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ドラゴンクエスト・ファイナルファンタジー小説投稿掲示板


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チャット代わりに使われますと、せっかく一生懸命小説等を書いた方の内容がすぐに流れて見れなくなってしまいます。
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  第7章 1節:開発部門の日常 - 翼無き天使 (男性) - 2008年02月19日 (火) 17時19分 [756]   
 
 彼はアーヴィン=サンダース。25歳の独身。恋人なし。
 これでも開発部門の部門長。目にクマがあるのは今日が徹夜5日目だからである。充分な睡眠を取り、ヒゲを剃ればもう少し男前になるのだが、ライアンが幸か不幸か発明してしまったディテクターの、実験データの収集やらその改良やら量産やらコスト削減の試行錯誤やらでどんどん太陽が移動し、すでに地球を4周もしてしまった。
「さすがに、俺死ぬかも……」
アーヴィンが呻き声をあげながらソファに倒れ込む。
「アーヴィン部長〜、この仕事いつ終わるんですか〜?」
部下も同じく倒れ込む。開発部門の人間はみんなげっそりしていた。
「頑張れ、いつか終わるさ……」
「俺、このまま眠れるならもう目覚めなくていいです……」
もう一人の部下が辞世の句を残して墜ちた。
「寝るなよ〜。まだ仕事は山積みなんだぞ?」
「まぁ少しくらい寝かせてやれよ。お前だってもう70時間は起きっぱなしだろ。仮眠取っていいぞ」
「なに言ってんですか。部長なんてもう90時間はぶっ通しでしょ。俺たちだけ寝れませんよ」
ソファに顔を埋めたまま言う。
「それに今寝ちゃったら3日は起きない気がするんで」
「ははは、だな」
みんな苦笑する。
「それにしても本部長、またすごいもん作ってくれましたね」
「そう言うな。これで殲滅部門の奴らがずっと楽になる。それに、これが俺らの仕事だ」
開発部門には科学、物理学、材料学に始まり、哲学、心理学に至るまで、およそ学問と呼べるあらゆる分野のスペシャリストが集まっている。
様々な発明品で殲滅部門の任務をサポートする重要な、そして名実ともにWPKO一忙しい機関だ。過労・睡眠不足で倒れる人間も少なくない。
「殲滅部門といえば、新人が来たらしいっすね」
「…そうだった。そのことで本部長に呼ばれてたんだっけ」
アーヴィンがムクッと起き上がって温くなったコーヒーに手を伸ばす。
「あぁ、新人のデータ採取ですか?」
「そ」
「そういえば、マイヤちゃんも任務から帰ってきたらしいですね」
「マジで!?」
グテッと倒れていた男が突然起き上がる。
「後で見に行こ」
「何でだよ」
別の男が呆れ顔で言う。
「疲れた心に癒しを与えるんだよ。この間帰ってきたと思ったらすぐ任務行っちゃったもんな〜」
「この前メシに誘って断られたくせに」
「うっせ!」
「あのさ、そのマイヤちゃんと例の新入りがさっき一緒に部屋探してたよ」
『何〜〜っ!?』
意識の混濁していた男どもが一斉に飛び起きた。
「なんで入ったばっかの新入りがいきなりマイヤちゃんと館内デートしてんだよっ!?」
「さぁ。でもここに引っ張ってきたのはマイヤちゃんだって噂だよ」
「おのれ新入り…!いったいどんな男だ?」
「なんでも髪が真っ白らしい」
「じじい!?」
「マイヤちゃんて年上派だったの!?」
「いや、いくら何でもじいさん好きってこたぁねぇだろ」
「でも新入りじいさんがやってくるなり一緒に部屋を探すこの親密さ。こりゃわからんぞ」
「俺、ちょっとショック」
「はは、同い年だもんなお前。御愁傷様」
「うるせー!3回もデート断られたお前に言われたかねーよ!」
憶測の応酬が飛び交う。
「おいおいお前ら、マイヤのことで盛り上がる元気があるならこの書類の山片付けてくれよ」
アーヴィンが呆れ顔で言う。
「部長!部長はマイヤちゃんがそこらへんの馬の骨に持ってかれてもいいんですか!?」
「俺は知らん。それはマイヤの決めることだ。さぁ、仕事しろ仕事!」
アーヴィンがパンパン手を叩いてみんなを仕事に戻した。
「じゃ、俺ちょっと本部長のとこ行ってくるから、ここ頼んだぞ」
「はい、わかりました」
みんな仕事に手をつけるものの、話はマイヤのことで持ち切りだった。
アーヴィンは部屋を出る前に一同に向けて言った。
「おいみんな、現実的に考えろ。お前らじゃマイヤは落とせん」
バタンとドアが閉まる。
「……だよなぁ」
さっきまで盛り上がっていた男達はみな項垂れるのだった。


