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巫女 - ベールゼブブ (男性) - 2009年01月11日 (日) 14時59分 [800]
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荘厳な神殿。 鋭く尖った塔を持ち、日の光に照らされた色とりどりの硝子が美しく輝き、無機質な灰色の煉瓦の壁ながらも、神聖な雰囲気を醸し出していた。 ベストール神殿。それはルルを小さく震わせた。 「大丈夫? ルル」 兄からの問いかけにルルは答えた。 「うん。でもあたし、分かるの。ここに来なきゃいけないって」 「そうだね。マゼンダさんも言ってた。ルルにとってこの旅は意味のあるものだと。その意味がここで分かるんだ」 「・・・・・・入るぞ」 ルークの呼びかけに、一同は入っていった。
中は思いの外暗い。幸いなことに太陽の光がステンドグラスを通して差し込んでくる。その中に1人佇む女性。白いワンピースのような法衣に、白を基調としつつ美しい紫色の文様が描かれた帽子と、二つ結びの黒髪。 少女は足音に気づき、ゆっくりと振り返った。 「ようこそ。ルル。神の祝福を最も強く受けた巫女」 「どうしてあたしの名前を・・・・・・?」 少女はゆっくりと4人を教壇まで誘った。 「私はカリアス。過去を司る巫女。私はこれから貴女に過去で起こったことを全て話さねばなりませんね」 カリアスは教壇に差し込むステンドグラスの青い光に手をかざした。無造作だったステンドグラスの模様が形を形成していく。山脈と、恐ろしい目を。 「幻術の魔王が復活しつつあるのは知っていますね? 彼の魔王が生まれたのは遙か昔、南の極地のマファラス山脈の地下深くでした。魔王は冷気と障気に育てられ、最中幻術を学んでいきました。神は世界の危険を察知し、魔王の封印のため鳳を遣わし、鳳は4人の巫女を遣わして魔王の封印に成功しました。しかし・・・・・・」 ステンドグラスは4人の女性、その後ろの大きな鳥、そして苦悶の表情を浮かべる恐ろしい顔を象った。しかしその顔はだんだん卑劣な笑みに変わっていく。 「その封印は500年ごとに解けていくほど脆いものでした。それを知っていた鳳は巫女達の魂を自らのもとに封印し、いつ解けるとも分からない魔王の封印に備え、500年ごとに巫女達の魂の封印を解いていったのです」 ステンドグラスの女性が4隅まで軽やかに移動し、後ろ姿を向けたまま大きくなっていった。 「姿は変われど、魂は同じ。時を司る巫女達は、同じ使命を課せられた姉妹なのです。長女は現在の時を司る巫女、名はイリーナ」 左上の女性がゆっくりと振り向くや、ルークとアーサーは声を上げた。その顔はかつてグース城にメイドとして潜入していたときにミラルカ王女と消え去った神官風の女性と瓜二つだった。 「次女は過去を司る巫女、カリエール。今の私です」 右上の女性が振り向く。なるほどカリアスにそっくりだった。 「三女ラルキマは未来を司る巫女」 左下の女性が振り向く。また、ルークとアーサーが声を上げた。あまりにもグースのミラルカ王女に似ていた。 「そして四女ルルア。最も神の祝福を受け、そのために苦行を強いられた、悠久の巫女」 右下で振り向いた女性は、かつてマゼンダの薬で大人に見えたルルそのものだった。全員が、息を呑む。 「私たち4人が魔王封印のための鍵。私たちがそろわなければ魔王の封印は叶いません」 「あたしが・・・・・・鍵・・・・・・?」 カリアスはそっと頷いた。 「ルル。貴女は苦行により力を得る者。かつての姉イリーナの待つ邪魔の神殿まで、貴女の足で赴くのです。それが神の、彼の鳳に課せられた使命。そして必ず彼の魔王を封印しましょう」 そのとき、あの巫女が光の中から現れた。頭を覆うフードと、紫の長髪を持つ、女性神官が。 「カリアス。迎えに来ました。ついてきてくれますね?」 「分かりました、アイリーン。それではまた会いましょう、ルル。私たちの待つ、邪魔の神殿で」 「待って下さい!!」 ルルが前へ進み出た。 「教えて! どうしてあたしは何も知らないままここまで来たの!? あたしここに懐かしい感じがしたわ。でも何も覚えてない・・・・・・!」 カリアスはそっと微笑んだ。 「何度も言いますが、私は過去を司る巫女。過去の記憶を司る者。アイリーンは現在を司る巫女。今の使命に生きる者。ミラルカは未来を司る巫女。未来を見ることのできる者。そしてルル」 徐々に、カリアスとアイリーンと呼ばれた女性が消えていく。 「貴女は悠久の時を司る巫女。全てを探求し続ける者・・・・・・」 声がしなくなった。
