”笑うことの力と効果 ” (344) |
- 日時:2014年09月14日 (日) 04時38分
名前:伝統
*伊丹仁郎医学博士(すばるクリニック院長)講演録より
私たちの体の中には五十億個以上のキラー細胞がいます。 キラー細胞は誰の体の中にもあり、ガン細胞攻撃・破壊する働きを持っているのですね。 つまり癌の予防は、このキラー細胞が強いか弱いかが大きく影響するのです。
これまで人為的にキラー細胞の働きを強くする方法は、全くわからなかったのですが 私が行なった研究では、誰でも出来る簡単な方法で自分のキラー細胞を強くすることが できるとわかりました。
それが「笑うこと」と「イメージ訓練」です。
まず「笑い」がキラー細胞を強くすることを証明したユニークな実験を紹介します。
大阪のお笑いのメッカ、「なんばグランド花月」に 19人のボランティアに行っていただきました。 そして3時間にわたり漫才や吉本新喜劇を見て、大いに笑ってもらったのです。
そして、その直前と直後に採血してキラー細胞の強さを測定したところ、 笑う前にキラー細胞の強さが正常値かそれ以下の方々は、 ほぼ例外なく強くなることがわかりました。
また膠原病やリウマチに関する免疫異常も、 笑った後では正常値に向かうことも明らかになったのです。
その後、別の実験も行ないました。
それは面白いことを見聞きしたり、また考えなくても、 表情だけ笑顔を続けるだけで、やはりキラー細胞が強くなることがわかりました。
誰にでも簡単にできる「笑い」や「イメージ訓練」などを活用すれば ガンの治療効果もずっと良くなるでしょう。
こうした研究結果に基づいて、私たちは身近な出来ごとを題材にして、 ユーモアのある話をまとめるユーモア健康法を勧めています。
私の勤務する病院では、ガン療養中の方やその家族、あるいは医療関係者、 一般市民などどなたでも参加できますが、「生きがい療法学習会」を定期的に行なっています。
そこでは必ず毎回「ユーモアスピーチ」を宿題にして、 その宿題を全員が学習会で発表するわけです。
「ユーモアスピーチ」は最近の身の周りの出来事を、聞く人が楽しく笑えるよう、2〜3分の 短い話にまとめたもので1週間に1話、参加者それぞれがノートに書きためたユーモアスピーチ を発表し、みんなでどっと笑うという、たいへん楽しい雰囲気で学習会をしています。
「ユーモアスピーチ」を作り、聴衆の前で話をするのは、 先の「笑い」の効果のほかに心理学的にたいへん良い効果があると思います。 なぜかというと、話を作るといっても、これは体験談なのです。
自分が体験したことを話にまとめるため、日々何か「ネタ」はないだろうかと、 自分の周囲の広い世界へ注意が向けられます。心が外に向くのです。 それは、俳句や川柳を作るように、ひとつの創作体験になるでしょう。
またその1週間、話をつくろうという生きる目標ができ、スピーチをするときには、 今現在この時間を、話をすることに打ち込む。今を一生懸命生きるという体験になります。
さらに自分の話を笑ってくれる人がいることで、人の役に立てたという、 社会参加の体験、生きている手応えを感じることにもなります。
<感謝合掌 平成26年9月14日 頓首再拝>
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