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RAGNAROK - 翼無き天使 (男性) - 2009年03月29日 (日) 02時38分 [896]
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†Report4
「司教、何かご用でしょうか」 陽も沈んだローゼンブルア村の教会。一人の男がノックをして執務室に入った後にそう口を開いた。
「リーズ小隊長、よく来てくれた。ここを訪れるのも随分久しぶりじゃないかね?」 司教が笑顔で迎える。
「はい。これから例のコルツ山の悪魔討伐に向かいますので、手早くお願いいたします」
「実は、用とは正にそのことだ」
「と、言いますと?」
「カロッズのことだ」
「……あいつが何かしましたか?」
「いや、今日の夕刻にまた聖戦に加えてくれと懇願されてな」
「そのことですか」 リーズは納得した顔をする。
「ああ。その時は宥めて帰したのだが……どうだろうリーズ小隊長。今回はカロッズを聖戦に加えてみては?」
「駄目です。以前にも言ったように、あいつはまだ未熟です」 リーズは即答する。
「それは重々承知の上だ。しかし未熟だからと言って実戦に出さなければ、いつまで経っても未熟なまま。それに彼も立派なエクソシスト。彼の実力は彼を育てた君が一番よく知っているだろう」
「あいつの実力は認めますが、あいつは実戦を甘く見ています。油断や慢心はあいつ自身だけでなく、仲間の死をも招きます」
「リーズ。君のカロッズを大切に思う気持ちもとてもよくわかる。彼は有能だし、とてもいい子だ。しかし彼は絶望しているのだよ。力はあるのにそれを発揮できない自分の境遇に」
「…………」
「確かに彼は精神的に未熟だ。おまけに直情型で突っ走りやすい。しかしそれを戦いの中で諭し、彼を立派なエクソシストに育て上げるのも、小隊長である君の使命であると、私は思う」 リーズはしばらく黙り込む。
「……――わかりました。今回の討伐、補助に徹すると言う条件で、カロッズ=サーナイトの参加をリーズ=カルマニオン=ヴァイヘルンの名の下、許可したいと思います」
「ありがとう。これで晴れて司教と討伐部隊隊長、両名の許可が下りたな」
――コンコン 扉がノックされる。司教がどうぞと言うと、エクソシストが一人入ってきた。
「お話中に失礼します。小隊長、そろそろ討伐開始の時刻です」
「ああ、わかった。すぐに行く」
「はい。失礼しました」
「――ちょっと待て」 扉が閉まりかけるところでリーズが呼び止める。
「今回の作戦にカロッズを参加させる。集合場所に連れて行け」
「……小隊長、それが、カロッズは夕方から姿が見えません」
「――何?」 リーズの顔が曇る。
「まさか……」 司教は最悪の展開を予想したようだった。 リーズもまたその予想に行き着き、それはすぐに確信に変わった。
「あの莫迦が……!」
〓〓〓
コルツ山は、ザクセン連合共和国の中でも有数の金鉱であると同時に、巨大な火山だった。 「だった」というのは、山の上半分は500年以上前の大噴火で吹き飛び、全高6000mはあったその巨大さは失われた。 その後その噴火跡には巨大なカルデラが形成され、500年の時を経た今、そこには山上の大森林があった。
「で、その大森林の奥深くにはとんでもなくでかい竜が現れると」 宿に討伐には必要ない荷物を置き、ヴィンセントとセシリーは車を飛ばしてコルツ山に向かっていた。
「森林の中央部には湖があるの。その周辺で目撃されることが多いそうだから、住処はその辺りかもね」
「竜が初めて出現したのが半年前だっけ?その間に何人死んだんだ?」
「資料にも書いたけど、依頼のあった1週間前の時点で怪我人44名、死亡者5名」
「……たった5人?」 ヴィンセントが訝しげな顔をする。
「確かに死亡率10%は不自然な数字ね。それに半年間で死亡者を含めた犠牲者が50人未満っていうのも、少な過ぎる気がするわ」
「依頼主の私兵以外の犠牲者は?」
「金の採掘業者が3人。44人の怪我人に含まれてる。でも竜の出現以降、金の採掘は中止されてるから、これは自然な数値ね。これも資料に書いたわ」
「民間人はゼロ、か」
「まぁ、私有地だからその点は看過できなくもないけど」
「……ちょっとクサイな」
「そうね。何にしても目的は変わらないわ」
「だな。相手が悪魔なら、倒すまでだ」
「その前に山腹にいる依頼主に会いに行くわ」
「なんで?」
「その森林は特殊な磁場でコンパスや電子機器が一切役に立たないの。湖までは森に慣れた人間の道案内が必要だわ。これも資料に書いた」
「……なるほど、森の迷宮だな。パンでも撒くか」
「……パン持ってるの?」
「あ〜、さっき食った」 セシリーが溜息をついたのは、言うまでもない。
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才ある若者の悩みですね - 翼無き天使 (男性) - 2009年03月29日 (日) 02時54分 [897]
幸か不幸か、私には突出した能力がないので経験したことはないですが(笑 頑張れカロッズ!
新キャラ、リーズ小隊長です。 名前が長いです。 カロッズみたいなガキんちょより数段強い(予定)です。
そして渡された資料はきちんと読みましょう(笑
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ゴールデン無鉄砲賞 - ベールゼブブ (男性) - 2009年03月29日 (日) 12時41分 [898]
ルーヌ並の無鉄砲賞受賞、その名もカロッズ(18) この一段階上の無鉄砲賞は「アーサー並」と思われます。
よくいますよね〜資料読まない人^^ 話聞いても理解してないのかできてないのか、聞いた瞬間に忘れる人とか 「あとで読めばいいや」とか言って結局読まない人とか^^
あ・・・・・・全部私だ・・・・・・! そろそろ魔界へ帰ろっかな・・・・・・高崎線最近終電早いし・・・・・・帰る!(某鳥居ネタ)
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