笑) さらに、ご存じのようにおあさ様は、可愛らしいだけのお嬢様さんじゃございまへん、といううめに、それもほんまそうでおますわなぁ、と突っ込む雁助。
そこへ、弥七が、あさの帰りを伝えに来ました。 一同は、慌てふためきながら、店から表の通りへ飛び出します。 落ち着いた素振りで、見事な突っ込みを入れていた雁助が、顔色を変えて飛び出してきた場面、よかったです。 彼なりの、あさへの愛情が、感じられました。 あさの大股歩きを気にするうめも、よかったです。
なんと、あさは、勘定方を根負けさせ、借金の一部を返済してもらい、おまけに朝食までごちそうになってきました。 子供の頃、糸子が、嘘泣きをして、奈津の父親、吉田屋の旦那から、売掛金を回収したときのことを思い出しました。 あほ、わてが心配してたんは、お金やあれへん、あんたや、いざとなったら、お金なんかどうでもええんや、大事なんは、あんたの身ぃやで、という新次郎、すっかりあさに入れあげていますね。(笑) 新次郎の思いが、今一つ、あさに届いていないところが、またいいのよね。(笑)
その後、あさと差し向かいになった正吉は、礼をいい、泳ぎ続けるもんだけが時代の波に乗っていける、いうことかもしれまへんなぁ、とつぶやきました。 そして、あんた今日から、正式に加野屋の働き手の一人だす、どうぞ、よろしゅうお頼み申します、といい、あさは、表の仕事ができるようになりました。 そして、水を得た魚のように、借金を回収していきました。
一方、はつは、井戸を見て、ため息をついています。 すると、大きな音が聞こえ、そちらに行くと、栄達が、薪割りをしていました。 栄達は、はつに、ぼそっと、すまんかったな、と謝りました。 あさじゃなく、はつを強引に当家の嫁にしたことに、罪悪感があるんですね。 いい人で、よかったよ。 そこへ惣兵衛がやってきて、徳川様の幕府が、のうなってしもた、というと、その場に崩れ落ちました。
1868年(慶応4年)、加野屋でも、新聞を読んだ亀助が、徳川様が戦に負けて、大坂城に逃げ帰ってきたて、と叫びました。 そして、半鐘の音に、あさたちが、表に飛び出すと、大坂城が、燃えていました。 『八重の桜』をご覧になった方は、お分かりですよね。 大坂城に逃げ帰った慶喜が、容保を連れて、城を抜け出し、船で江戸に逃げ帰っちゃったのよね。 そして、その後、大坂城は、原因不明の火災で、ほとんど消失しちゃうのよね。 今思い出しても、小泉くんの慶喜の、あの優柔不断さにいらつきます。(笑)
薩長を中心とした新政府は、大坂の商人たちを、二条城に召集しました。 戻ってきた正吉は、ショックのあまり、ぎっくり腰を患いました。(笑) 新次郎は、腰抜かしてしもただけや、と笑ってましたけどね。(笑) なんと加野屋に、江戸に向かう倒幕資金として、10万両を調達しろという、ご沙汰が下りました。 千両箱で数えたら、100箱だす、というあさに、数字に強いなぁ若奥さん、と非常事態にも関わらず、感心する亀助。(笑) あさは、何で新政府の倒幕資金を商人が調達しなければならないのか、と不満を漏らしますが、雁助は、仕方がない、とあきらめ気味でした。
山王子屋では、新政府の要請は断ればいい、という考えの菊の独壇場です。 新政府に金を払おう、と進言する惣兵衛を、お前の代になって店が苦しくなった、お前が何もしないからこんなことになった、黙って私のいうことを聞いていればよい、としかり飛ばします。 完全に、菊のワンマン経営、栄達も惣兵衛も、全く相手にしてもらえません。
惣兵衛は、愚鈍かと思いきや、先見の明はあるのね。 惣兵衛が震えていたのは、貧乏揺すりじゃなくて、菊への怒りからなんでしょうね。(笑) 心配して立ち聞きしていたはつにも、さすが今井屋さんは、お育ちのええこと、と火の粉が降りかかりました。
一方、加野屋では、正吉が、あさに腰を按摩してもらいながら、今回の件についての意見を求めました。 あさは、正直いうと、新政府なんぞに一銭も用意したくないが、悔しいけど、借金してでもお金を作って、新政府に払うた方がいいと思う、と答えました。 正吉が理由を尋ねると、今、この日本は、新しい朝を迎えようとしているのではないか、と、新次郎の、ようよう考えて進んだ道には、必ず新しい朝が来る、という言葉を思い出しながら、あさは返答しました。 正吉は、宇奈山藩が返金したり、土方さんが許したのは、あんたの了見に一本、筋が通っているからだ、言葉は上手じゃないが、人の心をつかむ、と褒めました。 そして、うちのお金、全部数えてみてくれへんか、私なぁ、あんたの考えに乗ってみようと思います、この加野屋は、新政府と結び付きますのや、と決意を語りました。