  第7章 2節:初任務 - 翼無き天使 (男性) - 2008年02月19日 (火) 17時51分 [757]   

「失礼します」
「は〜い、どうぞ〜」
ヨーロッパ地域本部に着いてから4日。アルトは司令室に呼ばれた。以前言われた、エターナル・フォースのデータ採取だろう。
「ここはもう慣れた?」
ライアンは常にコーヒーを飲んでる。この前廊下で見たときも、手にはコーヒーがあった。
「はい、たまに迷いますけど」
とにかく広くて高くて、未だに全体を把握してない。
「大きいからね〜。地下も15階まであるんだよ〜」
そんなにたくさんの部屋、何に使うのだろうか。
「そこに地下鉄もあってね、ミラノの駅に直結してるのよ」
「へ〜、駅が地下に…」
任務に出向く際はそれに乗って行く。警備員が言ってたのはそういうことだったのか。
「それで、用件はこの間言ってたデータ採取ですか?」
「あ〜それなし。データ採取はまた次の機会にね」
「じゃあ、いったい何です?」
「任務に行ってもらいたいんだ」
任務。正式にはこれが初任務になる。
「どこですか?」
「ルーマニア。奇しくも我が故郷だ。詳しい話はもう1人が来てからね」
「…もう1人?」
「そ。チームを組んで行ってもらうのよ」
「でも、この前は研修は必要ないって……」
「チームを組むのは、キミが新入りだからじゃなくて、相手がなかなか手強そうだからだよ」
それだけ被害者が出てるってことか。しかしそれなら今まで気づかなかったのはなぜだろうか。
「組むのは誰ですか?」
この4日間で何人かのターミネーターに会った。みんなアルトよりは10歳は年上の大人だった。
アルトやマイヤのように10代のターミネーターはあまり多くないらしい。
「ん〜そろそろ来ると思うんだけどね〜」
ライアンは悠長にコーヒーをすする
「マイヤはどうしてます?」
自分の部屋を決めたり、館内を案内してもらったりした日以来、顔を見てない。
「マイヤくんは今オーストリアで休暇中。家族に会いにね〜」
「そうですか」
念願の休暇というわけか。働き詰めだったみたいだし、家族とゆっくり過ごして欲しいものだ。
 突然扉が開いた。ノックはなかった。
入ってきたのは若い男だ。たぶんアルトとそう歳は変わらないだろう。
細身だが引き締まった体、漆黒の髪を後ろで結わえて、それは腰の辺りまで伸びている。マイヤといい勝負だ。
切れ長の目に鋭い眼光、そしてアルトが今まで見てきた誰より不機嫌そうな顔だ。
「任務か?」
司令室に入るなりぶっきらぼうにさっそく本題に入った。
「やぁ天峰くん。待ってたよ。今日はいつにも増して不機嫌だね」
「…あんたと漫才する気はない。さっさと任務内容を言え」
この男がアルトのパートナー。なんだかDICを消去する前にこの天峰に殺されそうだ。
「説明の前に紹介しとくよ。彼は天峰総一郎くん。キミと同じターミネーター」
天峰はアルトをチラッと見た。睨んだと言った方が的確かもしれない。
なぜそんなに不機嫌なのか、アルトは不思議に思った。
「で、こっちはアルト=ナイトウォーカーくん。ついこの間入った新人さん。任務はキミたち2人で行ってもらうからよろしく」
「新入りの研修なんかに付き合ってられるか。誰か別の奴に回せよ」
「アルトくんは研修免除だよ。アデル元帥の弟子でね。もう実戦にも慣れてる」
「元帥の…?」
ギラッとした眼光が再びアルトを射抜く。
初対面の相手をここまで睨み付けることができる人間も、そうはいないだろう。
「よ、よろしくお願いします」
天峰からの返答はなく、ライアンの方に顔が戻った。
