[12] 「 しらす 」 の理念に貫かれている、天皇陛下の大御心 |
- 明鏡 - 2014年06月10日 (火) 13時12分
明治維新を成し遂げた先人たちの壮大な憲法制定のドラマがいま明らかになる
日本国憲法改正に この視点を忘れてはならない。(帯封より)
『 明治憲法の真実 ― 近代国家建設の大事業 』( 伊藤哲夫著 致知出版社発行)から
【 「 しらす 」 と 「 うしはく 」 の違い 】 121頁〜124頁 ( 要 約 )
《 こうして国典の研究をしているとき、井上毅はある疑問を抱きます。
それは「治める」という意味にかかわり、『古事記』に「うしはく」と「しらす」という二つの言葉が
使い分けられている事実に気づいたことがきっかけでした。・・・
そのきっかけを与えてくれたのは『古事記』に出てくる大国主神(おおくにぬしのかみ)の
「 国譲り 」 の一節でした。・・・
そこに「大国主神が『うしはける』この地」と「天照大御神の御子が本来なら『しらす』国である」という
二つの言葉が出てくるのです。・・・
すると、天照大御神や歴代天皇にかかわるところでは 「 しらす 」 という言葉が使われ、
大国主神をはじめとする一般の豪族たちのところでは 「 うしはく 」 という言葉が
慎重に使い分けられていることがわかったのです。》
・・・(井上毅は)その根本については、あくまでもこの 「 しらす 」 の理念に着目する限り、
これこそが国体の本質でありこれに基づかずして日本の憲法はつくることはできない、という確信は
深まるばかりだったのです。 》
《 ・・・それゆえ、その国体を まず基本に憲法案を起草すべきだと考えるようになったのです。 》
《 「 しらす 」 は 「 知る 」 を語源としている言葉で、
天皇はまず民の心、すなわち国民の喜びや悲しみ、願い、あるいは神々の心を知り、
それをそのまま鏡に映すように我が心に写し取って、それと自己を同一化させ、
自らを無にして治めようとされるという意味である。 》
《 「うしはく」というのは、西洋では「支配する」という意味で使われている言葉と同じである。
つまり、日本では豪族が占領し私物化した土地を、
権力を持って支配するようなとき、「うしはく」が使われている。》
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