[49] ごめんなさい絵板の煙草バルに湧いてしまいましたorz ギャグです |
- ウホッ!いいユンボル - 2007年04月26日 (木) 23時32分
うるさい奴のいない隙を縫って、バル・クロウ(身体年齢約10歳)は しめしめとポケットに隠し持っていた小箱を手に取った。 彼が以前の人生で愛喫していたそれを手に入れたのは、偶々補給に立ち寄ったガススタンドだ。 相方の目を盗み、向こうで車の様子を見ている「兄貴」用に、と店の主人に言ったら 少しボケの入ったその爺さんは、何の疑いもなくバルに一箱売ってくれた。 (ああ、何年ぶりのヤニだろうなぁ……) 中身は実年齢よろしくオヤジくさい感慨をかみ締めつつ、いそいそとフィルムを切り一本取り出すバルの姿は しかし傍目から見ると立派な不良少年――しかもかなりマセた――である。 外見にそぐわぬ堂に入った仕草で咥えると、同様に馴れた手つきでマッチを擦り火を点す。 すぐには肺に入れずにゆっくりと紫煙を燻らせ、味わうその顔は幸福そのものだ。 「ふうっ……」 吐く息すら惜しむように、目を閉じてその薫香を愉しむ。 だが至福のひと時は、手にした一本を半ばも吸い切らないうちに、無粋な声に破られた。 「たーいちょー!もー、何でこんなとこ居たんすか?……って」 「ゲッ!!ヤバ……」 「あーっ!!?」
数分後、マッチごと没収されてむくれるバルの姿が、助手席にあった。
上司のいない隙を縫って、ニッパはこっそりとポケットに保持していた小箱を手に取った。 それは虚弱体質が功か仇か、この歳になるまで彼には全く縁の無かった代物だった。 封を切られた小箱は、彼のパートナーであり思い人でもあるバル・クロウが以前の人生で愛喫していたもので 取り上げたはいいが何となく捨てられなかったブツである。 ふとした好奇心から一本取り出すと、ニッパは何となく周囲に目を走らせ、人気の無い事を確認する。 今しがたまであの人の唇にあったのと同じものと意識した途端、心拍数の上がるニッパである。 おまいらさんざっぱら乳繰り合ってる間柄で今更間接キスもなかろう、という外部からのツッコミをさて置き まるで煙草デビューする中学生のような挙動不審さで、周囲を伺いつつ一本口にするニッパー・トーラス (四捨五入30歳)。 ドキドキとマッチを擦ると、彼は火を点けて一息に吸い込んだ。 「○×□凸凹△☆――――!!」
「ゲホ!ガホ!ガハ!!!し……死ぬ……」 紫色の顔で口から泡を吹いてガレージに倒れ伏すニッパが、バルに発見されたのはその数分後の事だった。

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