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ふえ - ベールゼブブ (男性) - 2009年01月11日 (日) 15時07分 [801]
なんか勝手にうちのPCが再起動かけやがって作業が一回オジャンになってしまいました。この前に書いたヤツの方が絶対良かった。ムカツいたんで設定変えてやりましたけど・・・・・・。 とうとう色々明らかになったところでレス返し
>クロネコ様
こちらこそ初めまして^^ 私のお気に入りは3、4、5です。1と2とモンスターズ以外は大体あります。今度の6のリメイクと9が楽しみですな。
ツクール私もやりたいな〜とか思ってます。面白そうですね。あれ。とあるサイトで公開されてるのを見てかなり興味持ってます^^;
はい。これオリジナルです。実は第2段で投稿させて戴いてます。一応今回のやつも一部ログが流れてるようなので簡単にあらすじまとめときますね〜☆ いや、これやっとかないと私も内容の確認できないってのもあるんで。
あと、前書いてたヤツのリメイクも検討してます。色々おかしいところあったと思うってのと、書けなかった裏設定書いたりとか、裏ダンジョンに相当する番外編書いたりとか・・・・・・。
では☆
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簡単な?まとめ的なもの - ベールゼブブ (男性) - 2009年01月11日 (日) 16時08分 [802]
ルーヌ・ロット・シャンフォットーはルドン王国に生まれた少女。だが、彼女は女に生まれてきた自分を恨み、男として生きることを決意し、「ルーク」と名乗って16歳にしてルドンの兵士長にまでのしあがる。ある日王はルークに、領内に住みついた吸血鬼の退治を頼まれ、家庭教師にして幻術研究家のマゼンダ・ケルピー、宮廷魔導士見習いで富豪家の令息アーサー・ミレクロイドス=ヴァース、その妹にして神官見習いのルル・アルリア=ヴァースと共に吸血鬼退治に出かける。吸血鬼はルルの生き血を狙っていたが、ルルの不思議な力により消滅してしまう。突如現れた吸血鬼に、魔導士と神官の力が兄妹で逆転して生まれてしまった事実を訝った4人は、ヴァース家の祖母から幻術の魔王・ゲルグマイアスの復活を知る。一行は魔王の討伐のため、旅に出た。
ルドンの城下町、コロリス。マゼンダとルルがそれぞれの用事で抜けている間、ルークとアーサーは17歳の女市長、レナが黒フードの3人組に襲われているのを助ける。黒フード達はレナの市長の座を狙う富豪の息子・アドラスの差し金だった。しかし弟のロドスが人質に取られているため何もできなかった。事の顛末を聞いたルーク達はマゼンダとルルに使用人として潜入させ、自らとアーサーでレナの護衛を決める。マゼンダとルルがロドスを助け、アドラスの3人の使用人達を倒している間ルークとアーサーの痴話喧嘩が始まってしまう。なんとかロドスの証言を得てアドラス達を役人に突き出し、ルーク達の痴話喧嘩も終焉を迎える。レナから正体不明の石の板を貰ったが、マゼンダはどこかでそれを見たことがあった。聞けば南のガント王国にも似たような石の板があったと言う。
