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ガント編8 - ベールゼブブ (男性) - 2007年09月18日 (火) 14時03分 [695]
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「・・・本当に出て行かれるんですね・・・。」 ルルはメイド寮で荷物をまとめるケイトを見ながらそう言った。 「ええ。とりあえずアテは見つかったわ。ポートリアで船に乗って行くの。で、着いた先に土地を買ってあるみたいだから、そこに家建てて暮らすわ。」 そう言ってケイトは鞄をぐっと閉めた。 「それじゃ、あんたもがんばんなさいよ。これでこの国の召使いで男はいなくなるから大丈夫だと思うけど、もし男ができたら姫には気をつけなさい。それじゃ。」 ケイトが扉を開けると、その先にはアルキスが同じく荷物をまとめ、二人は寄り添って城を出ていった。 「・・・姫様はどうしてるのかしら・・・?」 ルルは急いで王女の部屋へ向かっていった。 ルルは王女の部屋のドアをノックした。 「お入りなさい。」 中から聞こえたのは意外にも王女の朗々とした、明るい声だった。 ルルは失礼します、と入っていった。そこにいたのはもちろん王女と、見たことのない男性であった。 年は20代後半から30代、といったところか。なかなか品のいい美男子だ。 男性はにっこりと笑いながらルルに会釈した。白い歯が眩しい。 「あら。やっぱりまた貴女ですのね。今度は何を詮索しにいらしたの?」 「いえ・・・姫様があまりにも悲しそうになさっていたものですから・・・つい心配になって・・・。」 王女と男性はくすくす笑っていた。 「なかなか親切なメイドね。でも安心なさい。私、新たな恋を見つけましたの。お兄様と私の家庭教師のクリヴィートン先生よ。今までどうして気がつかなかったのかしら?貴男の魅力に。」 「ですが王女様、私はただの家庭教師・・・王女様に相応しい者ではございません。」 「嫌ですわ、『王女様』なんて・・・『ミランカ』とお呼び下さいな。」 ルルは呆れ返って物も言えなくなった。 「お邪魔しました〜・・・。」 ルルはそう言って王女の部屋から出ていった。 「・・・心配して損した。まあ、結局親の反対喰らって駆け落ちなりなんなりすることね。」 その時、マゼンダが血相を変えてルルの元に走ってきた。 「ルル!!ここにいたのね!?」 「どうかしたんですか?」 マゼンダはルルを促して走り出した。 「今アーティーからまた炎の伝書鳩が届いたの!!グースのミラルカ王女が何者かに連れて行かれたって!!」 「え!?どういうことですか!?」 「あたしもよく分からない!だけど、何か神官風の女性だって言ってたわ!」 神官風の・・・?ルルは何か嫌な予感がしていた。
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グース編8 - ベールゼブブ (男性) - 2007年09月18日 (火) 14時26分 [696]
ルークとアーサーが駆けつけると、王女の部屋の前で衛兵が何人も倒れており、扉が開きっぱなしだった。 二人は恐る恐る扉から中を覗いた。 割れた窓硝子の向こうに、宙に浮いた神官風の女性。 被り物の後ろから紫色の髪が靡いていた。 「ミラルカ・・・貴女は魔王を封印する鍵の一人。私の仲間なのです。来てくれますね?」 「あなたにはどこか私と同じ力を感じるわ・・・。そして今強大な闇が訪れようとしていることも・・・!」 「王女!!」 ルークは慌てて駆けだした。アーサーも仕方なくそれに続く。 王女はゆっくりと振り返った。 「ルーナ・・・。私、行かなきゃいけないみたい。短い間だったけど、尽くしてくれてありがとう。鉄の棚、嬉しかったわ。」 「ですが・・・!!」 ミラルカは片手をかざして、ルークを黙らせた。 「ルーナ。その衛兵達を見たでしょう?お世話になった貴女にまで危害を加えたくないわ。私は自分の役目を果たすだけ。朧気ながら感じていたの。この世はもうすぐ闇に覆われる。だから、私達4人が鍵となって、その闇を永遠に封印しなければいけないの。」 いつにない真剣な目をした王女に、ルークは何も言えなくなった。 王女は差し出された神官風の女性の手をとり、窓に身を乗り出した。そして女性の横に「立って」みせた。 「みんなによろしく言っておいて。私はちょっとの間お城からいなくなるけど、寂しがらなくていいからって。それじゃ、さようなら・・・。」 それっきり、二人は空中へ消えていった。 「姫様!!」 ルークは後を追おうとしたが、もう既に二人の姿は無かった。 「アーサー・・・先生とルルを呼んでくれ。私はここの国王にこのことを話してくる・・・。」 その言葉を受け、アーサーは前と同じように空中に文字を書き、鳥の形にして飛ばした。