新政府では、才助が、大久保から、新政府の参与、外国事務掛になるよう、頼まれました。 伊之助と一緒ですね。(笑) 才助は、ようやく日本という国を育てる日が来た、と腕撫します。 美和も、似たようなことをいってましたね。(笑)
寝所では、あさが、蔵の金を集め、パチパチはんを弾いています。 いくら10万両には全然満たないとはいえ、あの大金を勝手に、部屋に持ち出していいのか。(笑) しかも、そのあと、出掛けようとする新次郎を追いかけた時には、あの大金が、部屋に置きっ放しになっていたのよね、なんと無防備な。 お店として、こんなこと許していいのか。(笑)
それはともかく、あさが、お金が欲しい、と叫ぶと、新次郎は、井原西鶴の日本永代蔵を渡し、その中の、貧乏人が長者に、貧しさという病を治す薬はないものか、と聞く話をしました。 あさが、それを読んでいる間に、新次郎は外出しようとしますが、昔から母の本を盗み読んで速読を身につけた彼女に、見つかってしまいました。(笑)
1868年(慶応4年)5月、新政府は、全国で使える新しいお金を造ることにし、大坂で使われていた銀貨を、使えなくしました。 この通達によって、大坂の町は大混乱となり、手形をお金に引き換えようと、多くの人たちが加野屋や山王子屋など両替屋に詰めかけました。
加野屋でも、銀目手形を金に替えるため、大勢の人が、押しかけました。 みんな、口々に主人を出せ、と騒いでいます。 新次郎は、腰痛で寝込む正吉の代わりに、あさに白羽の矢を立てました。 拒むあさに、新次郎は、おなごいうたかて、男以上にしっかりしてるがな、あんたは、普通のおなごやあらへん、わてが見込んだ格別なおなごや、とその気にさせることに成功しました。 そりゃあ必死ですよね、説得できなければ、自分が、矢面に立たされますもんね。(笑) 店の外では、雁助が、大番頭として、主人に成り代わり、平身低頭、銀目手形を金手形に換えて振り直します、と説得を試みますが、相手にされません。 で、とうとう、分からん客人や、さっきから腰低うして謝っとったらつけがってしもて、ええ加減にしさらせ、とブチ切れました。(笑) しかし、その啖呵が、火に油を注ぎ、みんな、店に押し寄せます。 その時、お待ちやす、とあさが、立ちはだかりました。
あさは、両替屋は金をやり取りする商い、お金いう大事なものを扱うのに、お互いに信用しなければどうなる、と説得しました。 雁助は、その堂々たる素振りをまぶしそうに見つめていましたね。(笑) しかし、なかなか騒ぎは、収まりません。 乳飲み子を抱えた女性から、年寄りや子供に食べさせるものもなくなった、と窮状を訴えられたあさは、心を揺さぶられました。
店に戻ったあさは、新次郎たちに、正吉の許しがあれば、できるだけ手形を金に替えてあげたい、といいました。 それを聞いた正吉は、あさちゃんの言うとおりにせえ、困ったはる人には、さあ、換えたげなはれ、かまへん、出しなはれ、あさちゃん、これでよろしいのやな、わしが許す、新次郎、蔵開け、と命令口調でいいました。 初めて、経営者としての厳しさを、前面に押し出しましたね。
雁助の、新政府に有り金全部用意して、今蔵にあるのは最後の金銀だす、あれに手ぇつけたらもうどないもなりまへん、という言葉から、新政府への10万両は、なんとか工面したみたいですね。(笑) あさは、丁寧に一人一人の話を聞き、結局、ほとんどのお客さんに、金銀を払い戻してしまいました。 エリーも多用した、情けは人のためならず、じゃないですけど(笑)、きっと、この苦しい時に助けてあげたことが、後に、何らかの形で、きっと返ってきますね。 ところで、ほとんどということは、払い戻しを受けられなかった人もいたのね。(笑) いったい、どんな人なんでしょうね。(笑)
その結果、蔵の中は、ほとんど空っぽになって、商売に支障をきたすようになりました。 正吉は、お金の融通をしてもらえる心当たりが、一箇所だけありました。 それは、正吉が昔、お金を都合してあげた、奈良の玉利さんです。 寺や神社の修繕を一手に引き受けて、一代で財を成した人だそうです。 あさは、それを聞くと、調べてみますと言い残し、部屋を飛び出しました。
