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アークブレード講座 - ツァイベル・ラディン (男性) - 2009年07月29日 (水) 09時22分 [944]
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ごきげんよう、僕はツァイベル。素直でないアレンは爆睡していて話し相手は誰も居やしないし、正直一人で長距離車の運転と言うのも意外にハードなものさ。
ん、そう言えば僕はただの軍事オタクとは言ったけれども実はこう見えてもレギュウムの国で五本の指に入るセレブなのさ。けれども他の能無しのボンボン達とは一味も二味も違って有り余るお金を少しは世の中の為に役立たせているのだよ。
ま、諸君が気になっているのはその先だろう。今、順を追って説明するから焦らずに待ちたまえ。
先ず有り余るお金は自身の心身の鍛練、様々な場所に行く為に使うのだよ。しかしそれだけでは一人で豪遊していると勘違いすると思うが心身を鍛えるのは行く先々で色々な事を嗅ぎ回っているせいか変な輩に目を付けられて挙げ句の果てに暴力を振るわれて散々な目に遭ったからそれ以来心身の鍛練は欠かさずにしているのだよ。
そして何を調べているかと言うとカメリカの動向を探る為なんだが詳しく言えばカメリカの軍事、発明品。軍事に関しては皇帝が何を考えているのかいつレギュウムに攻めて来るかと言う事で発明品については新たに戦争の為に開発されたモノがないかチェックし、もしも見つかったら秘密裏に設計図ごと抹消するのだよ。けれども僕一人でやれる事にも限りがあるから其処で部下の登場だ。僕が手を離せない時は部下達に命じて任務を遂行させているのだよ。
おっと得体の知れないヤバい事していると思うかも知れないが実は『風紀委員会』と言う名前の僕と数人の部下が経営している表向きは探偵事務所なのさ。 そう表裏一体探る仕事だから普段は失踪したペットや人を捜索したり浮気調査をするのだよ。
決して誤った正義感を持つ輩とは違い「正義」とかと言った理念で活動する訳でもなく自分達の利益にならない事は何一つやらないよ。例え下らない依頼でもこなさなければ信用も顧客も付かないし平々凡々とした彼らが重要な情報を知っている可能性もない訳ではないからね。
それと今、"誤った正義感を持つ輩"と口走った気がするな、折角の機会だ彼らについて僕の調べた成果を話そう。
彼らとはレギュウムのポリスオフィサーの事で皆が俗に言うポリス、ポリ、警官の事だよ。 正直真面目にやっている極少数の人間には悪いが「組織」とかに縛られているから事件が起きないと動けないとか緊急事態にも関わらず融通が利かなかったりして救える筈の命も救えないとかふざけているとしか考えられないよ。下らない事に躍起になる前にもっと優先すべき事に目を向けて欲しいよ。
おっと、僕とした事がこんな下らない所で熱くしまった、失敬。
続きだがそんな彼等は数年前にソルジャーの組織と合併したが体質的なものは何一つ変わらないが唯一変わった点と言えばできる事の範囲が広がった事だね。 彼等は合併して皆同じ看板を背負っているが部門分けされている。そしてどの部門の人間でも逮捕ができるようになった事と実力次第では警官もソルジャーになれる事のこの二点さ。
さて、ついでにアレン達ソルジャーの事も知る限りの事を話そう。
彼等は陸・海・空の3つの部隊に分けられていてアレンがこの中で属しているのは陸軍で彼等の特徴は「白兵戦」つまりナイフやダガー、グローブ、素手で戦う戦法の一つでこれ等に関しては右に出る者は少ない筈だよ。 かと言って重火器系統は使えないとかそう言う事ではなく「機動鎧」と言う高速で動ける鉄の塊を装備してアームに対戦車ミサイルを撃ち込む装備を装着して実戦では相手側の歩兵や強固な戦車を軽く吹き飛ばしたりアームの装備を変えるとガトリングやライフルも扱えるらしい。