「…だったらなぜチームを組む必要がある。俺一人で充分だ」
「まぁまぁ、今回の任務は一人じゃちょっとキツイと思うんだよね〜。数が数だし」
数?複数のDICがいるということか。
「おまけに友達の少ない天峰くんは、アルトくんとの親睦も深まる。一石二鳥ってやつだね」
「…くだらん。さっさと説明に移れ」
「場所はルーマニア。調査部門の調べによると、どうやらDICによる組織めいた集団が存在するらしいんだよね」
ライアンは山と積もった書類の中から引っ張り出した、報告書の束を見ながら話し始めた。
「組織…ですか?」
「そう。集団活動を行うのはかなり知能が発達してるDICだね。組織はルーマニアに限ったものなのか、それとももっと広範囲に根付いたものなのか、そこら辺はまだ何とも」
「…組織の壊滅が任務か?」
「キミたちの任務は、組織の規模、目的を調査し、かつルーマニア内のDICを殲滅すること」
「被害の数はどの程度なんですか?」
「犯行がDICによるものだと疑われるのは、約200件。この2年間でね」
「200…!?」
「ただ今までみたいに特定の区域じゃなく、ルーマニア全体が活動範囲になってる。だから調査部門も気づくのに時間がかかったってわけ。相手方の規模にもよるけど、殲滅だけじゃなく調査も伴う危険な任務だから、2人ともガッチリ協力してね〜」
協力、してくれるのだろうか。アルトの方は問題ないが、天峰は見た感じ協調性皆無だ。
「他に何か質問は?」
「…DICが組織を形成するのは今回が初の事例なのか?」
「………いや、他にいくつか事例があるよ」
気になる「間」だ。DICが組織を作る、というのは少なくともアルトは聞いたことがない。天峰も同様のようだ。
「…そうか」
「以上かな?じゃ、任務完遂に向けて、ボクからプレゼントをあげちゃおうかな〜」
そう言ってライアンが何かをポケットから取り出す。
「じゃ〜ん!DIC探索機器、通称『ディテクター』だよ〜」
「…またあんたのくだらん発明品か?」
「ひどいな天峰くん。ボクの発明にくだらないものなんてあった?」
「どうだかな。思い出すことすらくだらん」
「むむむ、でもこれは役に立つこと間違いなし!エターナル・フォースを駆使してDICのダークマターを感知する機械だよ」
「そんなことできるんですか?」
アルトのシックスセンスと同じ効果だ。
「もちろんさ。すでにマイヤくんに試作品を使ってもらって、それはもう絶好調。これもまだ改良途中なんだけど、充分使えるよ」
「へ〜、便利ですね。エターナル・フォースを消費するんですか?」
「まぁほんのちょっとね。でも戦闘に差し支えはないよ。ということで、二人とも仲良く頑張ってね〜」
天峰はまだ不満そうな感が満々だったが、任務と思って割り切ったのか、クルッとライアンに背を向けて扉へ向かった。
「…行くぞ銀髪。俺の足引っ張んなよ」
「アルトです。敵は多数なんですから二人で“協力”して頑張りましょうね」
“協力”の部分をしっかり強調して、にっこり笑いながらアルトは言った。
「…てめぇ、何様のつもりだ」
天峰の眼光がアルトを射抜く。
「天峰の仲間ですよ。よろしくお願いします」
「……ちっ」
「やれやれ、今からこの調子じゃ先が思いやられるね〜。あ、そうだ。長期任務になりそうだから、定期連絡を欠かさないでね〜」
天峰は司令室を出てズカズカと進んでいった。
「…いつもあんな気難しい性格なんですか?」
「まぁね。彼の機嫌が良いのは閏年より頻度が少ないね。でも殲滅者としての実力は折紙付きだよ。彼は世界最後の侍さ」
「さむらい…?」
敵も味方も厄介そうな発任務に、アルトは小さな溜息をついた。