部屋に残された正吉は、新次郎に、あさちゃん好きやといってくれ、結果として、嫁に来てくれたことに礼をいい、ふらふらして、ろくでもない息子やったけれども、人を見る目はあった、と褒めました。 そして、あさは金の卵だっせ、卵というもんはな、誰ぞ温めてくれるもんがないと、かえらしまへんのやで、あさちゃんを守って助けてやるというのも、お前の役目やないかいな、と諭しました。 最後に、新次郎、わしな、私やお前の代で、この加野屋を潰しとうないのや、と本音が出ました。 その会話を、あさ、よの、かのも聞いていました。
その頃、山王子屋では、はつが菊に、この家のために自分にもできることはないか、と尋ねました。 活気もなく、静まりかえり、庭の雑草が伸びている店の様子が、痛々しいですね。 しかし、菊は、琴が弾けても何の役にも立てなかった、と過去形で、ため息を吐きました。 返す刀で、ふゆには、今日限りで、出てってもらう、と通告しました。
ショックを受けたはつは、もう嫌や、と泣きながら、古井戸にふゆが落としたという、あさからのメッセージのことを思い出し、底をのぞき込みました。 てぬぐいを見つけたはつは、竿ですくい上げようとして、落ちてしまいました。 明らかに、竿が、短すぎましたよね。(笑) あれだけの深い所に落ちても、けがしないのは、ご愛敬ですね。(笑) ついでに、野暮を承知でいわせていただくと、かなり時間が経過し、雨も降ったでしょうし、墨で布に書いたものが、あれだけはっきりと残っているなんて、ありえないんですけどね。(笑)
その布には、へのへのもへじと、わろてね、という言葉が、書かれていました。 はつは、山王子屋に来て、初めて声を出して笑いました。 確かに、あさが、何であんなことを書いてしまったのか、と悩んだのも、むべなるかなですね。(笑)
はつに気づいたふゆが助けを呼び、惣兵衛が、駆けつけてきました。 惣兵衛は、家の柱に縄を結び、それを伝わって、井戸の底に降りました。 よかった、死んだかと思った、とはつを抱きしめました。
菊の目の届かない密室のような場所ですし、初めて惣兵衛が、素直にはつへの思いを表に出しました。 おそらく、はつの命が危ない、と思い込んだ、追い込まれた状況で、無意識に、本能の赴くまま、前作でいうと右脳で(笑)、抱き寄せたんでしょうね。 ようやく、菊の呪縛を脱することができて、よかったですね。 へのへのもへじが、惣兵衛と似ているというやりとりは、心の通い合った仲睦まじい夫婦そのものでしたね。 でも、その後、二人は、どうやって、脱出したんでしょうね。 はつも、あの縄を使って、よじ登ったのかな。 菊に見つからなくて、よかったですね。(笑)
1968年(明治元年)9月、あさは、正吉の代理として、奈良の玉利さんへ、借金を申し込みに出掛けました。 今井家は、菊によると、うまいことやって新政府御用達となり、羽振りがよくなっています。 この、うまいことやって、という言葉に、菊さんの悔しい思いが、込められていますね。 その菊は、はつに、その実家に戻って、お金を借りてくるように命じました。
あさが、ついに表の世界に乗り出し、その才能をいかんなく発揮しはじめましたね。 はつも、否応なく、表の世界に巻き込まれていきそうです。 盛り上がってきましたね。 明日以降も、目が離せません。
さて、第3週の関東地区の最高視聴率は、加野屋にお金の工面にやってきた新選組副長、土方歳三に、あさが、幕府に何かあったら400両は返してくれるのか、と聞いた16日(金)の23.1%で第1位でした。
月曜から土曜までの詳細は、19.9%、20.6%、21.5%、21.9%、23.1%、21.6%で、第3週の週平均は21.43%、『ごちそうさん』の第3週の平均は21.65%、『花子とアン』の第3週の平均は22.07%、『マッサン』の第3週の平均は20.60%、『まれ』の第3週の平均は19.68%、でした。 ドラマの全平均は20.65%、『ごちそうさん』は21.31%、『花子とアン』は21.71%、『マッサン』は20.82%、『まれ』は20.42%でした。