そして海軍は言うまでもなく海上での戦闘に強く母艦の上や海浜で戦闘をすればあらゆる方法で相手を海中に引き摺り込み一気に畳み掛け倒すそうだよ。因に彼等も「機動鎧」を装備して戦闘をするけれど陸軍のとは仕様が違って海水に浸かっていても錆びない特殊な素材を使用していて海中を突き進める様にモーターボートみたいにスクリューが付いているそうだよ。
空軍だが彼等は戦闘機の操縦でき尚且空からの奇襲攻撃が得意な戦闘集団で陸軍や海軍の様に「機動鎧」を装備せずに軍服かその上に軽装の鎧を装備して戦闘をするらしい。
今までに何回か出てきた「機動鎧」も浅い部分しか触れていないみたいだからこれについても説明しよう。 機動鎧は素材に関しては企業秘密らしいが戦車の砲撃にも耐えられる装甲重視の「ドンガメタイプ」と言うのは重量は200sで動力と冷却用のモーターが搭載されているがあまり速く動けないのが欠点で例えて言うなら人が速く走る速度と同じくらいだよ。
もう一つ「コブラタイプ」は機動性重視で最高速度が160q/hで重量は80s。鎧自体が分厚くなく拳銃の弾位なら防げる程度だから歩兵ばかりの時はいいかも知れないが戦車が何台もある戦闘ではアウェイかも知れないね。
3つ目に「ジャッカルタイプ」と言うのがあって此は先程の二つの弱点をある程度補った万能型で最高速度は80q/hで重量が140s。戦車の砲撃以外の全ての銃撃は防げる仕様で上の階級のソルジャー専用の機動鎧らしい。
そして此らの機動鎧を考案し試作型を製造したのはブラウン氏なのだがその彼も今は消息が分からない。彼が居れば新しい武器や機動鎧が開発されてレギュウム軍が負ける事はないのだがやはりそれに目を付けられて何処かに幽閉されたのだろうか。しかし彼はガードマンに護衛されていたと言うし此は内通者がいたとしか考えられないな。 僕がどんなに最善を尽くしても足取りは掴めない、ブラウン氏を誘拐した輩が居たとすればかなり此処が切れる連中なんだろうな…
ツァイベルは頭を指差しそう言った。
最も信頼できる部下に彼の捜索を頼んであるから僕はルイナート=ケビンについてもっと調べなければ魔物や半身半魔についても調べようがない。けれどその前に彼について知る限りの事を諸君達にお話ししよう。 彼も最初はただの純粋な化学者で新種の菌を発見したりして色々な賞を貰っていたらしいね。だが彼はありとあらゆる事を研究し尽くし何時しか「化学に取り憑かれた狂気の悪魔」と呼ばれるようになったらしい。それもその筈、魔物襲撃の頻発の度合いが多くなり政府は彼に魔物の真相究明を求めた事も要因の一つかも知れないよ。 けれど魔物の研究に関しては国家機密らしく霧のベールが掛かっているかの如くで最善を尽くしても何一つも解らなかったよ。 彼の研究所は意外にもセキュリティが厳しくこっそりと忍び込んで調べる事すら敵わなくて政府関係者の誰でもいいから調査してくれる人物を集った訳さ。 そこで総司令官殿に偽名を使い調査の事を依頼した所、数ヶ月後にルイナートから軍事施設のパソコンにメールが届いたらしく此はチャンスだと思ったよ。 どうせそこら辺の兵士が行くかと思いきや腰抜けばかりで残っていたのは数々の戦歴を持つ男、陸軍大尉アレン=エクスターとは意外中の意外だったよ。 それで彼に研究所を見学して貰ったお陰で様々な事が解ったよ。ルイナートが魔物の細胞を使い人体実験を行い「半身半魔」と言う名の存在を創り出した事とそれらが魔物の細胞を持つが故に魔物の発見に役立つと言う名目で創り出されたがそれは口から出任せと言う事とそれらは理性に乏しく「覚醒」と言う半身半魔が保てなくなり心身共々完全に魔物になる現象がある事を。
そして先程戦った腕が沢山ある骸骨も最初は二人の人間だったが覚醒により魔物になった所までは何となく理解できたが一瞬光に包まれたかと思うと一体の魔物になっていて直前にはルイナートは「儀式は完成した」と意味不明な発言をしていたな。
全く分からない事だらけでこれからは忙しくなりそうさ。おっともうこんな時間か、さてとそろそろアレンを起こすとしよう。
諸君、次回はきちんと話を進めるから安心したまえ。
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