  第7章 3節:たぶん - 翼無き天使 (男性) - 2008年02月19日 (火) 17時55分 [758]   

 予定していた時刻に、予定していた場所に行ったが、ライアンと新人は影も形もなかった。
しばらく待ったが一向に来ない。いったいどうなっているのかと、司令室に行ってみると、ライアンは悠々とコーヒーを飲んでいた。
「本部長……」
「おや、アーヴィンくん。何か用?」
「何か用?じゃないですよ。新人のデータ採取の方はどうなってるです?」
「データ採取?…あぁ、それ中止になったの。彼には任務にね〜。言ってなかったっけ?」
「初耳です…」
(勘弁してくれよ。っていうか中止にした時点で俺に連絡しようとか思うだろ?普通)
などと上司に言えるわけもなく、アーヴィンはその件は忘れることにした。
「…任務って、どこですか?」
「ルーマニア」
ルーマニア。DICの組織によって200余人が犠牲になっているところだ。
「…そんな危険任務に入り立てのじいさんを送り込んだんですか?」
「…じいさん?やだなアーヴィンくん。アルトくんはまだ15だよ」
「…えぇ!?だってみんな白髪のじいさんだって…」
「はぁ〜、歳の判別もできないとはね〜。みんな働き過ぎ。早死にするよ?」
「誰のせいだと思ってるんですか……」
「さ〜、見当もつかないよ」
「…それより、大丈夫なんですか?新人をそんなとこにやって。DICの組織なんて、相当やばい任務だと思うんですけど」
「ん〜、大丈夫だと思うんだけどね〜。アルトくんの実力はかなりのものだそうだし、天峰くんも一緒だから」
「あの『白刃の天峰』が?…よくチームなんか組みましたね」
「ケンカしながら行ったよ。って言っても天峰くんが一方的に不機嫌なだけだけど。あの二人、けっこういいコンビになると思うんだよね〜。彼らに足りないのは信頼と友情さ!」
右手の親指を立ててアーヴィンに向けた。
(何?そのテンション。っていうか無理だろ。天峰だよ?)
「…その組織は、『ジハード』とは関係が…?」
「…どうかな〜。行動がちょっと雑だからね〜、関連はないと思うけど、もし何らかの形で繋がりがあるとすれば、危険かもね〜」
「かもね〜って……。総本部はこの件には何も言ってきてないんすか?」
「うん。『ジハード』が絡んでくれば、もう元帥クラスの任務だけど、今のとこ何もなし」
「じゃあ、そんなに心配することもないですかね」
「たぶんね〜」
「……たぶんっすか?」
「そ。たぶん」
(おいおい、大丈夫か…?)
アーヴィンは不安を隠せずにいた。

「なぁ、今ルーマニアが賑やかなの知ってる?」
「知ってるよぉ。デュートが裏で糸引いてるんだってぇ」
「へ〜。なんで?」
「知らな〜い」
「あいつ、暇人だな」
「ティックもでしょぉ〜?」
「はは、おっしゃる通りで」
「……どこ行くのぉ?」
「暇人なんでね。ちょろっとちょっかい出してくる」
「怒られるよぉ?デュートに」
「デュートじゃねぇよ。俺らを消そうとしてる奴らにさ」
「ふ〜ん。おみやげ買ってきてねぇ〜」
「了解、お姫様。……久々に、楽しめそうじゃん?」




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