関西地区の最高視聴率は、新婚初夜の日、はつが、抱き寄せる新次郎を投げ飛ばし、右手の小指にけがをさせた12日(月)の20.6%で第1位でした。 名古屋地区の最高視聴率は、あさの口を自分の唇で蓋をした新次郎が、彼女をお姫様だっこをして寝所に運び、すばやく障子を閉めた16日(金)の21.4%で第1位でした。
『花燃ゆ』の第42回は、関東地区が13.0%でした。 ちなみに、八重の第42回は14.8%、官兵衛の第42回は15.6%でした。 第42回までの全平均は、花燃ゆ11.93%、官兵衛15.75%、八重14.75%です。 関西地区は、13.3%でした。 名古屋地区は、14.7%でした。
今週は、なかなかよかったんじゃないでしょうか。 脇差しのエピソード、紀行としっかりリンクしていました。 これまでは、紀行と矛盾する描写が、本編で多すぎましたからね。(笑) もう、散々書きましたけど、こういうふうに、史実をうまく取り込むのが、大河なのよ。
しかし、県令の公舎に美和と寿が到着したとき、阿久沢せいと、県庁職員の妻たちが、出迎えしたのには、驚きました。 伊之助になら分かるんですけど、なんで妻に、と思っちゃいましたよ。 しかも、自分たちの膳も最初から並べ、お銚子まで載せられていましたもんね。(笑) で、女たちで散々飲み食いした後、帰ってきた伊之助は、一人寂しく残り物って、これはないんじゃないの。(笑)
しかも、あの元徳の側室軍団と同じく、一度顔を見せただけで、あとは放置って、これはひどすぎる。(笑) 結局、飲み食いしたいだけだったのかな。 せいなんて、新井領一郎の渡航費用捻出のため、根回しに来た伊之助を見て、あら、いい男って、つまり、それまで一度も、彼の世話をしていない、これが初対面だったってことですもんね。(笑)
夫の権蔵は、生糸相場を牛耳る、陰の県令といった存在なのね。 彼の口から、木戸や大久保の推薦で県令になった、と伊之助を持ち上げる言葉が聞かれましたけど、初めてですよね、このドラマに大久保が登場したのは。 なんせ、明治政府は、木戸と伊藤と野村靖しか出てきませんもんね。(笑) そうだ、権蔵が登庁してきたとき、土足で部屋に上がって、鈴木や工藤も土足で追従しましたね。 変なところが、西欧化していたのね。
伊之助が、富岡製糸場を視察して、私立の器械式製糸場、水沼製糸場を作り上げた星野長太郎と出会いました。 この視察の場面、製糸場の内部が、見事に描かれていました。 しかも、これみよがしに見せつけることなく、さらりと流しました。 やれば、できるじゃん。(笑)
星野は、米国商人に中間搾取されないよう、現地会社を設立し、直接、生糸を販売しようと考えていました。 そのため、弟の新井領一郎を渡米させたいと考えていました。 彼の孫娘が、アメリカ駐日大使、ライシャワーの妻、ハルなのね。 こういう情報が、大河には、大切なのよ。 ようやく、少しは、大河らしくなってきました。
それにしても、これを応援するため、伊之助は、奔走しました。 鈴木さんもいってましたけど、民間人のために税金を使うには、それなりの大義名分がないとね。 ましてや、伊之助は、公平を期すため、と祝いの品を返しているんだからね。 なんか、行動が、矛盾しているよね。 しかし、渡航費用を県庁が出すことが決まり、明治9年3月10日に出発することになりました。
なーんだ、まだ、明治9年になるかならないかの話だったのね。 あたしゃ、てっきり、もう明治10年になるくらいだと思っていましたよ。 だから、萩の乱は、スルーだと思ったのに、次回やるのね。(笑)
そうそう、敏三郎が、亡くなりました。 まさかの美和の、群馬と山口の旅が実現するとは。(笑) 京と山口で驚いていた自分が、恥ずかしいです。(笑) まさか、次回も、萩に帰るんじゃないでしょうね。(笑)
それでは来週も、毎日、身を粉にして働き、他人の好意を無にせず、万事公平を期し、困ったことがあったら、いつでも力になり、互いを思いやり、納得するまでテコでも動かず、生まれや身分に関わりなく志を抱き夢を見、少しでも可能性があるなら、それに賭け、ただでは飲まず、日本国の発展に寄与するために尽力する、そんな気概で、こぴっと仕事がんばれば、新しい人生に、向かっていくことができるじゃんね。
「私の生まれ育った長州では、男に二言は、ありません」 CATCH A DREAM!! |
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