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暗中の彼方へ - ベールゼブブ (男性) - 2007年09月18日 (火) 15時01分 [697]
ルークはグースの王と王妃に全てを告げた。 王妃はその場で気を失い、王は悲嘆にくれて地面に座り込んだ。 「・・・・報告ご苦労・・・。下がって良い・・・。伝令を・・・ガントに・・・。」
伝令によってミラルカ消失がガントに伝わり、ガントの王の大混乱を招いた。 そして急遽ガントとグースの王による会議が始まったのだが、まずどこから話し合えばいいのか分からない。 「折角ガントとグースの統合を考えていたのに・・・頼によってアンドスの相手になるはずの王女がいなくなったとあってはなあ・・・。」 「ルドンを統合するにせよ・・・肝心のミラルカがいなくなってはそれも叶わぬ・・・。かといってガントの統合を飲むにしても、あのヴィルラマス一人だけじゃ・・・。」 ガントの王子・アンドスも悲嘆にくれていた。 「これは俺に誰とも結婚するなという天の啓示か・・・?」 ところが一方、父王が会議で城を空けているために、ガントの王女・ミランカとグースの王子・ヴィルラマスはやりたい放題である。 「先生、いつになったら私を『ミランカ』と呼んで下さるの?いつになったら私は『クリヴィートン』と呼べるんですの?」 「王様が今会議でお城を空けていらっしゃる。それが落ち着かない限りは、いけません。」 「待てよミーナ!すばしっこいな!」 「あたしのお尻が触りたかったら捕まえてごらんなさ〜いヴィルラマス〜!」 アンドスを捨てたミーナは、グースのヴィルラマスに近づいていた。しかも勝手にメイドとして乗り込んでいたのである。そして当然のごとく王子のお遊びに参加していた。 「この城のメイドと給仕でまだ抱いていないのはお前だけだぞ〜!」 「(ゲ!男もかよ!)お、お嫁さんにしてくれるなら抱かせてあげる〜!」
ルーク達は合流し、それぞれの国を発った。 向かう先はポートリア。港町だ。 幻術の魔王の復活。 魔王を封印する術が書いてある石板の欠片。 ミラルカをさらった女神官。 この3つの事柄がなにかしら関係しているに違いない。 4人は港町を目指し、西に広がる森に入っていった。
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メイド終了〜^^ - ベールゼブブ (男性) - 2007年09月18日 (火) 15時21分 [698]
これでメイドになるのは終わりです^^ やっとや〜!! もうメイド姿になることはありません^^余程ネタにつまらない限り。
結局ミランカとミーナは他の男に目移りし、グースの給仕達は全員王子に喰われたようです。だめだこりゃーー;この国お互い長くないわ。
ではレス返し >天使様 ふっ!でもどのみちあなたはミックスジュースを飲むことになるのです。いずれその意味がわかりますよミックスジュース。(必殺サブリミナル効果)
そういえば戦闘シーン用意してなかったですねミックスジュース。まあ、この場合内情のドロドロと人間模様を重視しましたからねえミックスジュース。
強い人の描写って難しいですよねミックスジュース。前作のラスボスなんてミックス結構弱かった気がジュースしましたからーー;
ていうかミックス石板を今まで石版ってジュース書いてましたねーー;私。正しくは石板の方でよろしくお願いしますミックスジュース。
ほ〜ら、飲みたくなったでしょ?じゃ飲ませてあげます。 えい☆(突き落とす) ほ〜ら、足下の大釜にイモリの肝臓とカエルの胃袋と蝙蝠の目玉とetc...を独自のレシピでミックスしたジュースがたっぷり入ってるでしょう?溺れるほど飲んじゃって下さいな☆ ってああっ!!釜のふちにぶら下がってる!!しかも飲まずに這い上がってきた!!
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やっと終わりましたね^^ - 翼無き天使 (男性) - 2007年09月21日 (金) 19時58分 [699]
あの両国の行く末が心配な限りです^^;
サブリミナル効果って^^;やめてくださいよ!! 飲みたくなっちゃったらどうするんですか!! (文章に打ち込んでも意味あるんですかね^^;)
次回からまた新しい話ですかね^^ 楽しみにしてます。 では
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