ガントとグースはそれぞれ双子の兄弟が治めている王国で、それぞれに政治的策謀がなされていた。マゼンダはそれをバーの店主から聞き、それぞれの城に潜入して内情を探ることを決めた。マゼンダとルルはガントへ、ルークとアーサーはグースへと潜入する。 ガントの国王・ガントミットはガントの王子・アンドスとグースの王女・ミラルカと結婚させ、王女ミランカをグースの王子・ヴィルラマスに嫁にやることでガントとグースの統合を謀ったが、グースの国王・グースミットが頷かない上、アンドスにはすでに庶民の恋人がいると聞かされ、更にはミランカにも意中の使用人がいた。しかしアンドスの恋人・ミーナは王国の財産を狙う悪女であり、ミランカの意中の相手にはすでに恋人のメイドがいた。マゼンダの働きでミーナの正体が露見。王子は打ちひしがれてヤケになり、グースとの政略結婚を承諾。マゼンダは魔王の封印の方法が書いてあるという石板の欠片を王から貰う。ミランカは意中の使用人・アルキスに出て行かれ、悲しんでいたのも束の間、家庭教師のクリヴィートンに目移りしていた。 一方その頃、グースではミラルカ王女を使ったルドンの征服が画策されていた。ミラルカ王女がかつて巫女修行していた修道院を手に入れるためである。しかしミラルカはアンドス王子に恋をしており、ヴィルラマスはヴィルラマスで男女構わず使用人達を手込めにする始末。ミラルカは未来を予知する能力があり、アーサーもその力を目の前にした。そしてグースがルドンを統合できないことも予言していた。そしてある時、ミラルカ王女が突然現れた神官風の女性と虚空へ消えていってしまった。
森で一行が野宿していると、叫び声が聞こえた。見ると巨大な獣が腕を貪っており、アルキスたちと思いこんだマゼンダが鞭で倒す。その後不思議な光に包まれ、サテュロス族の住む集落へと案内された。聞けばあの悪魔に操られている野獣たちがサテュロス一族を襲い、困っていたとサテュロス族の女長老、ホーナに聞かされ、弟のパントと共に悪魔の退治を頼まれる。悪魔をまたルルの力で倒したものの、洞窟にかけられた呪いで落ちてきた鍾乳にアーサーが貫かれ、死にかける。しかしパントの笛の力で治る。3日後に起き出したアーサーを見てルークは帰還を命令、のつもりが結局愛の告白で終わる。
サテュロスの集落を去り、元の森に帰ってきた一同はセバルムス公国に来る。そこで出会ったルイーズは・・・・・・ってこの辺結構最近の話題なんでやっぱいいですね。はい。
なお、話に関する質問は随時受け付けてます。
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続きが楽しみです。 - クロネコ (男性) - 2009年01月11日 (日) 23時48分 [803]
なるほど、大体のあらすじはわかりました。 女性が主人公のドラクエとは斬新ですね。 後、ストーリーがよく出来ています。 俺の作るゲームの参考にもしようかなと思います。 ルルの過去が気になります。 難しい設定がよくそんなに思いつくなー、とか思いました。
でも、主人公は女性である自分が嫌なタイプみたいですね。
俺のたぶん書く小説はドラクエでもFFでもなく、RPGツクールで作ろうと思っていた けど、素材の関係で作れなかったオリジナルストーリーです。 世界観は現代とファンタジーが混ざったような世界で、その世界には人間、エルフ、 魔族、天使、龍人族、獣人族、バトロイド(人間型ロボット)が共存していて、 遥か昔に戦争をしましたが、現在では安定して、お互いを一応わかりあえています。 主人公は11歳の人間の少年で、名前は「ライ」、学校では成績はかなり優秀ですが、 その反面、優秀すぎて、他の生徒からいじめられているいじめられっ子で、ケンカは 弱く、気が弱くていくじなしな少年です。 ですが、彼はある事件をきっかけに、銃を装備して、妹の「エルア(武器は鉄パイプ)」 と仲間二人と共に旅に出て、奇妙で、壮大で、変な人達や悪い人達や良い人達と出会い、成長していきます。
仲間二人は人間ではなく魔族とエルフです。 武器は剣と槍です。
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おお〜。 - 翼無き天使 (男性) - 2009年01月12日 (月) 01時41分 [804]
だいぶ核心めいてきましたね。 ルルはかなりのキーパーソンのようで。 次回に期待です^^
>クロネコさん 初めまして^^ クロネコさんの話もいずれ読んでみたいです。 これからよろしくお願いします。
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